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富美緒のこと

富美緒は、ココちゃんと同じ山奥の小さなログハウスで、比較的若い女性が営まれる保護施設に居た。

ココを譲渡していただき、一年程経った頃だろうか。保護された当時の、目ヤニや鼻水でズクズクの容姿が有名な映画スターウォーズのヨーダに似ているということで、愛情込めて「ブサイクちゃん」と呼ばれていたココの成長したピチピチJK女子高生のような姿をお見せしたく、参上したのであった。

空気感の違いを感じた。

そんなフラッと参上するお気楽さんを、施設の女性はただ必死というか必然ともいうように、ある兄妹の子猫のもとに導いた。

とても臆病であるということ。
これまで保護した中で尋常ではないレベル、ということであった。

ゆっくりと近づき、怖がらせないように静かに腰を降ろした。

子猫は同じ月齢くらいの10匹程の集団に居た。
蝶々のような猫じゃらしに群がる同年代の子猫たちを、ただ、一生懸命に裾から見ていた。

私は先代のレオを亡くし、幼い頃腰を複雑骨折して奇跡的に自力排泄ができるようになった純白の日本猫ゆきと、この施設で一目惚れしたココと共に暮らしていたので、三匹目は正直考えていなかった。

お気楽に、訪ねてしまった。

なんとなく、半ば強引に、女性は私に兄妹のどちらかを引き取ってくれるよう導いてくれた。

富美緒と名付けたのは、レオの前に共に暮らしていた、富美という雌猫にガラが似ていたからだ。富美の面影を想うとそれだけで愛おしくなった。

子育て上手な富美緒の記録はこれからが本場なのだけど、今日のところはポンコツな主が息切れし、また明日以降編集してお届けしますのだ。おやすみなさい。






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