時代錯誤なサル山のボス
警備業が斜陽産業かどうかは、
警備会社なんぞで働いて、警備員みたいなしょうもない仕事でしか働けないような僕の残念な頭では到底わかりませんが
ひとつだけ言えるのは
警備業界は時代に取り残された、いまだに昭和の常識や慣習儀礼がまかり通る、変な業界です
と言うに尽きますね。
いまだに
『額に汗して働くことは美しい』とか本気で思っている人も少なくないし
作業効率なんてものは完全無視で、長時間労働や残業をする事を高く評価したり
AIやロボに任せて人間様の負担を軽くしようと言う働き方が推進されているこの世の中で、
いまだに、正しい立哨姿勢を見せたり、キビキビとした動作や礼式を強要したり、などと無意味かつ無駄な事を一生懸命になって頑張ってみたり
真冬の凍てつく寒さの中や炎天下のもとにキツい立ち仕事を頑張る姿を見せる事…つまり、無駄に肉体や精神を消耗させて削るような働き方を相手に提供することが美徳だとか誠意だなどと考えているようで、
非生産的で無意味な我慢や苦行を率先して実行する事が社会人としての正義だと本気で思っているような、救いようのない莫迦だらけなんですよ。
今どきこんなクソくだらない事を喜んでやりたがるのなんて、よほどのドMか軍隊マニアくらいのものではないかと。
もっとも、軍隊マニアなら警備会社なんかよりも自衛隊に行くでしょうけどね。
でも、こういった非生産的で非効率的な事を進んでやりたがるのが、警備業界のお偉いさん達なんでしょうね。
…ばかばかしい。
自分達は座って楽してる癖に現場には苦しい思いをしろなんて、どの口がそれを言ってんだ、といつも思いながら働いてますね。
そりゃー不人気職種ワースト1に万年ランクインもするってもんですよ。
他業種でも通用するようなスキルもキャリアも身に付かないし。特にキャリアなんて完全にゼロですから。
むしろ警備員としての経歴なんて、キャリアが身に付かないどころか完全にマイナスにしか作用しませんからね。
警備員なんてなりたくてなる人なんかまぁまずいませんよ、僕も含めて。
でも僕はばかだから警備員しかできないんで、不満があろうと何だろうと、これしかできないんです。
びっくりするほど安い賃金で最大限にこき使われながらも、これしかできないんです。
だからこんな所でコソコソと憂さ晴らしするのが関の山という、つまらない人生なんです。
けど、警備会社の偉い人たちは、そういう昭和の軍隊みたいなノリをクライアントにアピールする事で
『信頼を売っている』と、本気で考えているみたいですから恐ろしいものです。
こういう変なノリ、大手になるほど強くなりますからね。
『警備業界の底上げ!』なんて言ってますけど、賃金も待遇も改善しない癖にホスピタリティ精神溢れる上質な警備サービスを提供しろとか、ふざけんなって話ですよ。
仕事のクオリティがどーの、って言うならそれに見合った賃金を払えよ。
生活できるギリギリの賃金しか払わない癖に、社員に多くを求め過ぎだから、社員が定着しないんだろと。
警備業界ってのはやりがい搾取の典型なんですけど、やりがいがあるならまだしも、やりがいもクソもないただのルーティンワークなんで、やりがいのないただの搾取ですね。
その言い方が気に食わないなら奴隷労役とか。
もとい、ローマの奴隷でも僕らよりもっとマシな暮らしをしていたそうです。
僕らよりもはるかに短い労働時間だし、心身共にぶっ壊れるまでこき使い倒される事もなかったようですから。
…僕らは奴隷以下の扱いを受けてるって事ですね。
うん、やっぱり警備員なんかになりたいと思う人はいませんね。
んで、僕の会社もご多分に漏れず、この馬鹿馬鹿しいパフォーマンスを奴隷(警備職社員)たちにクライアント先で披露させては、妙な自己満足で悦に入っているんですから。
僕の配属先でも
ご丁寧なことに毎日毎日、『朝礼』だとか『夕礼』などという名目のもと
クライアントの従業員様方が大勢行き来するエントランス付近で
