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英語は楽し! 第4弾<PART 1> 「食べ物たちの秘話」


Ⅰ 始めに


  みなさん、 corn dog(コーンドッグ) ってなんだかご存じですか。「トウモロコシの犬」じゃありませんよ。これはコンビニでは必ず売ってある「アメリカンドッグ」のことです。本場アメリカではコーンドッグと言います。なぜ corn なのかというと、アメリカではその衣にトウモロコシ粉を使っているからです。日本ではなぜ「アメリカンドッグ」と呼ばれるのはよくわかりませんが、おそらく、アメリカから来たしゃれた食べ物であることをアピールするには、アメリカという大きな冠を付けるべきだと考えられたからではないかと個人的に思っています。
ところで私はこの歳になって生まれて初めてアメリカンドッグを最近食べたのですが、さすが、うまかったです。ふわっとして微妙な甘みとソースのケチャップがよくマッチしていました。いつまでも愛される食べ物である理由がよくわかりました。
  ちなみに世界3大穀物と言えば、一つは「小麦 wheat(フウイート)」、次に「米」rice、そして3つ目は、ジャガイモ potato ではありません。 corn なのです。ちょっと意外かもしれません。
食べることが嫌いな人なんてほとんどいないでしょう。私にとっても食べることは人生の中でトップクラスの楽しみです。今回はこの食べ物に関する表現をご紹介いたします。
 

Ⅱ 秘話を持つ食べ物たち


   ①ホットドッグ(hotdog)

    

     この「ドッグ」はもちろん「犬」のことです。皆さん、なぜあの食べ物が犬と関係あるのか考えたことはありますか。一番有力と言われている説を紹介します。  昔、あるドイツ人商人が、細く長い肉の商品を開発しました。これは犬のダックスフンドそっくりだったので、「ダックスフンドソーセージ」と呼ばれるようになりました。やがてこの商品はアメリカに渡り販売されましたが、熱くて口や手をやけどする客が増えたため、細長いパンに挟んで売られるようになりました。これで圧倒的人気商品になりました。そんな時、ある漫画家がこの商品を取り上げ、ダックスフンドがマスタードを塗られたパンにはさまれているイラスを書いたところ、これが大ヒット。イラストにタイトルを付けようとしたところ、この漫画家はドイツ語の「ダックスフンド」という単語が書けませんでした。それで単純に「ドッグ」という言葉を選択し、「ホットドッグ」と名付けることにしたのです。というものです。先ほど触れたアメリカンドッグにもドッグが付いていますが、おそらくホットドッグが先でしょうね。ホットドッグhotdogは発音は「ットドッグ」です。もし「ットッグ」とアクセント二つ入れてしまうと「熱く熱した犬」となりかねません。「頭から熱湯でもぶっかけられた犬」と理解されるかもしれません。ご注意を。 

 ②カルフォルニアロール(californil roll) 

  

 カルフォルニアロールは名前の通り、アメリカのカリフォルニア州生まれの寿司です。日本の巻きずしは海苔が外側に巻かれていますが、カルフォルニアロールは逆です。海苔が内側にまかれており、ご飯が露出してしまっているのです。いったいどうしてこのような形になってしまったのでしょうか。アメリカ人にとってなじみの薄い海苔はむしろ気持ちの悪いものと見なされ、日本風巻き寿司の海苔をわざわざはがして食べるアメリカ人客もいました。それを見た日本人寿司職人はどうしたものかと考え、開発したのがカリフォルニアロールでした。海苔を内側に巻けば海苔も目立たず食べやすくなるだろうと工夫したわけです。 初めてお好み焼きを食べた欧米人が「おえっ!」と口元を抑えるのがトッピングされたかつお節です。どうもこれがおがくず(木くず)に見えてならないそうです。同じように黒い海苔もまた彼らの食文化の中にない気味の悪いものであるわけです。だったら海苔なんか使わなければいいじゃないか、という意見が聞こえてきそうですが、そこが日本人寿司職人の心意気ですよ。江戸っ子風に言うなら、「なにぃ!? 海苔を使わずに何が巻き寿司ってんだい。海苔が気味が悪いってんならよぉ、内側に巻いてやりゃいいんだ。何がなんでもアメリカ人に日本の巻き寿司ってやつを食わしてやろうじゃねぇか。てやんでぇい、こちとら江戸っ子でぇい!」といった感じです。日本人寿司職人の意地とプライドが作り上げたのがカリフォルニアロールです。

Ⅲ おまけ


 ① 普通に「巻きずし」は英語でどうなるかというと、 sushi roll で良いです。「軍艦巻き」は warship sushi roll(ウォーシップ・スシロール)、) battleship sushi roll(バトルシップ・スシロール) と言います。 warship も battleship もそのまま「軍艦」を意味します。巻物なのでやはり roll が付きます。「ちらし寿司」は scattered sushi という言い方があります。 scatter(スキャタ)は「散らかす」です。でもこれだと「床に寿司がまき散らかされている」場面がイメージされ、私はあまりお勧めしません。  遊園地の人気アトラクションに「回転木馬」がありますね。日本語で「メリーゴーランド」と言いますが、英語では「メリーゴラウンド」ですよ。 merry-go-round と綴られます。日本人に「アウ」の発音がなじまないので「ランド」と言い換えてしまったのです。で、 round とは「ぐるぐる回る」という意味を持ちます。「楽しくぐるぐる回りましょう」がメリーゴーランドの意味です。
 ② 「回転ずし」「くるくる寿司」は英語でどういうでしょうか。よーく考えるとわかります。正解は、 sushi-go-round でした。お寿司がぐるぐる回っていますね。回転木馬のお馬さんのようです。 あるいは、 conveyor belt sushi(コンベイア・ベルトスシ) とも言います。工事現場で活躍する土砂運び機のベルトコンベヤー(belt conveyor)の「コンベヤー」です。回転ずしを運ぶあの薄板をベルトコンベヤーと見立てているわけです。英語の命名術の技ですね。                              後半は次回。 See you then.

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