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万年募集中の「激レア求人」

ぼくの会社はいつも求人案件を山ほど打ちまくっています。

毎月、相当な求人掲載費用が発生していますが
まぁ結果はあまり芳しくないというのが実情です。

ぼくは現在、現場を掛け持ちしながらの内勤ですが
内勤のポンコツジジイ・ババア…おっとすみません、心の声が文字になってしまいました

アホロートル(老害?)な内勤のメンツにうんざりしながら憂鬱な毎日を過ごしています(笑)

まず内勤の面々なんですが、
警備会社あるあるなんですけど
平均年齢が55歳オーバーという、ロートル天国です。ちなみに平均年齢を計算してみたら58.6歳だったから驚きました。
天下りのお爺さんも一定数居たりするもんだから、その人らがまた平均年齢をグーっと上げているんだろうと思います。
30代、40代の営業社員、そしてぼくを除いたら、
大多数が50歳以上で、主力は50代・60代という、かなり老けた組織です。

この世代の人達だから仕方ないんですが、とにかく重度のITアレルギーを持つロートル社員が多くて、日々の業務が滞る事もあったり
(アレルギーと言ってもパソコンを見て喘息発作を起こしたり蕁麻疹が出るわけではない)

何よりうんざりするのは、ITアレルギー社員が大多数で尚且つ権力を持つポジションにしつこく居座っているものだから
彼らのやりやすいスタイルの業務のまま、アップデートがなされないという、非常〜に非効率的で非生産的な業務体系が未だに行われているんです。

昭和の事務風景のまま、時が止まっている感じです。

しかし世の中には50代、60代であってもITスキルの高い人も少なくはありません。
要は、年代に関わらず、常に自身をアップデートして流動的な現代社会に対応できる柔軟性があるのかどうかだと思います。

ただ、警備業界に関して言うなら、IT化やオートメーション化に積極的に取り組んでいるのはごく一部の企業に限られていて
旧態依然としたアナログなやり方から変える気がない企業の方が圧倒的多数ではないかと思います。

人間ができることをわざわざ機械にやらせる必要はない、というスタンスがいまだに主流なんです。
あくまでもマンパワー至上主義というか。

警備業界に限らずこのようなスタンスの業界は他にもあるかと思いますが、これからの時代は、マンパワー頼みでは頭打ちになるかと思います。

機械に任せられるところは機械に任せて、人間はそのフォローに回って、人間にしか出来ない業務に集中している方が効率的だし、生産性も上がると思うんですけどねぇ。

でもこういう考え方は、とかく高齢の従業員達から受け入れられない。

時代はペーパーレス化だというのに、紙の書類や帳票が山積して、それらが無駄に場所を取っているし、過去のデータが必要な場合には、わざわざ資料室に行って膨大なファイルの中からそれをいちいち探さないといけないという
本当に時間の無駄で、無意味なことに追われて一日を過ごしている気分になる時もあります。

ぼくは人事課にいますが、うちの課長(50代)も例に違わずITツールに対してアレルギーのある人なので、PC作業は全部ぼくに丸投げです。
課長はExcelやWordすらまともに使えない人なんで。

でも、別にそれで構いません(笑)
PCスキルを身に付ける為に勉強させて貰えると思えば別に腹も立ちませんから。

パソコンで処理をしないといけない業務がドカッと来た時など、課長はぼくに全部丸投げして、そそくさーと書庫に逃げ込んで行きます。
下手に事務所にいられてもうるさくてめんどいですから、書庫にでも行ってて貰った方が助かります。
一日中書庫で何をやってるかは知りませんけど、顔を見なくて済むのは有り難い(笑)

噂では書類を置いている倉庫室の隅っこの方には、ロートル社員達の為のお茶飲み部屋(サボり部屋)があるらしいんですけど、大方そこで囲碁や将棋をしたり、お菓子を食べてくつろいでるんじゃないんでしょうか。
ぼくはそこに入れないんで、詳しい事はわかりません。
お茶飲み部屋は倉庫の奥にある個室の事なんですが、いつも施錠されていて、そこの鍵は課長以上の人だけが持てるらしいです。
課長以上じゃなくても勤続十年以上のパートのオバサマとか、天下りの爺さん(まぁ、天下りは自動的に課長以上の役職についてますけど)
嘱託社員の管制員なんかにも渡しているから、そういうところ(サボり部屋)なんでしょう。

「若い奴らには美味しい思いはさせてやらねーよ」って魂胆が透けて見えます。

こういうのも警備会社の闇の部分なのかもしれませんね。

内勤になったらなったで、今まで見えづらかった警備会社の闇を目の当たりにする事もかなり多くなり、なんとも言えない気分になります。

さて、タイトルの話題になるんですけども

人事課も毎週の様に無駄な会議をやってるんですが、
「どうやったら求職者の目を惹きつけられるか」「パッと目につくタイトルを考えろ」が毎週のテーマなんですよね。

部署内で意見を募っても、いつも課長が片っ端から頭ごなしにダメ出ししまくるので
結局、課長の案でゴーサインが出るという茶番もいつものこと。
こんな時間の無駄でしかないクソ会議なんてやる意味あんのかよと舌打ちしたくもなります。