『やすめっ!』
『きょーつけぇーっ!』
『◯◯隊長にけーれーっ!』
なんてくだらないパフォーマンスを見せつけています(笑)
そして、クライアントの社員達は目もくれずにそのまま素通り(笑)
(たまに通行人にバカにされるw)
時々役員が通りがかったら、全員で役員に向き直って
『敬礼っっ!!』
という事も。
さすがにこの大企業の役員クラスにもなると、一瞥もくれずに無視、てなことはないけれど
皆様、クールに
『はい、お疲れさん』
と手をあげて通り過ぎて行く。
この温度差(笑)
真冬日でもひたすらに暑苦しくもむさ苦しいパフォーマンスを繰り広げています。
クライアントは今の時代そのものの、ジョブ型雇用を導入している企業で、サステナブルな働き方だとかワークライフバランスだとかなんですが
それに対して僕らの会社は、昭和のノリのメンバーシップ型雇用で長時間労働こそ絶対正義!って考え方ですから、
クライアントの警備担当の社員とうちの会社の担当との間で意見の食い違いが度々見受けられます。
そもそも
サステナビリティ?ダイバーシティ?ワークライフバランス?なにそれ美味しいの?な社風なんで。僕の会社w
クライアントの望む警備スタイルにうちの会社の体制がついていけてない、と言ったらわかりやすいのでしょうか。
時々、クライアントの警備担当のボスが、半ば呆れた感じで僕の会社にチクリと皮肉を込めてきていても、うちの会社のクライアント担当社員やその上長はその皮肉を皮肉とすら感じていない事もしばしば。
要するに話が通じていないんでしょう。
クライアントの会社が時代の最先端を生きる現代人なら
僕の会社(っていうか警備会社のほとんど)は、やっと二足歩行できたウホウホな人類創世記なんで。
縄文人の方がはるかに近代的です。
だから、クライアントの要望をド無視で、見当違いの業務やパフォーマンスに一生懸命に提供しては冷ややかな笑いを買っていると感じる事が度々あります。
クライアントから高く評価される為にはどうしたらいいか、なんてのを度々役職者ミーティングなんてのをやるんです。
班長以上の役職者で行うディスカッションなんですが
警備員のディスカッションなんて、ディスカッションではないんです。
そもそもうちの隊長にディスカッション力がないんですから(笑)
実態は、隊長の独断と偏見のゴリ押しで、副隊長以下の意見はダメ出しを喰らって終わり、という茶番劇です。
んで、最終的には隊長独りの提案や方針を、隊全体のものとして決定するんだから、本当にとんだ茶番です。
だったら毎回毎回、副隊長以下の意見なんて聞くなよと思うんですが、
一応、下のものの意見にも耳を貸しているというポーズを見せる必要があるんでしょう。
警備隊にもよると思うんですけど、僕の隊の隊長みたいな独裁者タイプの隊長のチームはガチでストレスフルです。
しかも、その可決した案がまた実に時代錯誤で、クライアントの社風に全然マッチしていない(笑)
『我々は、◯◯警備の社員であって、◯◯株式会社(クライアント)の社員ではない!』とのことで、今どきの学校でもやらないような服装チェック、なんてのをやるもんだから、一般隊員からのブーイングも湧き上がるし
その姿勢をクライアントの警備担当にアピールしても適当にあしらわれてるのに気づいてないから、おめでたいもんです。
通勤時は黒か紺のスーツ以外は認めない。ビジネスカジュアルは不可
通勤用のカバンもビジネス向け以外は認めない
通勤用のカバンに定期入れをつける際は華美な色でないこと
カバンにマスコットやキーホルダーを付けて装飾することを禁ずる
頭髪は短髪のみ
頭髪の色は黒髪オンリー。普段は暗く見えても光に当たって茶色く見えたらアウト。太陽光でもしっかり黒く見える黒染めをすること
地毛であっても茶髪は必ず黒に染めてくること(白髪はOK)
女子のストッキングは肌色で光沢の無いもの。冬場は厚手の黒タイツのみ可
靴下は黒で脛まで隠れるもの。ショートタイプの靴下は不可
