そっと寄り添う楽曲たち

私は、GARNET CROWの音楽を
一生愛し続けると思う。

今から約10年前、2013年6月9日の最終ライブをもって
惜しまれつつも解散してしまった彼ら。
私は20年くらいずっと、その楽曲たちに助けられている。




GARNET CROWとは


ボーカル・作曲の中村由利
キーボード・作詞のAZUKI 七
ギターの岡本仁志
キーボード・編曲の古井弘人
の4人からなるクリエイター集団である。
1999年にビーイング所属のクリエイターが集まり、
GARNET CROWとしての活動を開始。
2002年に名探偵コナンの曲として
『夢みたあとで』を発表して以降、
メディア出演やライブ活動を通しその名を広げていく。


きっかけ


小学生の時、毎週水曜日にスイミングスクールに通っていた。
スクールのバスが迎えに来る16時10分まで、
観ていたのはアニメ『メルヘヴン』だった。
16時から始まったので、ほんの10分間だけ。
実を言うと時間はうろ覚えなのだが、
OPと本編をほんの少し観て出発していたのは確か。
その時OP曲に使われてたのが
GARNET CROWの『君を思い描いた夢 集メルHEAVEN』だった。
まず気になったのは声。
歌っているのが男性なのか女性なのかわからない中性的な声で
女性だとしたら少し低めで、なんだか落ち着いた気分になれる声だった。

それまで音楽にハマる、なんて経験をしたことがなかった私は
毎週、何よりOPを聴くためにそのアニメを観るようになった。

初めてのアルバムと少し紹介

メルヘヴンのクレジットで
GARNET CROWという名前を意識した私は思った。
そうだ、CDを聴きたい。

当時はお小遣いも少なく、CDなんて買えなかったので、
レンタルしようとTSUTAYAへ連れて行ってもらった。

なんとなく、1枚選んでみたのは
『SPARKLE 〜筋書き通りのスカイブルー〜』というアルバム。
これがもう大正解で、聞けば聞くほど虜になってしまった。
GARNET CROWの代表曲の1つである、
『夢みたあとで』もこのアルバムに入っていた。
なんとなく聞き覚えがあるなぁと思ったら、
あの有名な名探偵コナンの曲だった。
(コナンはほぼ観ていなくて知らなかった・・・)
それはそうとSPARKLE もとんでもないアルバムで
個人的には数あるアルバムの中で1、2を争う。

まず好きになったのは『wish★』だった。
いや、ちょっと待って。
時代によって好きな曲が移り変わりすぎて、
どの順番だったかは正直あやしい。
思い返せば、大きな衝撃を伴って好きになったわけではない。
聞くほどにそっと歌詞に共感してしまい心に沁み渡り、
ゆっくりゆっくりと、楽曲たちは自分に沈み込んでいく感覚だった。

『wish★』はメロディーがとにかく好きで
小学生心にも踊りだしたくなるような曲だった。
後にライブでは振り付けがあることを知る。
wishは祈るという意味であることをこの時知った。

それからハマったのは
『pray』。
3拍子の独特なメロディーに乗せて、
目を閉じると残暑が残る時期特有のねっとりした
そんな記憶のようなものを思い浮かべられる。
背景の音と、そして静寂が印象的で、心が静かになる。

" 夏祭りの音 蝉の叫び声 一降りの雨 遠くまで太陽は帰り
愛しさ胸に 忍び寄る隙間に 足下すくい 通り過ぎる静寂の cry "
(作詞:AZUKI 七,2001年,GARNET CROWの「pray」から引用)

このアルバムに関しては、このあと長いこと『Holy ground』にハマる。
捉え方によっては絶望の曲にも希望の曲にもなる、とても美しい一曲だ。
GARNET CROWの楽曲の中でも特に『病み曲』というイメージがあり、
個人的には初見の人にはおすすめしない。
ファンの間では『聖地』と呼ばれている。
そしてこれに共感してしまう人は大概が根暗だろうなと思ったりもする(自分含め)。

ただ、そっと寄り添ってくれる優しい温もりを持った曲だと思う。
どんなに落ち込んだ時も、励ましたり前を向かせたりするのではなくて、
一緒に落ちるところまで落ちてくれる。
今はこれでいいんだ、と自分が受け入れられる。
時々、私にはこの曲が何より必要だった時がある。

