初セレモニーは死ぬかと思う灼熱でした(笑)
シャーマニズムに関するセレモニーを受けたのはアメリカのセドナが最初でした。その時は人間の本質についての探求を始めたばかりで、スピリチュアル的な事にはまだまだ懐疑的な態度でした。
そのセレモニーはスェットロッジと呼ばれるものでネィティブアメリカンの間で受け継がれている生まれ変わりの儀式です。
事前の説明では、
「暗い中でサウナのような蒸気を浴びて汗をかいて浄化するようなもの」、
と聞かされていたので、楽勝楽勝と思っていました。
儀式が始まる前にセレモニーリーダーの家に集まると、別のグループの人達が既にいて、気さくなホームパーティーのような雰囲気で和やかな場が作られていました。そこで暫く時間を過ごすとスウェットロッジの詳しい説明が始まります。聞いている内に段々と不安が立ち上がり、体が緊張しているのが分かります。セレモニーリーダーとアパッチの長老(ハリウッド俳優みたいに超イケ爺)がさっきまでは普通のカジュアルな服だったのに、今はもう完全にインディアンの装束になり、顔つきも真剣なものとなっています。
心の中は
「かなりやばそう、今回は辞めようかな」と
弱気になって、もう少しで「キャンセルします!」と声に出そうとしたら、ぞろぞろと皆が外に移動を始め、もう後戻り出来ない状態に。
庭には大きな丸いテントがしつらえてあり、暖簾のような入り口をくぐって中に入ります。入り口が空いているので中がうっすら見えます。参加者は膝を抱えるようにしてテントの中央を避けて円を描くように地面の上に座ります。
全員が入った所で一度入り口が閉められると、
もう自分の手すら見えない完全な闇。
これまでの人生で完全な闇など経験した事もなく、これから起こる事に対する好奇心と恐怖でどうにかなりそうな気分です。
そして低い声の静かな歌が聞こえてきます。
ラコタ族の言葉で謳われる歌は意味は全く分かりませんが、何か力強いエネルギーだけは感じます。
真っ赤に焼けた大きな石が私達の前にある中央の窪みに運び込まれます。
真っ赤に焼けた石は美しいものです。触れば大火傷でしょうが、惹きつけられる美しさがあります。石が一つ運び込まれるたびに中の温度が数度上がるのを感じます。かなりの数の石が運び込まれ再び入り口が閉じられます。
石達のお陰で仄かに明るさを感じ取れるので、
「あぁ良かった、これ位の感じで進んでいくんだな」と安心し、気を緩めたその時、いきなり
「じゅわっ!」
と大きな音が鳴り、完全な暗闇に戻ります。リーダーが焼けた石の上に柄杓で水をぶっかけたのです。同時に今まで感じた事のない熱風が蒸気と共に肌を刺し、息も出来ない感じに。パニックになるのを必死に抑え参加してしまった事を後悔していると、ドラムが叩かれラトル(ガラガラ)が激しく鳴り響きます。
ドラムは時には風の音の様に、時には地響きの様に鳴り、
ラトルは目の前にガラガラヘビがいるように、雷の様に聞こえたり。
それらの力を持った音や歌は、私や他の参加者を非日常の世界へ連れて行くのです。何か本当に境界線を越えたような時空間にいるようで、そんな中にいると思考は止まり、生の心の声を発したくなります。
セレモニーは3時間から4時間程続きます。セレモニーの最中に私は手足が痺れ、座っていられなくなる位エネルギーを使い果たし、最後は這うようにしてテントの中から出て来ました。
外に出た時の空気の美味い事!星空の綺麗な事!そして一緒に生まれ変わった仲間と再会し涙を流しながら抱き合いました。
セレモニーの最中には本当に色んな事が起こりました。不思議としかいいようのない事、死ぬかと思うような体験の中で「生きよう!」と強く思った事、見たくない自分を嫌と言う程見る事もありますし、こんな力があったのかと驚く事もありました。
スピリチュアル的な事は実は自分の中を見ていく内省や成長のための課題を与えてくれるものなんだなと思うようになりました。
終わった後、もうこんな苦行はしたくないと思っていましたが、何か月か経つと、もう一度やってみたいなという気になります。
さぁ、一緒に体験してみませんか?(笑)
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