揺れる世界、習近平は自滅する

揺れる世界、習近平は自滅する
“シーチン”修一
【雀庵の「大戦序章」263/通算694 2024(令和6)年1/18/木】小生はナンミョー池田教=公明党を子供の頃から大嫌いだった。どっぷり池田教に洗脳された叔父さん(父の弟)は広宣流布で父を折伏(しゃくふく、洗脳、オルグ)しようとしょっちゅう我が家を“襲撃”したが、一家団欒(らん)の場である居間を長く占拠されて大迷惑だった。「早く帰ってくれ」と逆さ箒(ほうき)を立てたりしたが、ナンミョーに一点の濁りも曇りもない叔父さんはそれを見てもニヤニヤするだけで効果なし、父も困ったような顔をしながニヤニヤしていた。小生へのおとがめなし。
病膏肓の叔父さんはやがて大きな仏壇を我が家の床の間に据え付けた。経緯は知らないが、父は「弟(叔父さん)のポイントになるし、気が済むだろうから」と了承したのだろう。

中学生の頃、「いい家庭教師がいるから」と誘われて勉強兼遊びで友達の家へ通ったが、その母親がある日「パーティーにいらっしゃい」という。喜び勇んで行ったらなんとナンミョーの15人ほどの集会で、小生は「騙しやがったな!」と頭にきたので「信じる、信じないは勝手、余計な世話、干渉しないのがルールでしょう。だまし討ちのようなことをして恥ずかしくないのですか!」と声を張り上げたら信者のおばあさんが泣き出した。帰宅してから叔父さんが勝手に床の間に置いていった大きな仏壇の中にあった護符(御本尊様?)をめちゃくちゃに破った。攻撃されたら反撃する、当り前だ。
その後、叔父さんと叔母さんがやって来て仏壇を開いてびっくり仰天、ちぎれた御本尊様?を持ち帰った。高校生の頃には仏壇を庭に出して燃やし完全消去した。仏壇は随分虫に食われていた。韓国製か中共製か?

それから幾星霜、叔父さんは地域で最初に開業したスーパーマーケットが大成功して元気いっぱい、意気軒高。標高1300mの高原リゾートの八ヶ岳・清里あたりに別荘まで持っていたが、ナンミョーの幹部に出世していたから信者を集めて別荘で勉強会をしていたのかも知れない。しかし、無理がたたったのだろう、早すぎる晩年には体調を崩してしまった。

よたよたしていたものの正月には我が家に年始にきて仏壇の父に挨拶し、「恩讐の彼方に」ではないが小生の作る餃子を「美味い美味い」と喜んで食べてくれた。
その当時はナンミョー池田教は日蓮正宗総本山・富士大石寺から追放されていたので叔父さんの葬儀はお坊さんなしのナンミョー形式で、女性信者が騒々しいほど賑やかにお題目を唱えていたが、小生より少し若い長男は泣きながらこう挨拶した。
「父は子供たちがお腹をすかしていても創価学会への寄付を優先していた。私たちがどれほど辛い思いをしたか、思い出すたびに涙が出ます・・・」
「信仰が深い」と称賛され、幹部に出世するには大口の寄付などが求められるのだろう。ナンミョーに限らず、洋の東西を問わず、宗教はカネ、寄付、喜捨、自己犠牲を求める。ビジネスは売り手、買い手ともに互いに利益を目指す。宗教は心の平安を売るが、信者は喜捨により平安を得られるのか? 古今東西、特に新興宗教では銭ゲバ教祖や戦狼坊主など随分怪しい“聖職者”も珍しくはないだろう。信者からカネを集めてコケオドシのような寺院を造って偉そうにしているが、今や「清貧の聖職者」なんて死語のよう。

