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小説サークル向け印刷所まとめ

何冊か本を出して気づけば色んな印刷所を使ってきたので、使ってみた感想を簡単にまとめました。
全て文庫、B6対応可能な印刷所です。

この記事がおすすめな人
・文庫やB6の小説本を出す
・小部数でも出したい
・少しでも〆切は遅い方がいい
・でも装丁にもこだわりたい
・でもなるべく頒布価格は抑えたい

おたクラブ


コスパ ★★★★★
〆切 ★★☆☆☆
装丁 ★★☆☆☆

〆切に余裕があってコスパ良く本が作りたいときにおすすめの印刷所。

RGB入稿ができるので、自分でデータを作るとき画面上の色のまま入稿できて助かる。
入稿時、ブラウザ上である程度のデータチェックができて便利。でも結局、直し方は自分で調べないといけないのである意味玄人向けかも。

表紙の用紙とPPの種類はかなり充実してて、クロマティコとかジュエルペーパーのジェネリックがあるので可愛い本が気軽に作れる。ただ、箔押しで使える紙と、小説のカバーで使える紙が少ない。

直接搬入だと最短でも7営業日なので、〆切ギリギリ人間が使うのは難しい。直接引き取りの短納期プランも4営業日(大阪のみ)なのでガチのギリギリでは使えない。
(以前は東京にも会社があって金曜の朝に入稿したら午後には本ができてて怖かった)

くりえい社


コスパ ★★★☆☆
〆切 ★★★☆☆
装丁 ★★★★☆

特殊紙にパール箔を押したくて使った印刷所。奥付で見る機会はそんなに多くないけど条件が合えばおすすめ。

使える紙は他のオフセットもやってる印刷所に比べるとちょっと少なめ。
でも加工が安い。特に他だとホログラム箔扱いになる透明箔とパール箔が通常箔と同じ値段で押せる。
使ったことないけど天金加工と小口染めはたぶんここが一番安い。

オンデマだと使える紙と加工に限りがあるからオフセットにしても、通常〆切が水曜とオフセットにしては遅く、他所の通常〆切が早割扱いになるので助かる。
あと旬のジャンルだと【ジャン割】が使えるので、小部数小説サークルでもなんとか相場に収まるようにできる。

コミックモール


コスパ ★★★★☆
〆切 ★★★☆☆
装丁 ★★☆☆☆

分厚い小説本を出してる人がよく使ってる印刷所。カバー付きの商業小説っぽい本が作りたい人におすすめ。
実際、ページ数が多くなっても印刷代が高くない。カバーは紙の種類に関わらず+150円なのもありがたい。

加工はPPとカバーのみ。キャンペーンでトワイライトPPとかベルベットPPとか他だとオプションになるPPが使えるのがありがたい。
紙は意外と色々使える。ただしPPが貼れない紙が多いので注意。

仮予約→発注→入稿→料金後払い
というフローなので、大きいイベントの前は早めに仮予約をしておかないと埋まって死ぬ。仮予約後も在庫さえあれば注文のタイミングでページ数以外の仕様の変更も受け付けてもらえる。
PPとカバーをつけた〆切は月曜なのでやや早い。

サンライズ


価格帯 ★★☆☆☆
〆切 ★★★☆☆
装丁 ★★★☆☆

オンデマで特色ピンクっぽい色にしたいと思ってRGB入稿ができる印刷所を探して見つけた印刷所。
以前はオンデマンドとオフセットのサイトが別でわかりにくかったけど、今見たら統合されて見やすくなってた。

オンデマでも一通りの加工はできる。けど〆切が早まる日数が多いのと、他と比べて割高な印象。なのでプリントオンかSTARBOOKS以外でRGB入稿をしたいときに使うのが個人的におすすめ。

