ペリカン

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なんかのアニメにありそうなやつ第3話

 目の前に転がっている異形の死体。これが現実世界で起こっていることなのかと目を疑った。 「どうして私をかばった?」 「いや、気づいたら体が動いてた」 「馬鹿か、お前が死ぬとこだったぞ」 「そんなこと、まぁ無事でよかった」  水切は呆れた顔で見ていた。その後に明らかに蔑んでるような顔をした。  ここで見たことはこれからすぐに忘れるのだろう。何もかも、全て。そう思ったその時、コートを着たおっさんがこちらへ近づいてきた。 「よぉ、少年。元気か。俺は元気じゃない。」  なんか嫌な予感

    • 「なんかのアニメでありそうなやつ第2話」

       陣母は水切の指摘に表情が一瞬曇り、次の瞬間には口角を上げ、振り返った。 「隊長呼びはお嫌いですか?水切隊長」 内ポケットから拳銃を取り出し、水切に向かって発砲する。弾道は水切の頭目掛けて進行を進めていたが、見切られかわされてしまう。 「陣母はどこだ?」 「陣母は僕ですよ〜」 「つまらない冗談なら後にしろ、陣母はどこだ」 「まったく、お堅い人ですね、あなたも。その陣母って人も」 陣母の体の形がみるみる変わっていく。体は大きくなり、体色は黄緑色に。手には鎌のようなものが生えてき

      • 仮面ライダーカルテット(第1話 1ー1)

        チャイムが鳴る。昇降口に駆け込む生徒たちを横目に教師が職員室に入る。そこにはお澄まし顔の高校生が1人。 「奏森、昨日の宿題はちゃんとやってきたんだろうな?」 「はい、先生!見てくださいこれ!全問正解ッスよ!」 「ふーん…お前、答え見ながらやっただろ?」 「そ、そんな訳…ない…じゃないですか!笑」 「うん、じゃ、今日の宿題は?」 「それはまた明日やります!」 思わず溜息をついてしまった。しかし、こいつは悪いやつじゃない。真っ直ぐな目で馬鹿みたいなことを言ってくる。それが面白くて

        • 「なんかのアニメでありそうなやつ」第1話

           目の前に降ってきた謎の黒い物体。それは辺り一面の物音をかき消すように潰れるような音を立て地面についた。  砂煙の先にあったのはワニのような頭に恐竜のような爪、馬のような足、そして縞馬のような色のした化け物であった。来谷は当然フィクションだと疑う。誰かのイタズラだろう、そうであって欲しい。心の中でそう呟いた。  化け物の上に人影が見える。スーツを着た女の子がいかにも重くて狂気的な斧を持っていた。 「殺されるのか…」 最悪の結末が脳裏に浮かぶのと同時にその女の子の佇まいに美しさ

          「なんかのアニメでありそうなやつ」(序章編)

          「それじゃ、いってきます」 不慣れな服装で玄関の扉に手をかける。 「気をつけてね。」 優しい言葉に包まれながら僕は扉を開け、朝日に照らされた。振り返ると心残りができそうだからただ真っ直ぐ前を向いて家を出た。  新幹線に乗って東京へ。ここには僕の志望する会社がある。今日は面接の日だ。歩き出す前に一度深呼吸。 「よし!」 僕は緊張と不安と期待を膨らませながら会社の中へ入っていった。 「山形県立産央大学から来ました、来谷 晃(くるたに ひかる)です。よろしくお願いいたします!」 ふ

          「なんかのアニメでありそうなやつ」(序章編)