世界は「国益最優先」で動く

世界は「国益最優先」で動く
“シーチン”修一
【雀庵の「大戦序章」295/通算726 2024(令和6)年5/24/金】パソコンであれこれ検索すると「Bing」という邪魔者がしゃしゃり出てきて大変迷惑している。クソの役にも立たないどころか足を引っ張っている。堪忍袋の緒が切れて調べたら――
<Bingとは、マイクロソフト社が提供する検索エンジンです。検索エンジンというとGoogleやYahoo!などが有名ですが、Bingは、Microsoft Edgeにおけるデフォルトの検索エンジンで国内でも一定のシェアがあります>
多くの人がウンザリしているのだろう、「【Bing完全削除】2度とBingを表示させない方法」というサイトまであったが、小生には難し過ぎてどうすることもできなかった。しかし、読売、産経、時事通信あたりで検索するとそこそこ情報を得ることができるので救われたが、まったくいい迷惑。「Bing、地獄に落ちろ!」と願う毎日だ。

「地獄」と言えば・・・一神教同士の戦争は憎悪が激しく「妥協」がなく、勝つか負けるか、決着がつくまで戦うのが初期設定のよう。長期戦になると疲れ果てて妥協するが、問題を先送りしているだけで、いささか軟弱だ。
イスラエル vs ハマス(パレスチナ自治区ガザ拠点)の戦争はイスラエルが圧勝して短期戦で終わるだろうと小生は思っていたが、両者とも「共に天を頂かず」、今のところはとことん戦い抜く覚悟のよう。2024/5/19産経日曜コラム「国益はイスラエルにあり」の谷口智彦・元内閣官房参与の論稿は衝撃的だった。氏は昭和32(1957)年生まれ、安倍晋三元首相のスピーチライターでもあったという。以下転載する。

<日本が追い求めるべき国益はイスラエルとの交際にある。パレスチナとの間には、ない。ガザ地区にはさらにない。ガザで今後必要となる民生の復興に、日本は手を貸せばよい。惻隠の情をもってする人道協力が必要だ。
ただし前提がある。ユダヤ人の殺戮・陵辱を喜ぶイスラム原理主義組織ハマスは、麻薬売買を続ける犯罪集団より、よほどたちが悪い。徹底的非軍事化を要す対象ではあっても、日本が協力すべき相手ではない。
ガザの学校はパレスチナの子供たちに、反ユダヤの感情を刷り込んだ疑いがある。運営主体は国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)であり、そんな組織にガザ復興を委ねてよしとするわけにいかない。乗り遅れるなとばかり、間違った路線のバスに日本は乗るべきでない。
イスラエルとの間にこそ追求すべき国益があると確信し、揺るぎない国は例えばインドだ。イスラエルは独自に発展させた最先端の灌漑技術をインドへ移すことに余念がなく、両国関係を強くしてきたからだ。
イスラエルには、同国だけが提供できる、代替のきかない知と財がある。日本の国益に資すもので、同国との関係を太くし強くすることがわが国国益にかなうゆえんだ。中東に限らず世界を見回して、これと同様に言える国など多くない。
今年4月13~14日に起きたことを思い出してみたい。イランは約170の無人機、約120の弾道ミサイル、約30の巡航ミサイルをイスラエルに撃ち込んだ。集中の度合いたるや記録的だった。
ところがイスラエルは、弾道ミサイル数発を除きすべて領空外で破壊したという。とくに米国との協力で開発し配備した迎撃システム「アロー3」は評判通りの能力を発揮し、イランの弾道ミサイルに大気圏外で体当たりし、破壊した。日本の弾道弾防衛システムをはるかに上回る性能だ。
すさまじい軍事技術をもつ国を準同盟相手にしておく、言い換えれば、目下その可能性は低いとはいえ北京に近づかせないことが、日本の国益である。この際の迎撃にはヨルダン、サウジアラビアが、イスラエルとの盟約に基づき加勢し、かつそのことを両国とも公にした。事態が収まると穏健アラブ諸国とイスラエルの接近に再び勢いがつくだろう。日本が乗り遅れるべきでないのは、こちらのバスだ。
欧米の大学や街頭でユダヤ人がその出自のみを理由に敵視されるいま、日本はイスラエルを国益上重視するのだと明言するなら、世界のユダヤ人社会から好意的注目を集めよう。
世界の同胞から集めるイスラエルの情報や知識を、不断に利用したい。それも日本の国益にかなう>(以上)

好き嫌いや正義不正義ではなく徹底した「国益最優先」で世界は動いている・・・宗教や人種の違いなんぞ二の次三の次、「銭ずら、銭がすべてずら!」。政治家や大企業のお偉いさんは表向きは偉そうなことを言っているが、一皮むけば「狡猾な銭ゲバ」。考えてみれば孔子様やお釈迦様、マキアヴェッリ先生などの識者、哲学者は、国家、為政者に対して理想とか夢を語るのではなく、現実を前にして「君主はどうあるべきか、治政はどうあるべきか」を説いている。マキアヴェッリ先生は「君子豹変で国家、国民のためにエゲツナイことでもやるべきことはやれ」と煽っていた。塩野七生著「マキアヴェッリ語録」から引用すると――
<君主(指導者)たらんとするものは、種々の良き性質をすべて持ち合わせる必要はない。しかし「持ち合わせている」と人々に思わせることは必要である。はっきり言うと、実際に持ち合わせていては「有害」なので、「持ち合わせている」と思わせるほうが「有益」なのである。
「我が君主は思いやりに満ちており、信義を重んじ、人間性にあふれ、公明正大で信心も厚い」と国民に「思わせる」ことの方が重要なのだ。
それでいて君主は、もしこのような「徳(ヴィルトウ)」を捨て去らねばならないような場合には、全く反対のこともできるような「能力(ヴィルトウ)」を備えていなければならない。国を守りきるために「徳(ヴィルトウ)」を全うできないことも往々にしてある、と頭に叩き込んでおく必要がある。
国を守るためには、信義に外れる行為でもやらざるを得ない場合もあるし、慈悲の心も捨てねばならない時もある。人間性を脇に寄せ、信心深さも忘れる必要に迫られる場合が多いものだ。
だからこそ君主には、運命の風向きと事態の変化に応じて、それに適した対応の仕方が求められるのである。できれば良き徳から外れないようにしながらも、必要とあれば悪徳をも行うことを避けてはならないのである。
君主の最も心すべきことは、良き状態での国家の維持である。それに成功しさえすれば、彼のとった手段は誰からも立派なものとされ、称賛されることになるであろう>(以上)

小生は国益のためにリーダーに従う単細胞の猪突猛進型だが、中国の総人口の92%、圧倒的多数を占める漢民族、中でもエリートや識者の処世訓は「上に政策あれば、下に対策あり」だ。彼らは長く苛烈な歴史の中で、国益ではなく「私益」「私利私欲」を最優先にしてきたのだろう。そうしなければ為政者から収奪されるばかりだからだ。庶民は国内外で自助組織を組んで支え合ってもいる。結果的に中国人に限らず、欧米諸国も日本も世界各地からの移民流入問題に苦しんでいる。
マキアヴェッリ曰く「君主の最も心すべきことは、良き状態での国家の維持である」。小生のような猪突猛進系愛国者も役に立てる時代が来たようだ。今は腰痛(骨粗鬆症)で歩くのも怪しいが、治療でそこそこ動けるようになったら神風特攻隊や人間魚雷回天でお役に立ちたいものである。「出発は遂に訪れず」 になったりして・・・
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渡部亮次郎 「頂門の一針」ryochan@polka.plala.or.jp
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