で、毎度毎度変わり映えのしない
「今がチャンス!激レア求人!」
「今なら入社祝い金が貰える!」
「他社とは違う高待遇!ココに書いてあるのはほんと!」
「待遇に偽りなし!ココだけの求人!」
などの文字が虚しく踊る求人案件が年間を通じて求人サイトに出回っています。

勘のいい求職者なら間違いなく避ける地雷案件になっているんですけど
それでも警備員に応募して来る人の中には情報弱者も少なくないので、割と引っ掛かってきます。

まぁ、そういう求職者がどんな人なのかは、想像に難くありません。

まずは、一番多いのが
①学生を卒業した後にフリーター、派遣社員などを非正規雇用を何年も続けて来たような、まともな社会人経験がないまま就職が難しい年齢になった人
30代半ば〜40代後半、いわゆる氷河期世代とか、ロスジェネ世代とか言われている人達が大部分を占めます。
有名大学卒など、高学歴の人も割といます。

ただ、この人達は「どこかしらの組織に属して働くこと」の意味を知っている人も多いので、そこまでとんでもない人が来ることは少ないです。
また、このタイプは勤勉で真面目な人も多いので、上手に育てたら隊長クラスまで成長するパターンもあります。

それから、ロスジェネ世代の人達の中には
稀に、高学歴で尚且つものすごいスキルを持っていたり、地頭も良かったりするのに
生まれた時代が悪かったのか、それを評価されないまま非正規雇用や底辺職、あるいはクソみたいなブラック企業で搾取され倒す事に甘んじたまま、年齢だけを重ねてしまったという不遇な人生を送って来た人々も少なくありません。
こういう人達の多くは、自分を過小評価している人達も結構いるんです。
ごく稀にですが、警備員をやりながらスキルを磨いて、大逆転する人もいます。

それから、
②ニートや長年専業主婦をやっていた人、あるいは経歴がよくわからない(恐らく元ホストなどの夜の商売系)などが働いてみようと思ったけどよくわからないまま応募してきた、みたいな世間知らず系

このタイプはまともな人が少ないです。中卒、高卒、専門卒など、あまり学歴が高くない人が大多数を占めています。
ネットで得た情報や知識、それまで自身が身を置いていた狭い世界の常識を鵜呑みにしている人も多いので、かなり偏向的な価値観を持っている人も多いです。
それと、スキルやキャリア、実績、実力が伴っていないにも関わらず、YouTubeやネットなどで仕入れた情報や知識を自分の都合の良い様に解釈して、変な勘違いをブチかまして来る、意識高い系も多いです。

ご自身が一般社会では通用しない非常識人という自覚が完全に欠落している人もかなり多いので、普通の職場なら一般企業は勿論、警備会社でも人選をそれなりに行なっている会社ではご縁を持つ事を遠慮させて頂きたいと判断される事も少なくないと思います。
また、特に夜の商売系の経験者は、反社とのなんらかの繋がりがあるかもしれないとの懸念もある為、警備会社じゃなくてもシャットアウトする企業も多いと思います。

反社会的勢力の人間が会社を乗っ取る時に、その足掛かりとして一見すると反社っぽくなさそうな人間を、ターゲット企業の社員として送り込む事も少なくありません。
不自然なくらいに真っ黒な黒髪にして、きちんとスーツを着こなしていれば、とりあえず見た目だけは誤魔化せます。
日本は異常なまでの黒髪信仰がいまだに蔓延していますので、
とりあえず「黒髪ならまじめで誠実な人」と、簡単に騙される人事担当も割といます。
なので、少なくとも僕は黒髪だからといってその人を信用する事はしない様にはしています。
真面目系クズも思いの外多いんですから。

まずは、応募書類を精査してから面接に進むかどうかを判断します。
履歴書に不審な点がある人…例えば、履歴書に書けない空白期間がある人や実態の分からないペーパーカンパニーなどが記載されている場合などは、採用見送りになる事もあります。

いわゆる、夜の商売を何年も続けて来たけど、年齢的に厳しくなって来たから堅気の仕事に戻ろうという人が履歴書を作成する際、履歴書に夜の商売の店名とか、仕事の内容なんて書けるわけがありません。
(そんな経歴を馬鹿正直に話したらその場で即不採用になりますし)
そういう人達の中には、夜の商売に従事していた時に利用していた、アリバイ会社の名前を履歴書に書いて応募してくることもありますが
まず、面接時にはその会社での雇用形態や実務経験について詳しく聞きます。

「えっとぉー…一般事務してましたぁ」と回答されても、その業務内容について深く突っ込むと、しどろもどろになって答えられない。
データエントリー業務ならばその内容を詳しくお聞かせ下さい、と聞いても答えに詰まる。
それから、事務の実務経験があるのであれば、面接時にPCでスキルチェックのテストも行います。

