我らが祖国「日本」を守り抜こう

我らが祖国「日本」を守り抜こう
 “シーチン”修一
【雀庵の「大戦序章」275/通算706  2024(令和6)年3/13/水】3月10日に菩提寺で母の十三回忌法要を営んだ。母は平成24/2012年3月10日に成仏。本当は来年が十三回忌なのだが、小生がまだ歩ける間に、ということで今年にした。母は大正9/1920年生まれだから92歳の大往生だった。
父は昭和58/1983年3月9日に成仏。大正10/1921年生まれだから62歳の昇天は、いささか早過ぎた。41歳の1961年に起業し、高度経済成長の波に乗って大成功したが、14年後、55歳の1975年には糖尿病、さらに肺癌を患い、事業を長女の婿さんに譲って、短い晩年はノンビリとおもちゃ屋を始めた。辛くても泣き言を口にしないという帝国陸軍の根性は大したものだった。戦前戦中の大和男児は実に根性があった。

母の十三回忌法要出席者はごく内輪で、母が生み育てた大姉、中姉、中姉の旦那、小生夫婦の長女、次女、息子、長女の旦那。孫は女子2人、男子1人、全部で計10人。年々、いろいろな事情で身近な親戚が減っていくのは残念だが・・・まあ、時代の流れだから如何せん。諸悪の根源は、安価な労働力を得るために専業主婦を家から外に放った政財界である。数百年、数千年の男女分業体制が破壊されてしまった。今の政財界は外国人労働力を得るために受け入れに熱心だ。銭ゲバ亡国野郎は痛い目に遭わないと永遠に悪さをし続けるから気を付けるべし。閑話休題。

ちょっと甘めに振り返ってみると、小生は母から文学・芸術・遊び、父から勇武・ビジネス・女好きの血を引いたようである。有難いことだ。両親ともに文系で、周囲には理系の人はいなかった。理系の人は今は「最先端技術の開発を担う人材」として引っ張りだこだが、それ以前は「エンジニア」と呼ばれ、どういうわけか小中学生には人気があった。
小生もその影響をうけており、二十歳で刑務所から保釈された後、建築関係の仕事(鳶職)に就くと、現場では「職人」や「建築士」がとてもカッコよく、建築系の雑誌「室内」を主幹する山本夏彦翁が紹介していた斎藤隆介著「職人集昔ばなし」を始め以下の書籍もむさぼり読んだものだ。竹田米吉著「職人」、海音寺潮五郎著「日本の名匠」、佐江衆一著「江戸職人忌憚」など。もちろん小説では幸田露伴 の「五重塔」も・・・やがて「俺は建築士を目指すんだ!」と決意したものである。

1972年頃、鳶職は結構給料が良く、カネが貯まったので本屋の立ち読みで建築士の学校を調べていたら編集者養成の専門教育機関(日本エディタースクール)があるのを知ってビックリ、「そ、そ、そうだ、お、お、俺は活字の世界が好きなのだ!」と運命の大転換。編集&記者は小生の天職、天命になった。

73歳になっても物書きは大好きだが、このところ腰痛が高じて気力体力が衰え、今ひとつ戦意が向上しない。記憶力も衰えているし、昔の話を繰り返したりして、何となく老人の繰り言みたいだ。記事書きは「勃起」みたいで心技体が充満していないとダメなんだなあなどと思ったりする。シコシコ書いているうちに今は高揚してくるから何とかやっているが、「ああ、これが老化というものなんだ」とつくづく実感する。

法事翌日の3/11は腰痛ベルトをガッチリつけて排水管の定期点検&掃除、さらに劣化が目立ち始めた靴3足の修復などで相変わらずの多動爺をそれなりに楽しんだが、夕方になるとフラフラになった。フラフラでも日本の安全保障に関わる報道は気になってチェックするが、現役世代は自分に直接関係する事には敏感であっても、大所高所から日本や世界を見る、知る、関心を持つということはあまりなかった。夏彦翁は「それは健全である。健全とは嫌なものである」と言っていたものだが、翁も忸怩たる思いだったのだろう。

この頃の市井の老人=リタイアした人はTV漬けが進んでいるのだろう、知性教養風格のある「翁」という呼称にふさわしい方が激減しているように思う。巷間では「大学では文系は要らない、経済発展に寄与する理系だけで十分」という声もあるらしい。「経済、金儲けが重要で、軍事力は二の次三の次。軍拡競争はキリがないから、そこそこで良い」という経済人が多そうだ。「財界合同訪中団は1月25日、中国の李強首相と北京市の人民大会堂で会談した。訪中団は日本企業の事業環境改善などを求める提言書を提示。反スパイ法に対する懸念を示したほか、日本人への短期滞在の査証(ビザ)免除措置の再開などを求めた」(産経)。私たちをイジメないでください、商売させてください・・・って、大和男児のすることか? 情けなくないか?

