呪録 怪の産声 を読んで

面白かったので今回の書籍。
呪録 怪の産声
竹書房

著者様。タイトルを表記しつつ感想をネタバレ含まない様に、気を付けて短く載せてます。万が一、そういうのが苦手なら一旦ストップしてください。けど、読んでもらって面白い。と思えるように頑張って書いてます。
この本に載ってる皆様には尊敬しかないです。読みにくかったらすみません。いや、ほんとに。この本面白い!自分なりに広めたい!って思ったのです。


夕暮怪雨様
・産声
これはその仕事ならではと言いますか。ちょっと、切なさも感じますよね。この聞き分けが出来てしまうのが・・。
・お隣さん
この話。リアルだったなぁ。賃貸集合住宅に住んでる者ですが、夜中にウォーキングしてると気になるんですよね。ばったり会いそう。
・蜘蛛の糸
題名がめちゃくちゃ上手い。話もじんわり怖い。愛情の話にも感じられますが、落とし穴っぽい怖さ。
・まぁだだよ
こういうのは「いつから始まったのか?」とかって思っちゃいますね。男だけかなぁ・・?変わるのが怖い。

井上回転様
・代替
この行動自体に意味がある。とは思うんですが、地域関係なさそうな部分が怖いです。タイトル秀逸。
・じんこく
こういう話があるから、昔の方々が「わからないもの。理解できないものに名前を与え形作ることで、対抗手段を作る」ってのが忘れられないんですよね。
・釘を刺すべく
はがき、写真。ってのが凄い良い味出してるし、この現象に会いたくない。凄い怖いです。
・廊下の先
綺麗な流れで綺麗なオチ!!素晴らしい!
・是非とも見てやってください
不思議な話だと思ったんですが、二人の事に気付いたらゾッとしました。凄い。この看板の意図・・。

雨森れに様
・ビー玉
そういうスポットは根本が気になるんですよね。で、いつから「それ」がいるのか?とか。予想が出来ない流れのお話でしたが、凄い上手い〆方のお話。
・貝手形
風習のお話って,代償が結構つきものだと思いますが「対象」が気になります。知ってるのおじいちゃんだけなのかなぁ。海だしなぁ。

緒音百様
・Pのクラス
話の持って行き方がマネしたいレベル。進んでいく中でのとある一言のタイミングがえげつないです。
・何の旅行
最初、普通に読んでて途中で「ん?」となって一気にグーンってされました。そりゃ怖いわ。ってお話。気付かなかったらどうなってたんだろう。
・油まみれの紙人形
個人的に怖いよりも不思議なお話でしたが、嫌がる様子を見たら自分でも同じリアクションしてしまうんだろうなぁって・・。
・娘の球根
自分のその当時を思い出しながら、お母さんが怪異な体験するけどちょっとほっこりした後に、世知辛いオチが。

緒方さそり様
・ハシビロコウ
このお話。凄い面白いしシュールなんですよ。体験したら脳の処理が追い付かない自信がある。こういう怪異なら遭遇してみたいなぁ・・。あとちょっと賢くなれました。
・蟻占い
読んでて「あ。こういう展開が・・」と思ったら・・。「うわぁ・・」ってなりました。
・古井戸フレンド
私がおじさんなもので、この時代背景を懐かしく思いつつ井戸ってやっぱ異空間だなぁ。って。ずっと聞こえるのかなぁ。あと親父さん・・。人間でありながら閻魔様の手伝いしてた方の話を思い出しました。
・処刑の森に響く声
この年齢でこの怪異に会うのはきついですね。悲鳴とそうじゃないってえぐい・・。最後の一文が更に怖さを増してます。
・母の味
急な変化球。凄い良いお話。ほっこりするし、これは人に伝えたい話ですね。涙腺弱くなったなぁ。と再度実感。
・堕胎と卵
こういう呪いなのかなぁ。って。この話の前に「母の味」がある事が悲しさと怖さを引き立たせます。

ふうらい牡丹様
・犬の墓石
(U^ω^)わんわんお!は好きなのですが、凄いジメジメした雰囲気でしたね。風景が浮かびやすいし、地域を見て「あ・・」と思いました。なんとなくですが。ご両親は何を知っていたのか。
・牛蛙
別視点があるのが嬉しいですね。現象の掛かり方が違うと言いますか、なんか蛙に化かされたのかな?って思いました。
・熱
このシチュエーションで、こんな目に逢いたくない・・。ってのが本音です。場所も怪談向きですし、不意打ちも好きです。彼女さん・・・。あと、オチが良い。

