ショートショート

「細道」
夜中にコンビニへ。
買い物をして出ると正面の細道が気になる。
なんと言うか、怖いのにそこに行きたくなるんだ。好奇心に負けずに視線を逸らして自宅へ。それを何度も繰り返した。
けれども、ある日を境にその細道への好奇心が全く無くなった。なんなら、じっ。と見ていられる。この変化に首を傾げながら帰る事が増えた。
不思議に思いながら、居ても立っても居られない。そんな気持ちで無理に早起きして、昼間に細道へ入ってみる。すると、その中のとある場所にたくさんの花束が供えてあった。
好奇心に負けたらこうなっていたのか。と、私はある意味、納得してそこから去った。

「空部屋」
「隣から人の声が聞こえてくるんです！本当なんです！！」と、また管理会社に連絡があった。担当の私は「あのー。以前もお話ししましたが、お隣は空き部屋でして、この前のご連絡受けた際に調べたけど何もありませんでしたよ？」と、相手に返事して電話を切る。翌日、その人が亡くなったらしい。となりの空き部屋のバスルームの上に隠れてた人物が、ベランダ伝いにやって来て、窓ガラスを割って侵入。で、殺されたらしい。確かに昔、数時間だけ空き部屋の鍵を無くしたことはあるけれど、ちゃんと交番に届けられていたし。私は罪に問われるのだろうか？