〆切はオンデマだと通常〆切が水曜、最大早割は前週金曜入稿で-25%、割増しは金曜入稿で+20%、と全体的に標準的な感じ。

STARBOOKS


コスパ ★★☆☆☆
〆切 ★★☆☆☆
装丁 ★★★★☆

個人的にうわ〜この本装丁すごい!と思ったらだいたいSTARBOOKS、っていうくらい装丁が盛れる。〆切とお金に余裕があって装丁を盛りたい人におすすめ。

箔や紙が多い印刷所は他にもあるけど、オンデマンドだと使えませんってところが多い中、オンデマでもだいたい使えるので字書きでも色々挑戦できて助かる。

対応も丁寧で、奥付のQRコードが飛んでたときもどうやったのかわからないけど直してくれた。
ただしお高い。刷る部数によるけど早割の割引率も他に比べてあんまり良くない気がする。私が富豪だったら毎回使いたい印刷所。

プリントオン


コスパ ★★★☆☆
〆切 ★★☆☆☆
装丁 ★★★★★

ちょっと変わった装丁の本の印刷所を調べるとここが多い印象。再販分を初版分よりちょっとグレードアップして刷るのに使った印刷所。
〆切に余裕があって装丁を盛りたい人におすすめ。

季節ごとのキャンペーンを使うとお得に箔が押せたり、珍しい遊び紙が使える。箔や紙だけじゃなく加工の種類も多い。ただし、加工ごとにプランが分かれてるので、加工によっては併用できないのがたまに罠。

オンデマの割には価格帯はやや高めで相場に収めようと思うと早割前提になるので、〆切に余裕があるときしか私は使えない。

お任せで加工や遊び紙を選んでくれる【ワクドキセット】のセンスが昔より良くなってると聞いたので、一度博打を打ってみたい。

ホープツーワン


コスパ ★★★☆☆
〆切 ★★★★★
装丁 ★★★☆☆

ここの印刷所も小説本の奥付でときどき見かける。入稿データをミスって文庫本の本体だけを刷り直すために金曜入稿ができるところを探したときに使った印刷所。

〆切ギリギリでなんでもいいから本を出したい人におすすめ。
オンデマンドの【ポケットセット】なら通常入稿で木曜、金曜15%割増、土曜25%割増で直接搬入なので、とにかく絶対出したいときの駆け込み寺。
(同じく駆け込み寺で有名なブロスはギリギリだと文庫B6のプランがない)

入稿データの準備が他に比べるとやや煩雑で、白紙ページやテキストボックスを使ったページのスクショを添付しないといけなかったり〆切ギリギリだとかなり焦る。駆け込む予定がある人は先に調べておくことをお勧めします。

箔の種類は普通、紙の種類は季節のキャンペーンならオンデマでも色々選べる。オプションを積めば凝った本を作ることもできるけど、そうするとそれなりの値段になるのでここじゃなくてもいい気がした。
(すみません、早割したら箔が無料で押せるらしいです、すごい)
ただ、個人的にOKムーンカラー/OKフロート+空押しがオンデマでも使えるのがすごいと思ったので今度使ってみたい。

プリンパ


コスパ ★★★★☆
〆切 ★★☆☆☆
装丁 ★★★☆☆

箔押しやPPを貼ったりはできないけど、他の印刷所にはない珍しい紙を取り扱ってる。トレペカバーの小説本のカバーはだいたいここで作ってるんじゃないかと思う。

他の印刷所で本体を刷ってカバーや帯だけをここで刷るのが個人的におすすめ。
私が実際やったことある組合せは
本体+カバー(コミックモール)+帯(プリンパ)
本体(おたクラブ)+カバー(プリンパ)

オプションで片袖折り加工がつけれるので、部数が多くなければ当日の朝にカバーを巻くこともできる。
CMYK orモノクロに蛍光ピンク/金/銀/白のインクがオプションできるので、組合せ次第でかなり可愛い本が作れる。

本体の印刷もやってるにはやってるけど、ページ数に制限があって分厚い本は作れないのとオフセットくらいの値段になるので、本体はやっぱり他で刷るのがおすすめ。


簡単に、と言いつつ思ったより長くなってしまいました。ここ以外に文庫B6が刷れるおすすめの印刷所があれば、コメントやメッセージで教えてもらえると助かります。

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