千稀様
・失敗
こうなるんだ!っていう結果?過程?それに近い程、引き寄せられるって事なんでしょうね。おお!って思いましたね。
・怪談舌切雀
この話の好きな所が、その怪談がすっ。と意識に入ってくるところですね。最後に耳元で呟いて背中を押すだけ。運がよかった。その話に会って見たいような、見たくないような・・。説明が上手くできなくてすみませんがこの怪談は生きてて、狙った相手の意識を乗っ取るイメージ。
・異食行為
良いお話。ちゃんと上司は今後の事を考えて、確認させてない。って言うのと、体験者さんが気付いちゃった事が良いですね。残ってるし。やっぱり逆さまだったのかなぁ。
・われ
本は手に取りたい。って完全同意です。気持ちもわかるんですよ。掘り出し物との出会いの嬉しさ。この怪談って念の対象って日常に入り込むし、ちょっとでも意識したらあっちにバレるんだ。って思いました。昼夜問わずに来そうで怖い。いや、来る。細胞って思念も入るのかなぁ。良いタイトル。

おがぴー様
・養老渓谷の蛭
県内有数の観光地で出逢う怪異。蛭が。って言うよりは妖怪的な印象ですけど、体験者さんの性格が事態を最小限に抑えてるというか・・。
・鉄塔通りの事故
短いお話ではあるんですけど、何を見たの?じゃなくてちゃんと見たらそういう場所だったって言う。自分も体験する可能性が高い身近な怪談。
・死面の報告
疑心暗鬼。って思ったんですよ。で約束を交わしてて、ちゃんと果たした。ここまででもうすら寒い怖さなのに、公的機関が動くほどの異常な事態になって変化に気付いたのが一人ってのも怖い。
・運転席の想い出
人情味あふれる怪談ですね。子供の頃の体験が年代を経て、同じ立場になった時に出来る答え合わせ。ほっこりしますね。

月の砂漠様
・オタクの匂い
地底アイドルとファンの関係性。ファンてのはありがたいですが、距離感。って大事ですよね。ファンの方は案内して満足したかもしれないが、アイドルが一枚も二枚も上手なお話でした。
・先輩の役者
この話も凄いんですよ。あちらは時間って言う概念がない世界なのかなとか。けど体験者さんの記憶とか。その時に納得できる条件がそろってたり。
・幽霊ドッキリ
芸人さん。という職業柄、空気を上手く読んで即対応。と言うのが素晴らしいですね。ただ、めっちゃ怖いですね。呼ばれたのかな?

ホームタウン様
・辞めないバイト
ちょっと思った事あったんですよね。体験者さんと同じような事をしたらどうなるか?って。そりゃ、相手もそうしますよね。
・安藤くんと松岡くん
タイトル可愛いんですよ。笑う犬の冒険のコントのタイトルっぽくて。その割に、読んでて「は?」ってなりますし、説明ができない状況になりますね。
・あんずの味
異質なんですよね。あんず?ほんとは?なんで食べてたの?おばあちゃんは知ってたの?考えれば考えるほど、この怪談に引っ張られそうになります。

高倉樹様
・気まぐれな勝手橋
このお話に関しては、時間的にも場所的にも妖怪だと思ってます
・・。じゃなかったら、初めて人を化かそうとした動物。か、生まれたばかりの妖怪。
・何を売っても食べたい美味しさ
私もド田舎の出身なのでこういった人間関係や地域コミュニティはすんなり理解できますし、新しく来られた方も馴染むまでに時間がかかる。のもわかります。けど、言葉や行動に違和感を感じてしまうのは出身者は難しいですね。で、娘さんの話から答え合わせが出来たんですけど、同時に人が怖くなりますよね。良いタイトル。『何を売っても食べたい美味しさ』

墓場少年様
・河童は友達
切ないけれども、純粋さも感じる怪談です。河童の去り際。ご両親のお気持ち。帰れてよかったなぁ。って思います。
・急逝
本当に気持ちを込めて世話をしていたんでしょうね。お爺様。その瞬間だけは悲しみが文字通りに具現化して結果を選択したのかなぁ。怖いけど。
・もんちゃん
良いお話ですね。もんちゃん。昔のわんぱくな子。ってイメージ。小さい頃の記憶を掘り下げていくと、自分が忘れてるだけで出逢ってそうなそうな。最後の一文、ジーンと来ました。
・廃屋のお通夜
不気味で気持ち悪い。運が悪かったのかなぁ・・。参列者ってどうやって選ばれてるんだろ・・?怖い。
・無人駅の貼り紙
この話なぁ。お婆ちゃん子だったので「うーん」ってなったんですよ・・。最後の一言。どう受け取るべきか。聞き手としては優しい意味で受け取りたい。
・幽霊一家
面白いお話。そう考えると幽霊って記憶なのかな?とか、昔から伝わる怪談が時代と共に変わったのかなぁ。とか。考察が面白いから怪談に関しては
そのままが良いですね。後味良いなぁ。あと、昔。コンビニにある夏のホラー特集雑誌で実家の地域が「余所者が入ると生きて出られない地域」って、紹介されてたの思い出しました。