エンジニアとかの採用面接ではないので、別に特段難しいスキルチェックではないし、高度な専門知識も必要ありません。
本当に一般事務の経験があるのであれば誰でも難なくできるレベルのスキルチェックを行います。
ですが、高校を中退して、その後ずっと夜の商売だけで生計を立てて来たような人では、簡単な事務処理もできないので、そこでボロが出ます。

というよりそもそも、実在しないアリバイ会社を経歴に記載している時点で重大な経歴詐称となりますから、そんな人はそもそも採用しません。

不審な経歴がある場合、反社会的勢力との繋がりを疑う事は割とあります。
リファレンスチェックを行えばすぐに判明します。

場合によってはアルバイト雇用ですら採用を見送ることも割とありますが、うちでは採用します(笑)

いくらぼくが
「この人、履歴書がなんか怪しいですよ」と課長に注進しても、課長は一切聞き入れずに自分で勝手に決めるから。
だったらオレの意見なんかわざわざ聞いてんじゃねーよボケ!といつも思っています。
(で、結局碌でもないのを採用して、トラブル対応に追われてばかりになる)

まあでも、使いようによってはこき使うだけこき使って使い捨てる為の一時的な駒としての利用価値ならありますので。
このタイプはベテラン勢が行きたがらない地雷現場に放り込むのがデフォルトです。
仮にそれで退職したとしても大して惜しくもない人材であることも多いです。
むしろあまり長居して欲しくない人材も割と多かったりしますから、長く続けて欲しい人にはまず行かせる事はないようなキツい現場に配置します。

それでなかなか辞めなければ更に苛烈な現場に異動させる事もあるかと思います。

表現が過激で申し訳ないのですが、そういう事もあると思います。適材適所、ですから。

警備会社の場合は、現場に配置しておけば社内のコアな部分を見せることなく現場で飼い殺し、という事もできます。
もちろんそれでも言葉巧みに口の軽そうなベテラン社員からあれこれと内部事情を聞き出そうと画策する可能性は否めませんが、
その懸念がある場合は現場の隊長に、常に動向を監視しておく様にそれとなく通達しておきます。

そして、これが一番ヤバい奴ら…
③リストラや定年退職、事業に失敗した元個人事業主、もともとは一般企業や公務員(特に元自衛官が多い)などで働いていたけど周りについてけなくてケツを割ったけど、転職活動にも失敗したドロップアウト組。

警備員の主力構成メンバーでもありますが、一番食えない連中でもある。
定年退職後にのんびり警備員でも、という爺さん連中は、隙あらばサボったり、陰でこそこそとタバコを吸ったりと、とにかく不真面目なのも少なくないんで、会社には結構な頻度で
「おたくの警備員、トイレでタバコ吸ってたけどあんたんとこの会社はどんな教育してんだよ?!」
みたいなクレームが寄せられます。
かと言ってあまりキツく叱責すると次の日から来なくなったりするんで、注意もできない。
退職者が出ると本社の偉いさん達から、ぼくら人事課が激詰めされるんです。
毎月、本社で定例会議があるんですけど、その時に各地区の支社長やら人事担当も集められます。
そんなのzoomあたりでやれよと思うんですけど、アナログな人が大多数なので、オンライン会議に対応できない。本当、色々と時代遅れな会社です。
会議用の資料も各支社でわざわざ紙の書類で準備して、ってこれまた時代遅れ。

役員連中も、毎月顔を合わせるからこそ士気が高まる、などとズレた事を大真面目に言ってるから、どうしようもありません。

そして、各地から集めた定例会議では、その月の離職率ワースト1位の支社長や人事担当は全員の前で血祭りに挙げられます。
あと、応募率や採用率の悪い支社への激詰めももちろんあります。
他にもあれこれと理由をつけては激詰め。
結局これをやりたいからオンライン会議をしたくないんだと思います。
こんな時代錯誤のパワハラ会議に何の意味があるのか、是非とも社長の見解を聞きたいものです。


リストラされたり、前職を退職したとしても、それなりにキャリアもしっかりしていて、キャリアに見合ったスキルを持ってる良い人材なら、それなりにまともな所に再就職できてる筈です。
そうじゃないから、警備員くらいにしかなれないというのに、全く現実が見えてない。

それでいて無駄にプライドだけはエベレスト級に高いので、態度も尊大。
過去に大手企業で働いてようが、自営業をやっていようが、今のあんたはただの末端の警備員。それは紛れもない現実なんだから現実をちゃんと見ろと。


そもそも「激レア求人」だの「嘘だらけの高待遇」やら「入社祝い金」などに釣られて応募して来る人達の大多数は、やはりそれなりの人材です。
本当の激レア求人とか高待遇の優良企業で働けるような人材は、そもそも警備会社なんかに応募しません。


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