産経2024/3/8、 李相哲(り・そうてつ)龍谷大学教授の「正論:日本だけ非核国で本当によいか」から一部転載する。
<最近、ある韓国国策研究所の研究員から驚くべき話を聞いた。韓国が核武装をするのは時間の問題だという。その理由は北朝鮮の非核化が絶望的になっており、米国に頼るだけでは不安だから韓国人の10人に6人は独自の核保有は必要と考えているためという。
韓国サンド研究所が2022年7月に実施した調査では74%の韓国人が「独自の核開発に賛成」だった。同研究員によれば、それまで独自の核開発は「自殺行為」と否定的だった安保分野の専門家の多くが今は賛成に転じている・・・

韓国の核自強論者たちは、核保有は国益にかなうと主張する。韓国は60年代の韓国ではなく、経済規模においても軍事力においても「大国」だ。米国は経済的、軍事的に韓国を必要とする。
米国の考えも変わりつつある。トランプ前大統領は大統領選期間中の2016年3月、ニューヨーク・タイムズ紙とのインタビューで「日本と韓国について、北朝鮮や中国から自国を防衛するために、米国に依存するのではなく独自で核兵器を製造することを容認する」考えを示した。

米政府の強力な反対がなければ、韓国の核武装は時間の問題かもしれない。韓国が核武装すれば、東アジアの主要国の中、日本だけが非核国となる。中国は、表向きでは北朝鮮の核保有に反対する姿勢を見せているが、その理由は日本の核武装に口実を与えるのが怖いからだ。日本が核保有について真剣に議論を始めるだけで、中国は本気で北朝鮮の核を放棄させようとするかもしれない。

非核三原則を貫いてきた日本では核兵器に関する議論すらタブー視されている。ただし、日本がおかれている安保環境は、韓国と大いに異なるわけでもない。
米国の反対を押し切り独自の核武装をしたフランスのドゴール大統領は回顧録『希望の回想』で、「米国は西ヨーロッパがソ連の手中に落ちるのを見過ごすことはない。核で阻止する」として説得しようとするケネディ米大統領に対し、「ソ連の侵略がどこまで及んだら、いつの段階で、どの目標物を攻撃するつもりか」と反問した。するとケネディ氏は返事できなかったと記す。

今の日本が置かれている安保環境は、かつてのフランスよりはるかに安全とは言えない。米国の対アジア政策が永遠に不変とも言えない。東アジアのパワーバランスのために日本は韓国と協力して必要なだけ、必要な時期までにのみ核を保有するとすれば、実現の可能性は高くなるのではないか>(以上)

マキアヴェッリ曰く「人間は往々にして小鳥と同じように行動する。眼前の獲物に注意を奪われて鷹や鷲が頭上から襲いかかろうとしているのに気が付かない。会議に列席したことのある人ならば、人間はなんと誤った判断をするものだろうという思いを一度ならず持ったろう。進むべき方向とは全く反対の方向へ走ってしまうのがしばしばだ。堕落した国では、優れた人材は少数派にされてしまうことが多い。その結果、『目先の利益』になりそうなことを言う者が会議を支配するようになるのである」(塩野七生著「マキアヴェッリ語録」)

商売優先でやっていくと大昔から国境・縄張りを越えたビジネスになる。縄文時代の日本も交易が盛んだった。今のビジネスマンにとって、儲けさせてくれる国は良い国で、ケチな国や思うほど儲けさせてくれない国は、それがたとえ母国であっても愛着心、愛国心は薄れていくのかも知れない。27か国が加盟する欧州連合(EU)は経済連合体のようなものだから、各国はそれぞれ「独立国家」「我が祖国」のままだが、EUに限らず各国の経済交流がどんどん進むと、やがて(数百年後には?)国民は「国境のない地球市民」になっていくのかも知れない。

そうなるとCIQ(税関:Customs、出入国管理:Immigration、検疫:Quarantine)がなくなり、それは商売人や投資家、ビジネスマンなどにとっては大いに結構なことかもしれないが、宗教など価値観が違う人々が世界中から「暮らしやすい国・地域」に押し寄せるから、かえって紛争が急増することになるだろう。多民族国家で成功した国はないと言っても良い。米国は「国境擁護派」と「国境開放派」に分裂して互いに憎悪が募り、まるで2つの国に分裂したようである。日本はそんな国にならぬように、目先の利益や風潮、流行に引きずられことなく、先人の創ってきた「穏やかで美しく、かつ勇武の国」をきちんと守り、次代につないでいかなければならない。
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