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uenomanga
無理無理童話88【毎週ショートショートnote裏お題】
「お客さん、この近くにお住まいですか?」
「いえ、今日は仕事で近くに来ただけですよ。自宅は、ここから一時間くらいでしょうか」
「それじゃ、また機会があったら来てくだせえ」
「はい、是非」
「今日は、おひとりで?」
「ええ、まあ」
「おひとり様なら、ひとつ小話でも聞いてみやしませんか?」
「ははは、夜伽話だったら女性にお願いしたいところですね」
「あっしは、こんな薄汚ねぇ居酒屋の店主ですぜ。無理無理、童話なんて柄にゃあいません。ちびっ子たちが泣き出しちまうような、おっかねぇ話はいかがですかい?」
「そうですね。暑くなってきましたが、まだ五月初めです。怪談の季節ではありませんよ」
「おっと、いけねぇ。まだ、夏も近づく八十八夜って頃でした。それなら、酔っ払いたちが話していった下らねぇ笑い話なんかどうです?」
「実話ですか、少し興味をそそられますね。いったいどんな話ですか?」
「それでは一つ、無理無理童話88と題して、お話し致しやしょう!」
(410字)
たらはかに(田原にか)さまの企画への参加作品です。この記事の改訂版です。
この作品が気になった方は、こちらのマガジンもご覧ください。
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