カリスマ池田が亡くなったナンミョー・・・古人曰く「昇り詰めれば下り坂」は世の習い。宗教に限らず、国家も政治も経済も人生もそういうものだろう。「俺は最後まで昇り、成仏してからも昇りだ」なんていう人っているのか? 本物の偉人は亡くなっても、その業績や教えは100年、1000年、2000年、数千年と語り継がれるが、それはほとんど稀有、奇跡だろう。宗教も政治もビジネスも大学も「原点に返れ! 初心を忘れるな」と叫びたいね。

「原点、初心」と言えば、現在の世界は第2次世界大戦が創ったようなものである。終戦を1945年とすれば今はたったの79年しか経っていないのに、何となく経年劣化で「大丈夫かよ、あちこち錆が目立つし、タイヤも擦り減ったりしてるぜ。肝心のときにエンストしたり、下手すると燃えちゃったりしそう。もう坂道は無理じゃね?」の感じ。ポンコツ世界、末期症状?(俺もそうか?) 

今時イケイケどんどんの元気な国ってあるのか・・・多くの先進国の人々は衣食住足りても欲望が肥大化し、「もっと給料上げろ、もっと福祉を手厚くしろ」と仏頂面しているように見えるのだが、19歳の頃から小生が愛している「台湾」は何となく「若々しい感じ」がする。新陳代謝が激しいから、そう見えるのかも知れないが・・・台湾の近・現代史をざっくり振り返ると――

“蛮族”の住む化外の地→ 中国福建省からの移民増→ 島民による日本人漂流者虐殺→ 中国は「台湾は自国領ではないから」と責任放棄→ 日本による台湾への報復攻撃と中国への賠償請求→ 日本による台湾併呑→ 長期にわたる反日抵抗戦→ 日本による台湾の日本化・近代化→
1945年夏、第2次世界大戦で敗北した日本が連合国の命令で台湾放棄→ 1945年秋以降、毛沢東との内戦で不利になった蒋介石軍が台湾へ逃げ込む→ 蒋介石軍の乱暴狼藉に台湾人曰く「犬(番犬、日本人)去りて豚(食い荒らすだけの蒋介石軍)来たる」→ 1947年、蒋介石軍事政権に反発して民衆蜂起の2.28事件起きるも弾圧される→ 台湾は圧政に苦しむことに・・・それ以後についてWikiにはこうある(カッコ内は修一)。

<中華民国(蒋介石)政府は2.28事件後、戒厳令を38年間施行した(戒厳令は蒋介石の死後に総統となった長男・蒋経国により1987年7月15日午前零時に解除)。戒厳令下の台湾では政治活動や言論の自由は厳しく制限され、白色テロと呼ばれる人権抑圧が行われた。白色テロは本省人(台湾人)と外省人(中国から逃れてきた漢族系の蒋介石軍将兵など)の間に亀裂をもたらし、事件について語ることは長年タブーとなっていた>

台湾が「普通の国」になり始めたのは1988年に就任した李登輝総統(クリスチャン、マインドは武士道的日本男児)による功績が大きい。以来36年、台湾では自由民主人権法治の理念がかなり根付いてきたように思う。自由民主の理念と行動は国民がよほどしっかりしていないと後退するから日本だって油断大敵だ。自由民主を装うアカは「国家の弱体化→消滅→共産主義世界連邦」を目指しているのだから。日本を米国のようなカオスにしてはいけない。

先日の台湾選挙の結果を見て小生は「台湾民衆党を率いる柯文哲がキャスティングボートを握ることになるのか? 自由陣営にとって吉か凶か?」と考えるようになった。結構多くの人も同様で、読売1/14「台湾・立法委員選、与党・民進党が過半数割れ…16年ぶり『ねじれ』で政治不安定化の可能性」はこう報じている。
<台北=園田将嗣】1月13日の台湾総統選と同時に行われた立法委員(国会議員、定数113)選で、与党・民進党は過半数を獲得できなかった。国民党が立法院(国会)の第1党となり、少数与党に転落して「ねじれ」状態となる民進党は、予算案や法案の審議で野党に抵抗され、政治が不安定化する可能性がある。
第3政党の台湾民衆党も、現有5議席を8議席に伸ばし、キャスチングボートを握ることになる。政権与党側の政策や法案などに是々非々で対応していくとみられる>

