深夜朗読会54.55.56.
鏡よ鏡、私私の思うままに私の姿を映し出して
外を歩いている人間も、そこら辺に座ってばかりいる人間も
皆皆、鏡を前にしてしまえば違う姿へと形を変える
良いの良いの、それで良いの
それが内側というものですから
季節が過ぎ、ため息をつき
季節を過ごし、旬を食べ尽くし、
季節が過ぎ、歳を重ね、
季節を過ごし、時を重ね、
季節が過ぎ、一息つき、
季節を過ごし、カレンダーの準備をしたら
季節が過ぎ、空を見上げた
季節を過ごし、またその繰り返しを…
赤いりんごはどこから落ちてきた
私の頭上に落ちてきて
多少のズレで当たらずに事なきを得た
このりんごは私を殺そうとしていたのかもしれない
落としたのは一体誰なのか
容疑者は三名
鳥、雲、りんご
鳥はきっと飛べる手立てを持っていないから違う
雲はきっと浮かぶ術を知らないから違う
りんごはきっと落とす手段を持っていないから…
あぁそうか
これはきっと私の頭のせいなのだ
YouTubeに出した朗読動画の中にある詩と絵をまとめたものです。
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