見出し画像

英語は楽し! 第10弾 英語の世界の猫と犬

Ⅰ 初めに 
 人間が愛してやまない猫と犬。有史以来人間の生活の友として共に暮らしてきた2種類の生き物について今回深めます。当然、われわれ言語の世界にも深くそして軽やかに登場してきます。中にはゾッとするもの、思わず微笑んでしまうもの。なるほどと感心させられるもの、数多くあります。では、 Here we go!
       
Ⅱ 本論                                
           
             < ネコ  cat ① >

 
①猫とネズミとの関係
 猫と言えば、ネズミとの関係は外せませんね。猫は本来肉食であり、特に家屋catではネズミ退治をしてくれるということで重宝されてきた生き物です。という観点からいくつか挙げてみます。
 
ア  “While the cat is away,  the mice will play.”「鬼の居ぬ間に洗濯」
  諺です。直訳すると、「猫がどこかへ行っている間は、ネズミたちがやりたい放題だ」です。怖い猫がどこかで油を売っている間に、家屋の中の荒らし回ろう、なんて意味です。まさに「鬼の居ぬ間に洗濯」です。(mice は mouse の複数形です)
 「旦那元気で留守がいい」なんてCMがありましたね。よく似てます。

イ  “Who bells the cat?”「火中の栗を拾う」
 これも諺です。直訳は「誰がその猫にベル((鈴)付きの首輪をつけの?」です。自分たちの大敵である猫は、音もたてずに近づいてきて、一気に獲物を捕らえる名人です。だからネズミたちは猫の気配を感じるために、猫にベルを付けたいのです。猫が動けば「チャリンチャリン」と音が聞こえ、ネズミたちは一斉に逃げることができます。ところがそのベルを誰が付けるか、ネズミたちは議論しなくてなりません。ベル装着の最中に捉えられる危険がありますので。だからみんなで躊躇しているわけです。
 日本語では「火中の栗を拾う」に当たります。「誰が熱い栗を火中から取り出すの?」」ですね。調理中の無茶苦茶熱い栗は誰も触りたくないでしょう。犠牲者にはなりたくないという意味です。
 似た意味に hot potato という表現があります。茹でたてのジャガイモを手に取りたい人がいますか? これは「誰もが嫌な仕事・嫌いなこと」という意味です。
 もう一つ「小田原評定」(おだわらひょうじょう)というのも当てはまるでしょう。結論を出せずにだらだら議論だけを続けることです。豊臣秀吉が北条氏の小田原城を攻め込んできた際、北条氏側が、和睦か決戦かそれとも・・・とさんざん議論して結論が出ず、結局滅ぼされた、というネガティブな諺です。
 「火中の栗を拾える人」になれれば新しい景色が見えてくるかも・・ですね。

               続く

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?