台北1/12ロイターも「台湾第3政党、選挙後の他党との協力に前向き」でこう報じている。<台湾第3政党の野党・台湾民衆党の総統候補、柯文哲氏は12日、あす(13日)の選挙で勝利すれば他の政党と協力する意思があると表明。「台湾は真の変革のために伝統的な2大政党制を打ち破る必要がある」と訴えた。
たとえ柯氏が総統選で十分な票を2大政党から奪うことができなくても、同時に行われる立法委員(国会議員)選で過半数を獲得する政党がなければ民衆党がキャスティングボートを握ることになる。与党の民主進歩党(民進党)は現在、立法院(国会)で過半数を占める。
外国人記者団から立法院で他の政党と協力する可能性について質問された柯氏は、結党以来テーマによって他党と協力してきたと説明。「政党間の差異はあまり気にしない。主に問題について協力する。全ての問題でどこかの政党と必ず協力するというわけでもない」と語った。
中国との関係については、対話を望んでいるものの重要なのは台湾の民主主義と生活様式を守ることであり、米国との関係も重要だと指摘。「3人の総統候補の中で米中双方に受け入れられるのは自身だけであり、これが私の最大の強みだ」と述べた>

柯文哲氏はどのような人なのか。時事通信1/16「第3勢力の柯氏に脚光 民衆党、議会運営を左右」は分かりやすく報じている。
<【台北時事】13日の台湾総統選で敗北した柯文哲・前台北市長(64)の言動が注目を集めている。総統選と同時実施の立法委員(国会議員)選で、二大政党の民進、国民両党がいずれも過半数の議席獲得に失敗。柯氏が党首を務める第3勢力の民衆党が、立法院(国会)の運営を左右するキャスチングボートを握ったためだ。
「民衆党はキーとなる役割を果たす必要があり、誰と協力するか固定せず、道理があれば支持する」。柯氏は総統選の敗北宣言後、台湾メディアにこう語った。民衆党は立法委員選で、前回2020年選挙から3議席増やし8議席を獲得。同党議員団は15日の記者会見で早速、正副院長(議長)選挙に立候補する民進、国民両党議員に対し、議会改革案を提出するよう要求した。

柯氏は1959年、北部・新竹市生まれ。台湾大医学部教授・外科医を経て、2014年の台北市長選で民進党の支援を受けて当選し、2期8年務めた。19年に民衆党を創設。「柯教授」の英語表記に由来する「KP」と呼ばれ、鋭い弁舌や型破りな行動で若年層に熱心な支持者が多い。

総統選では、当選した与党・民進党の頼清徳副総統(64)が事前の世論調査で一貫して首位をキープ。野党が分裂したままでは形勢を逆転できないため、柯氏は最大野党・国民党の侯友宜・新北市長(66)と候補者の一本化にいったんは合意したが昨年11月、唐突に撤回した。

柯氏の変節は一部から非難を受けたものの、総統選での得票率は侯氏の33%に迫る26%。国民党は民衆党との連携を念頭に、柯氏批判を抑え秋波を送る。ただ「柯氏の本来の政治姿勢は民進党に近い」(台湾の有識者)との指摘もあり、2月に開会する立法院で、民衆党がどう行動するかは不透明。予測困難な柯氏の意向に、二大政党が振り回される局面が当面続きそうだ>(以上)

産経2024/1/15の台北駐在員・矢板明夫氏の「頼氏当選も無党派支持広がらず 『二大政党への不満』柯氏受け皿に」はさすがベテラン、良く分かった。
<最大野党、中国国民党の侯友宜氏の得票数は467万票で、前回の国民党候補と比べて約85万票減らした。投開票日の直前、同党の馬英九前総統がドイツメディアの取材に「習近平氏は信用できる」「中国との統一は受け入れられる」といった趣旨の発言をした。このため、国民党が政権を握れば中国に統一されてしまうとの不安が広がり、民進党政権への批判票の一部が柯氏に流れたと分析する声もある。