靴は革靴のみ。ヒールのあるものは5cmまで。安全靴は不可
巡回時でも運動靴や安全靴を履いてはならない
冬季の外套は黒・紺・グレーのみ可
女子のピアスはプライベート時も装着不可
ネイルアートは透明なものや肌色であっても一切禁止
などなどなど…
ちなみにこれ、僕らの会社の就業規則ではないですからね。
会社の就業規則はもう少し緩いです。
通勤用の服装もビジネスカジュアルまでOKですし
仕事用の靴も真っ黒なら運動靴で良いんですよ。
頭髪の色もトーン6番(女性は7番)までなら許可されてますし
通勤用のカバンもそんなにうるさくないです。
あと、女性のネイルも透明はもちろん、ピンクやベージュみたいな、オフィス向けのネイルならOKです。
一般的な企業のドレスコードより少し厳しめかな、程度なんですがね。
ドレスコード以外でも、通用口付近での座哨時間を減らして立哨時間を増やして厳正に警備が行われている事のアピールだとか
配置につく際や交代時の礼式の徹底だとか
キビキビとした動作を心がけ、厳粛たる警備の姿勢を誇示する、とか
隊長ルールは他にもあるんですが…
確かに警備会社なんで、そういう基本動作や礼式を重んじるのは致し方ないんでしょうけど、そういう考え自体がもはや今の時代に合ってないんでしょうけどね。
警備業界全体でも、今の時代に合った新しい警備のスタイルを試行錯誤している動きもあるというのに、僕の会社は変わろうとしていないし、変わろうとしていないどころか時代に逆行しているきらいがありますからね。
しかも僕の所属隊は、それをさらに拗らせた隊長のイミフなマイルールが決められてます。
これって完全にパワハラだと思いますがね。
隊員たちも表向きは隊長ルールに従っていますけど、内心では不満タラタラです。
そういう空気を暗に察してかどうかはわかりませんが、クライアントの警備担当社員たちも副隊長や僕らに
『ちょっとコレやり過ぎなんじゃないの?学校でも今どきこんな煩く言わないよ。おたくらも大変だねぇw』
なんて苦笑いするくらいなんで。
そして
『こんな風に時代遅れな規律を決めてないとまともにチームを纏められないワケ?
でさぁ、これで仕事での成果は上がったとか作業効率が向上したとかの改善点はあったの?例えばね、今までのミスが◯件から◯件までに減少しましたとか、そういう明確な数字にして誰にでも見えるようにして欲しいんだけど。
全員黒髪徹底しました!茶髪にはさせませんとか、オシャレはさせませんとか、座るのやめて立ちっぱなしにしましたとか、そういうよく分からない事はどうでもいいからさ。
別に茶髪でもネイルやピアスをしてても、座ってても良いんだよ、ミスなく的確に仕事をやっててくれたら。
こっちが求めてるの、そういう事じゃないんだけどなぁ』
との事でしたが、ごもっともです。
副隊長以下、ほぼ全員が無言で首を縦に振る。
ですが、副隊長もそう言われても困るんだろうなぁ(笑)
その事を隊長に告げたら告げたで、隊長の癇癪を一人で受けないといけなくなるから。
ワンマン隊長とクライアント、一般隊員たちとの板挟み状態で、常にストレスMAXで、毎日爆弾を抱えている危険な状態の副隊長にそれはあまりにも酷です…
とはいえクライアントの社員たちも、隊長に言ってもあの人はウホウホな人だから話が通じないのが既に分かっているのか、副隊長に話を振るんですよね…
前任の副隊長はストレスのせいか問題行動を起こして退職になりましたし
その前の副隊長はストレスのあまりに配置転換を願い出て他の隊に行きましたし
その前の副隊長も…
副隊長だけでなく、班長も一般隊員も比較的短いスパンで退職や配置転換して行きます。
今は、隊長の機嫌取りが上手い社員や表向きだけでも隊長に合わせられる社員、そもそもなにも考えてない思考停止している社員がほとんどだから、比較的落ち着いてはいますが…
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