VICEの動画「日本の小児性愛マンガ産業の内側」は悪意に満ちていた その1

カナダ発アメリカ企業のVICEが、日本の漫画・アニメ業界は児童ポルノまみれ、児童への性犯罪が増えているという印象操作の動画を出した。
お馴染み?モンゴメリー花子記者が大暴れだ。

日本からは視聴不可だが、予告編は視聴できる。
言いたいことは沢山あるので何回かに分け、
今回はデータの選び方に問題が有ることを中心に論難したい。


不適切なデータを意図的に選択している


さて、早速グラフが出てきました。
児童性的虐待の検挙数と児童ポルノの被害者数の線グラフだ。被害が増えてる、大変だと言いたいようだ。
ソースは警察庁の統計のようだ。加害者検挙数と被害者数、なぜどちらかに統一しないのか。
これは、伸びが大きい数字を意図的に選んだ結果です。

まず、児童性的虐待の検挙数は、父母又は保護者による児童への性犯罪であり、児童への性犯罪を網羅していないし、父母による児童ポルノの作成なども含まれているから、児童ポルノの被害者数ともかぶってしまう。

https://www.npa.go.jp/bureau/safetylife/syonen/pdf-r3-syonenhikoujyokyo.pdf

警察庁の統計には児童への強姦(強制性交)や強制わいせつの認知件数があるのだから網羅性の観点からもそちらを使うべきでしょう。
しかし、児童の強姦は2014年から2021年の間1.23倍、児童への強制わいせつは0.53倍、児童買春、淫行、青少年保護条例違反計は1.02倍。
これではパッとしないので増加率の高いデータを選びたくなったのでしょう。

VICE本国カナダの方が児童への性暴力は多いし増加率も高い

そもそも、VICEの本国カナダの方が子どもへの性暴力はずっと多いし、増加率も2.71倍と高い。
カナダの人口は日本の3分の1しかないのに、凄いですね。

ちなみに、日本の児童への強姦(強制性交等罪)が増えたのは、2017年の法改正の影響が大きいと思います。
非親告罪となり。女性だけでなく男性も対象になり、従来強制わいせつだったものの一部が強制性交とされ、監護者性交等罪が新設され、監護者による未成年者への性的虐待が以前より検挙されるようになりました。

児童虐待は捕捉力が上がり検挙件数の増加が著しい


虐待死亡児童は減っているのに、性的虐待に限らず虐待の検挙数は全体的に増えています。
暗数の少ない殺しが増えていないと言う子とは、虐待は増えたのではなく、補足力が上がったと考えるべきです。児童相談所の体制強化や警察との協力を進めてきたことが効果を上げているのでしょう。
児童相談所に配置された児童福祉士は2014年の2,934人から2020年には5,168人に増員されました。

https://www.npa.go.jp/bureau/safetylife/syonen/pdf-r3-syonenhikoujyokyo.pdf

意図的に増加率の高い数字を選んでいるのは明らかです。

児童ポルノの検挙数


児童ポルノの検挙数の方が実数は大きいけど、児童ポルノの被害者数の方が若干伸び率が高い、わざわざ被害者数を使ったのはそのためですね。

で、児童ポルノの検挙数もカナダがずっと多いし増加も凄いです。
カナダでは漫画・アニメも児童ポルノに含まれるからというのは通用しない。カナダでの漫画・アニメの規制は2014年以前から行われているのだから。


米国NCMECの児童ポルノ報告数では米国494,388、カナダ43,350、日本33,886件です。
人口3,699万人の国がよう頑張っとりますなあ
(・_・;)

https://www.missingkids.org/content/dam/missingkids/pdfs/2020-reports-by-country.pdf

他にもツッコミどころは沢山あるので、また続き書きたいと思います。


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