" 体中を充たした こんな強い気持ちに 出会えたから もう何もいらない
欲しがる術 なくしても今 生き延びるの? "

" 不確かな気持ちを抱えながら 家路を辿りながら昇華してゆく
守るべきもの持たないなら 何を祈ろうか "
(作詞:AZUKI 七,2001年,GARNET CROWの「Holy ground」から引用)


ここ数年のお気に入りは『Timeless Sleep』。
静かに、でも確かに自分の存在を肯定してくれる一曲。
肯定することでまず自分を助け、その後には
他人にも優しさを分け与えられる。
ちょっと何言ってるのか分からなくなってきました、私。

切ないメロディラインでとても好きだが、
いつだったかのライブでのアレンジがとても良くて、
脳内でもそのアレンジで再生されてしまう。

" かろうじて憎しみに変えずいれた 私がんばれたよね? "
(作詞:AZUKI 七,2001年,GARNET CROWの「Timeless Sleep」から引用)

続いて5年BESTアルバムがリリースされ、そのあたりからCDを買い集めていくこととなる。

曲紹介を始めたら本当にキリがないことに気がついたので泣く泣く割愛する。

好きな曲と楽しみ方

一番好きな曲は何かと言われるととても難しい。
自分の置かれる状況によっても移り変わりすぎて、
どれも大事に聴いていると言うほかないかもしれない。
強いてあげるなら、
『夢のひとつ』
『巡り来る春に』
『in little time』
『The first cry』
『lose feeling』
・・・まだまだある。

作詞の七さんは映画や小説などからも歌詞を考えることが多く、
元ネタになったものを併せて楽しむのも沼感があって良い。
特にカズオ・イシグロの『わたしを離さないで』を読んでから
また『JUDY』を聴き直すのがとても良かった。
ちなみに七さんのビジュアルがとても美しくて
憧れてやまない女性だ。

また特に関西圏にはアルバムジャケットなどの撮影地が数多く点在しており、
ファンは聖地巡りを楽しんでいたりする。

解散ライブ

大学生になり都会に出て、ようやくライブへ行けるようになった。
2回ほどライブへ行き、ますますのめり込んでいった矢先のこと。
彼らは解散を発表した。
倍率はとても高かったと思うが、なんとかラストライブの大阪公演
2日間のチケットをとり、あの日を迎えた。

最後まで笑って歌い上げてくれるメンバーの姿が印象的で、
涙で視界を揺らしながら、必死に見届けた。
今も、書きながら涙が溢れてくる。

ラストライブに発表してくれた『バタフライ・ノット』は
もう好きとかという次元を超えて、聴くと一瞬で感覚があの日に戻る。
もう新曲が出ないことを悲しみ、最後の曲だと思いたくなくて
この曲を未だに聴けずにいる人もいるはず。


時間が経つこと

ラストライブが終わってしばらくは、
(しばらくというのは2,3日やそこらではなくて、3ヶ月とかでもなくて、
あの日から10年近く経つここ最近までのこと。)
自分の人生がまるでそこで一旦区切られてしまったかのように、
ただ死ぬまでの間、転がる石のようにやり過ごしていくだけという感覚があった。
何に対してもあまり気力がなく、希望を持っていなかった。
このまま、ずっとそうなのかと思っていた。

でも最近になって、なんだか自分の未来に希望を持つ感覚が戻ってきた気がする。
これからどう生きていきたいか考えるようになったし、
仕事でステップアップしたいと思うようにもなってきた。
月並みな言葉で、時間が解決してくれるとよく聞くが、
残酷なまでにその通りだと感じる。
ずっとそのまま、悲しみに浸っていたかったと思う時もある。

変わらないこともある。
これからも私のそばにはGARNET CROWの楽曲が寄り添って
そっと癒してくれる。
時々歌詞を口遊んでは涙目になったりする。
GARNET CROWの皆さんが、この先もどうか幸せでいてと願う。

GARNET CROWと出会えて、幸せだなと思う。




GARNET CROWとの出会いから音楽を聴くことに夢中になった私は
他にも様々なアーティストを好きになる。
特に世界中で一番好きな最推しの一人の男性についてはまたどこかで。


#ハマった沼を語らせて

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