中村朔様
・娘の腕
切ないなぁ。って思う怪談でした。娘さんの気持ち、親御さんの気持ち。両方の想いがもう・・。しかも説明してるのが、どうしても実家で脳内再生されてしまってですね・・。より身近に感じてしまったといいますか。最後の一文でそうしますよね。って思いました。
・家族写真
これって凄い怪談だなぁ。がシンプルな感想です。全ての集合体みたいな。付喪神?え?どっちだ?
・母になる
道徳の教科書に載せても良い怪談ではないでしょうか?良い話過ぎて一瞬、霊を「良い奴」って勘違いしました。
・うらがえり
小学生の時に貴重な体験した。と言ってもいいのか?お祖母ちゃんの信心深さや、ちゃんと視認させる方法知ってる事。心の在り方と言うのは子供だからこそのあざとさもありつつ。と思いながらも、人じゃなくなる場合が身近にあるんだ。
・三すくみ
やっぱり、強すぎる情念とかってそういう場所でも残るのか?そういう場所だから残るのか?あらためてこの仕組みに・・。あ。けど元々そういうアレでしたね。いい思い出として残ってるのが青春って感じ。

宿屋ヒルベルト様
・たまのえさん
誘い方がシンプル。と言うか、行かざるを得ないですね。けどこの誘い方って万能だけど、誘う対象によって変えてそうな・・。その地域に昔から伝承されてるから助けられたのかなぁ。
・学祭公演
時代的に「懐かしい」「うんうん」ってニコニコするチョイスです。この怪談ってどこから来たんだろうって思った時に、元々その場にいたのが条件一致して出てきたのか?と思いました。それと同時にそのまま公演したらどうなってたのか?これは思わずにはいられません。
・どこの川にもいるモノ
面白いんですよ。この怪談。呆気にとられて、経験してるのが自分だけじゃない事に凄い驚きが出てきますよね。オチがよろしい。
・ただいまー
やってたゲームが刺さりました。ゲームやっててよかったなぁ。って言うのと、どこでお父さんを覚えたのか。見なくて幸いでしたね。ナニが帰ってきてたのか。色々、気持ちの整理が付かないままで事件名見て笑ってしまいました。
・御縁があったら
どこの地域もそういった問題は避けられないだろうから大変だな。って思って読み進めてたら、怖さと不気味さが良い具合に混ざってる話が・・。最初は覆うイメージだったんですけど、読み返すと分裂ってかんじですね。台詞的に。こんな御縁はいらないです。自宅バレてんのはやだ。

多故くらら様
・私の母さん
あ。こういうお婆様って知ってるというか、見た事あるって思うんですよ。場所はデパートだったり、近所だったり。読み返してみて思ったのが、人形に目が行きがちなんですけどタイトル・・。ゾッとしました。
・SHUNO BAN SAMA
ハワイと東北の怪談なんですけど・・。良い怪談なんですよ。というのも話に出てくるキッカケの過去や日常のパートや怪異。昔の事件。国境を越えた村の化け物。って、(個人的に)情報多いんですけど、綺麗にバトンが繋がって良い終わり方します。
・日曜日のパンケーキ
冒頭から普通じゃないんですけど、想像を何回かしたんですがどうしても薄暗い家の中が浮かびます。歪な母と兄と弟の家族関係。家主。自傷行為。なにより会話が怖いんですよ。あぁ。ってなるんです。弟君にしか見えないのは、なんとなくわかる気がします。そんな中でも幸せは在りまして。家族が笑顔になれたパンケーキ。
母との急な別れ。飛び出して戻ってきた兄の凶行。兄弟はそこで離れ離れに。働き始めて数年後に出会う兄弟。笑ってる兄を見つめながら最期を看取る。細かい描写は抜いてますがそれでも凄い怪談ですよね。

以上。

著者様の、情景を浮かばせやすく感情を移入させやすい文章は凄いの一言です。重ねて言いますが著者の皆様を尊敬しております。
私の感想が一定してないのは、数日に分けて書いてたりしてるのもあります。すみません。
好きな本の感想を書きたい。伝えたい。という勢いで記事作成させていただきましたが、書いてて楽しかったです。
もしも、著者様が見ていただいて不快に感じてしまったら申し訳ございません。ありがとうございました。








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