ゴリラ的妊娠生活 #10 入院から出産まで

妊娠糖尿病の管理のため、先に入院をして分娩の準備をします。
入院数日前にPCR検査を受けて陰性なのを確認して、いざ入院!
入院時の説明で
「数日間で血糖の様子をみて、落ち着いたら分娩前の処置。それをまた数日間続けて出産。陣痛がきてからも2日くらいはかかる」とのこと。
分娩に6日くらいかかるはず、と言われて言葉を失いました。
出産予定日からみて入院はだいたい2週間もないよな…と思って用意をしてきたので、そんなにかかるなら前もって言ってくれよ!と心の中で叫んだことを覚えています。
その時はまだお産も進んでおらず、高齢初産で高度肥満となると難産になりがちだそうで病院側もそう説明したんでしょう。

血糖管理中は、1日7回の血糖値測定、6回の分食、体調をみながら体操やウォーキング、夜寝る前にインスリン注射。
ひとつひとつは大したことないけれども、せわしない日々でした。産後すぐ職場に出す書類もまとめたり、エコーアルバムを作ったりもしました。

妊娠糖尿病は胎盤の老化が早くなるので、陣痛を起こして分娩します。
前処置の日の朝、内診してバルーンを挿入。中でふくらんで子宮口を開くものです。
「これで刺激されて陣痛がきたらラッキーだね」と、陣痛室に移動して様子をみます。
サイズの大きいバルーンを挿入したため、NSTという検査をしながらです。おなかにセンサーをつけて胎児の様子を観察します。
ちなみに我が子は胎動が強い子だったのですが、NST中に限って寝て大人しくなってしまうので、いつもの検査でも長時間かかっていました。おなかを揺らしたり、寝姿勢を変えたりして我が子を起こそうと頑張った記憶があります。
「バルーン入れてからもお産まで数日はかかると思ってくださいね、人によっては2週間くらいかかることもありますから」とお医者さんと助産師さんからあらためて通告。難産の覚悟をワイもここで決めました。

今思えばその日の昼間に陣痛がきていたのですが、ただの腹痛だと思って眠れるうちに寝るかーと思って昼寝したら陣痛が遠のいてしまいました。
痛いとはいえ、食事や飲水はできるくらいでしたし、陣痛はもっと痛いだろうと思っていたんです。

で結局夕方までに分娩にはいたらず、バルーンを小さいのに入れ替えて一晩様子をみて、また明朝作戦を立て直すとのこと。
普段通り夕食を食べて食後血糖を測り、20時を過ぎた頃。
昼に感じた痛みが再来!!しかしワイは「さっきの痛みと同じだからまたなんかの腹痛でしょう」とスルーする訳です。でもなんだか痛みの間隔があるような…と念のためスマホアプリの陣痛カウンターで測ってみると5分おき。いきなり5分おきの陣痛がきてました。
でも「そんなに痛くないから多分陣痛ではないな」と、21時の分食をとり、歯を磨き、寝る前の血糖を測りインスリン注射をして消灯しました。寝る前に助産師さんが部屋に来てくれるのですが、そのときに「なんかおなかが痛いんですよねぇ」くらいの軽いノリで告げたために、助産師さんも陣痛だと思わなかった(本人も気づいてないし、そんなにすぐお産になるとは思ってない)らしく
「なんかあったら呼んでくださいね」と声かけだけして部屋を出て行きました。

痛いっちゃ痛いけど我慢できるしコレ陣痛か…?と思っているうちに痛みが強くなり、23時半くらいにナースコールで「おなかいたいですぅ」と申告。しかし多分その時も言い方が軽かったためまともに取り合ってもらえず…。
参ったなぁコレ多分陣痛なんだよなぁ…とか考えている時、日付が変わる頃におなかの下の方から小さく「ぱんっ」という音とぬるい感触が。破水です。
あー破水しちゃったわ、と思ってまず夫に「破水した」と連絡。その後ナースコールで「破水しましたー」と申告すると、助産師さんが慌て出し急いで内診。

朝の時点でまだまだだった子宮口は全開で、歩いて内診室まで行ったのですが術着は破水でびしゃびしゃ、どこかにバルーンを産み落としたのを覚えています。いきみたくなる衝動がものすごかったです。
で、内診室で立ったまま「いきみたいですぅ」と言うと「ここで生まれちゃうから我慢して!!」と言われ、車椅子に乗せられ猛ダッシュで分娩室に行くことに。

痛みといきみを逃しながら分娩台によっこらしょと上がり、ワイは助産師さんに告げます。
「オンライン立ち会い分娩の予定なので機材を持ってきてください」
いつ陣痛がきてもおかしくないので、スマホとスタンドとひとまとめにして部屋に置いておいたのです。それを助産師さんに持ってきてもらい
これはこうでこれは…と説明してセットしてもらいました。自分で夫にテレビ通話をつなぎ、「これから産むからー」と宣言しました。

陣痛は思っていたほど痛くはなかった、というのが正直な感想なのですが、それにしても冷静に話をしたりちゃんと意識をもって行動をしているワイに助産師さんは少し引いていました(あとで夫に聞いたら夫も引いてた)。
どうやらワイは痛みにめちゃくちゃ強いみたいです。

そして通話状態で分娩開始。助産師さんが「あと1時間以内に生まれますよ!」と教えてくれたのですが、実際は20分くらいでした。
いきむごとに赤ちゃんがスムーズに出てくれて、痛かったは痛かったし会陰も裂けたのですが無事に生まれました。
赤ちゃんを引っ張り出してるんじゃないかというくらい、にゅーっと出てきた感触がありました。高齢初産ではなかなか見ないくらいのスピード出産でした。
母子ともに健康。夫はあまりの速さに驚いていました。
「あっという間だった。もし家で陣痛待ってたらタクシーの中で生まれるくらいだ」

以下分娩時の記録です。
分娩時間 約4時間半(うち3時間は陣痛に気づかず)
自然分娩、出血少量
子 身長47cm  体重2724g

かくしてワイの妊娠生活は終わりを告げ、初めての育児に臨むことになります。安堵したと同時にまた不安。
ゴリラは人を育てられるのか?ゴリラ的育児生活の始まりです。

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