世界ふしぎ発見 不可思議な痕跡
なんとも「不可思議な遺跡」が、世界中に散らばっている。
それぞれが「単独」のようで、どこかで「繋がっている」ような・・・
「人の影」が見え隠れする・・・。
この地球上に、私たちが知っている人間以外の何物かがいたのかもしれない。
では、その「得体が知れない人」たちは、どこから来て、どこに消えていったのか・・・痕跡は何も語らない。しかし、痕跡は「ある」のだ・・・。
宇宙から来て、宇宙に飛び立っていったという説があるけれど・・・
沢山の遺跡を世界中に遺したのは、「誰だ!」?
世界には「核兵器を使う」と脅している人もいるけれど、
実際に使用した過去があったのかもしれない・・・滅びの原因として・・・
中國四川省の「三星堆遺跡」を遺した人は、どこに消えたか?
この遺跡は、明らかに「漢民族のものじゃない」。
だから、中国政府は、発掘を進めようとしない・・・
宇宙人説を支持している節さえある。
中華思想の原点を「黄河流域、中原におかなくてはならない」からだ。
不都合なものは認知しない。拒否する・・・
2004年8月。日本で初めて紹介された「三星堆遺跡」から発掘された青銅器の仮面・獣面人身像を展覧会で見て、私はびっくりした。「異様」なのだ。
解説によれば、約5000年前の「古蜀王国」のものらしい。
その後、成都に赴任した友人に博物館に行ってもらったが、ズブの素人だから、詳細はわからなかった。
東西に城壁跡があり、出土した玉器・金器・青銅器が多数あったようであるが、私が東京の展覧会で見た以上のものは、わからなかった。
この古蜀の青銅器文化は、黄河流域と交流したとは思えない。
独自性が強く、高度の文化をもっていたことがわかったが、
この文化を持った人たちが、どこから来て、どこに消えたのかわからない。宇宙人だという説が出たが、そうした「片づけ方」に私は賛成しない。
長江下流に発達した稲作文化
私は、長江下流にある「河姆渡遺跡」を見て、唖然とした。
約5000年前に「稲作」による農耕が行われていた痕跡である。
度重なる長江の氾濫が湿地帯の遺跡を不明確にしていたが、
新石器時代の中期、杭州湾南岸の低地に水稲を基盤とする文化が栄えていたのだ。確実に!!
大量の稲籾・稲穀・籾殻が堆積し、高いところでは、1メートルにも達していたという。また長江中流域にある湖南省彭頭山遺跡から、紀元前7000~6000年頃に遡る栽培種の稲が出土したという。水稲文化である。
この文化は、黄河流域のヒトと同じではない。三国志の孫権をみればいい。
多分、日本人に近いのではないかと、私は思っている。
この人たちは、どこに消えたのだろうか?
肥沃な三日月地帯を行く
チグリス川に近いところまで行ったのだけれど、戦争・混乱で目的地まで行ききれなかった。
私は「シュメール人」に関心が高く、ニップル・ラガシュ・ウル・などを確かめたかったのだ。現在のイラク南部にあるから、1990年の「クエート侵攻」・その後の「湾岸戦争」が、私の旅を阻んのだ。アテネから飛んだのに
メソポタミア文明は、紀元前4000年ごろ、シュメール人が都市国家を築き、はじめて生まれたという。「ギルガメッシュ叙事詩」の洪水伝説は、旧約聖書の「ノアの洪水の原型だ」とも聞くので、現地で確かめたかったのだ。
私は、ドイツベルリンの「ペルガモン博物館」で、古代メソポタミアで発掘されたものを見ていた。発掘品が、ドイツに運び出され、再構築されて展示されている。
だから、事前に確認してあったのだが、やっぱり「臨場感」が足りない。
この博物館には、バビロニアやアッシリアなどの古代メソポタミアの遺物も展示されている。その中には、イシュタルの門や、マルドゥク神像などの有名な遺物も含まれている。見事である。
また、博物館には古代オリエントの美術品や彫刻、装飾品など、貴重なものがある。矛盾するが、良く再現されている。
モヘンジョダロはなぜ滅んだのか
この高度なインダス文明が滅んだ理由はわからない。
インダス川の氾濫が原因だという説があるし、
死者の姿から判断して,「核兵器」を使用したという説もある。
私は「焼きレンガ」を作る過程で、この地域の植物を伐採し、環境を破壊してしまったからであるという説に「共感」している。しかし、わからない。
現在のブラジル・東南アジアの熱帯雨林の伐採・開発の問題と似ている。
古代遺跡の滅亡の典型的なものがモヘンジョダロである
いまの調子なら、地球全体がモヘンジョダロのようになるだろう・・・
中国の黄河地域も、緑豊かな地域が文明の発達・都市の発達とともに「砂漠化」した結果と、同じではないかと思っている。
インダス川の流域にある古代都市は、パキスタンにある。
この巨大な都市が、なぜ滅んだのか?
誰がすんで、彼らはどこに消えてしまったのか?
いま、なぜ放置されているのか?