台湾の政治は長らく民進党と国民党の二大政党が対決する構図が続いた。今回はどちらの党にも不満を持つ有権者が、新しい選択肢の柯氏に票を集中させた形だ。選挙前の各種世論調査によると、20代の若者の間で柯氏の支持率は5割を超える。世代交代が進む中、4年後の総統選に柯氏が出馬すれば、支持をさらに広げる可能性がある>

台湾の総統選(大統領)と立法委員選(国会議員)は同時に行われたが、結果は多い順に、
【総統選(カッコ内は得票率)】頼清徳・民進党558万6019票(40.05%)、侯友宜・国民党467万1021票(33.49%)、柯文哲・民衆党369万466票(26.46%)
【立法委員当選者数(カッコ内は改選前議席数)】民進党51(64)、国民党52(38)、民衆党8(5)

当然ながら第3党の柯文哲・民衆党を民進党も国民党も敵に回したくない。「蔡氏の正式な退任と頼氏の後継就任は、5月20日に予定されている」(現代ビジネス)という。

習近平・中共はどう動くのか。箔をつけるために台湾侵略を控えることはあり得ないが、台湾の選挙結果は速攻で封じられたという。Bloomberg News 2024/1/15「中国市民、台湾の選挙に関心 共産党がネット上の議論を封殺」によると――
<中国共産党の機関紙「人民日報」や系列の新聞「環球時報」など主要な国営・党メディアのホームページで13日に台湾が言及されることはなかった。中国政府はここ数日、外交官や当局者の発言を通じ、台湾に対する領有権を声高に主張。中国外務省の毛寧報道官は北京での定例記者会見で、「台湾は中国領土の不可分の一部だ」とし、「台湾地域の選挙は中国の内政問題だ。選挙に関する質問は中国の外交問題とは関係ない」と述べた>

柯文哲・民衆党をどう評価するか、敵か味方か・・・習近平・中共も困惑しているよう。「声はすれども姿は見えぬ 君は深山(みやま)のきりぎりす」、柯文哲氏がどう動くのか分からない分、鵺(ヌエ)のような不気味さもある。戦狼・習近平も対台湾では暫くは大人しくするかもしれないが、小人閑居して党と軍の縄張り争いに傾注するのではないか。

政治家と軍人の覇権争いは建国直後の毛沢東 vs 朱徳(元帥)時代からある。毛より年上の朱徳は「革命戦争を成功させたのは命がけで戦った我ら軍人だ」という自負と誇りがあった。しかし「郷土の星」として金銭面などで支援してくれた人々(幇、ほう)に恩返ししなければならないので、「序列ナンバー2」に耐えたが、随分辛かったようだ。
それが3代目元帥の林彪になると毛から疎遠にされ、処刑を恐れてソ連に亡命する際、搭乗機が墜落して「事故死」した(ことになっているが、毛に殺されたという説もある)。
毛沢東崇拝の激しい習近平は軍を完全に掌握したい、子分にしたい、そうしないと安心できない。一方で軍はチャイナセブンなど高級官僚に倣って「俺たちも儲けたい、儲けることはいけないことですか? 上から下まで、できる人はみんな蓄財しているじゃないですか!」と反発する。武器を持っているから強気になれる。
誇り高き最高指導者の習近平はそれが許せない、「軍は俺を舐めている、土下座するまで締め上げてやる」というわけだ。暗愚の帝王は文革2.0で中国を再び貧しい国にするのだろう。クーデターで排除するしかないのではないか。人民解放軍、あなたの出番です。
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*読者諸兄の皆さま、御意見を! ishiifam@minos.ocn.ne.jp
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まぐまぐID 0001690154「必殺クロスカウンター」
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