サッカルの飛行場から2時間ほど揺られて
到着したモヘンジョダロは、猛烈な日差しの下にあった。
私が訪問した時は、赤レンガの他に何もなかった。本当に何もなかった。
殺伐とした掘立小屋があるだけ・・・。
バスの外にあったものは、荒涼とした古代遺跡の風景と熱さだけであった。
私が、モヘンジョダロと、少し離れたハラッパの遺跡を訪ねたのは、
太陽がぎらつく真夏、8月だった。ものすごい暑い日だった。
事前情報では、現地の治安が乱れていて危険であるとあったが、
私は「旅はいつも危険を伴うものである」と思っているので
「怖れていては何もできない」と考えて、飛行場を出発した。
モヘンジョダロは小さな都市遺跡ではない
整然とした都市計画のもとに、道路は直角に交差し、水道・汚染の排水システム・水洗便所・ダスターシュートまである。近代都市のようである。
何代・何層にも積み重なった古代遺跡は、あちらこちらで崩れかけていた。
しかし、まだこの古代遺跡について、少しも解明されていない。
モヘンジョダロで有名な「沐浴施設」に行った。
プールのような施設だが、本当はここで何をしていたのかわからない。
しかし、昔日は多くの人がここで働き、歓声を上げ、生活していたはずである。どんな顔をして、どんな服装をして、どんな会話をしていたのだろうか。が、今は何も見えてこない。幻影さえ熱さの中で消滅してしまった。
アーリア人が、アフガニスタンからカイバル峠を越して、インドに侵入する以前の約5000年前から、ここに都市国家が繁栄していたという。
現在はインド南部に住むドラビダ語族の先住民が、この文明の主だろうと言われているが、何もわかっていない。
インダス文字が解読されていないからである。インダス文字(印象文字)といっても、これが文字であるかどうかさえ特定できないのだ。
私は土産物屋で、土くれで出来た粗末な印象文字(インダス文字)が書かれた「印章」を買ってきた。牛のようなものが描かれているだけである。
これを解読できたら、世界の歴史を変える記録を残すことができるだろうが、あまりにも資料が不足している。ギリシャの線文字A以上に難解である。また有名な「神官王」と呼ばれる「人物の胸像」の粗末なレプリカも購入してきたが不明なことが多い。いま、私の机の上にある。
エジプトなどの「日干しレンガ」を積み重ねるだけでは、こんな大きな建築物はできない。
高温で焼き上げた「窯焼きレンガ」を使い、アスファルトなどで隙間を埋める耐水構造など、現代のアーバンデザインの専門家もこんな高いレベルの設計は困難だろう。
誰が設計したのか?どのように施工したのか?高い建築知識と土木技術と王権など強固な組織なくして、とてもできるものではない。
ここに紀元前2500年に最大4000万人の人が住み、豊かな生活を営んでいたというからすごいことである。
遺跡を調べてみると、定期的に清掃員が来て、ゴミを集め、人々はサイコロ・チェスのようなものを愉しみ、動物の仮面を被った人形劇が人気だったようである。
そんな街に人々が行き交い、人生を謳歌していた風景をイメージするだけで楽しい。旅は自分の想像力を逞しく鍛えてくれる。
この巨大な遺跡が「塩害」に犯され、辛くも存在を維持しているだけのように見えた。古いレンガは崩壊寸前で、その後世界遺産に登録されたが、とてもパキスタン一国で保全・維持管理はできない。
私は暑さに朦朧としながら、インダス川からの「船着き場」についた。ここは多くの物流の拠点だっただろう。しかし、すでに水はなく、船が出入りする痕跡は見られなかった。すべてが枯れ果てていた。
繁栄した国家・都市国家ができるまでの期間・・・
モヘンジョダロにしても、この都市国家が繫栄するまでには、相当の時間がかかっただろう。2000年以上の準備期間があったかもしれない。
「サピエンス全史」で、ハラリさんが、いろいろと仮説を述べているし、
モンゴロイドがペルーまで南下するには、相当の時間が必要だったろう。
プラトンの「ティアイオス」をベースにしたと予想する「海のトリトン」が好きだけれど、手塚治虫は「最後」に、とんでもないどんでん返しを描いている。
超古代文明は1万2000年前に滅びたというムー大陸、アトランティス大陸、レムリアの話も、ロマンの向こう側に、人間の「悲惨な過去」があったのではないかと予想すると怖い。
そして、いま「核兵器を使う用意がある」というサタンが乗り移った人の声は、遠い過去の記憶を現代によみがえらせる。
「宇宙船地球号」はいま瀕死の状態にある
モヘンジョダロ(死の丘)の滅亡、三星堆遺跡、エジプトのピラミッド・・・シュメール人はどこから来たか。どこに去ったのか?
すべては「古代核戦争による一瞬だ」という説を、あながち笑い飛ばすわけにはいかない「恐怖が迫ってる」。
私たちの文明も、いつか現在の人間を超えて「わからない時代の遺跡」になってしまうかもしれない。