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10月11日に私が伝えたいこと

本日10月11日は国際カミングアウトデー。
セクシュアルマイノリティが自身の性的指向や性自認をカミングアウトし、人々の認識を高めるために制定された日だ。

カミングアウトと言えば、今年7月にAAAの與真司郎 さんが
ゲイであることをカミングアウトした。
「カミングアウトは必要ない」、「自分の性的指向を晒してなんの意味があるのか」などという声もネットでよく見かけるが、カミングアウトは
LGBTQ+当事者を勇気づける大きな力になると感じている。


セクシュアリティについて


私もそのLGBTQ+の1人。
私のセクシュアリティは複雑で一言で表すことが難しい。
だから、パンセクシャル(全性愛者)かもしれないクエスチョニングであると考えている。

全性愛者とは相手の性的指向や性自認を問わない性的指向のこと。クエスチョニングとは、セクシュアリティ迷子とよく私は表現するが、セクシュアリティが分からない人や決めたくない人のことである。100%パンセクシャルかが分からない状態にあるのでクエスチョニングであると考えている。
(中途半端?でもいいんです)

中学生から今までの私

私がLGBTQ+当事者であると気づいたのは14歳の時。
好きになったのは女の子だった。
当時の自分はこのことは墓場まで持っていかなければならないと思い、
家族や友達に打ち明けることはなかった。友達同士で恋バナになると
毎回好きな人が女の子であることを隠すのに必死だった。好きでもない男の子の名前を適当に言ったり、「みんなが好き」と言ってはぐらかしていた。

高校生では、2年生の保健の授業で壁にぶち当たった。
「思春期になると誰もが『異性』を好きになる。」
この言葉に「あぁ、私は普通でない人間なんだ。世の中からみたら変なんだ」と思い、学校が、これから社会で生きることがしんどくなった。

幸い、その数ヶ月前にLGBTQ +の居場所を見つけた。
高校生や大学生など若者を中心にLGBTQ +当事者が集まる場所だった。
そこで知り合った友達に沢山励まされた。
今まで隠していた思いを共有できる場があること。
私と同じように悩んでいる若者が沢山いることに衝撃を受けた。

保健の授業の後、学校の先生にカミングアウトすることにした。
自分のこのしんどさを誰かに知って欲しかったし、これ以上、辛い思いをするのは私だけで充分であると感じたからだ。
授業も少し変わったようだし、LGBTQ+の本が置かれるようになった。
話したのは私1人だけだったかもしれないが、周りにもセクシュアリティに苦しんでいる人はいる。少しでもその人の力になれたらと思った。
また、同じセクシャルマイノリティの友達がいることが
自分の支えになっていた。

大学生になって、行動範囲が更に広がった。
行きたかった東京レインボープライドにも参加できた。
オーストラリアに留学した際にはオーストラリアでレインボーパレードにも参加した。

大学生になり、中高生ほど恋バナを強いられる環境がなかった
ことやLGBTQ+に関心を持つ友人もいることから今までより窮屈に
感じることなく、生活することができている。


なぜこれを記事にしたか


では、なぜ私がこれを記事にしようと思ったのか。

理由は3つ。1つ目は、異性愛前提の社会にもう疲れたから。
「好きな男子誰?」この何気ない一言が毎回私をしんどくさせた。
なぜ私の好きな人は男の子だけだと思うのかと毎回疑問だった。
また、気軽に恋バナができず、
私と友人との間に溝があるように感じた。
好きな人が女の子であると本当のことを話せばカミングアウトになってしまう。
そして、びっくりされて、引かれていじめられてしまう。
そんな怖さが中高生の時にあった。

2つ目は、
LGBTQ+は身近にいないと思われていることが多いから。
自分がカミングアウトすることで身近にいるかもしれないことを知って欲しかった。

中学生の時、塾の先生がゲイを笑っていた。
「高校の校長先生がゲイなんですよ。嫌ですよね〜」と話した。
そして、ゲラゲラと私以外みんな笑っていた。
私は孤独だった。私も自分のことが知られたらみんなに笑われてしまうのかな。そんな恐怖でいっぱいだった。

高校生の時、LGBTQ+について学校で講演会が行われた。
それを受けた後、隣の席の生徒が「でも周りにはいないよね」と言った。
ここにいるんですけど…!!!!って心で叫んでいた。

大学で、
LGBTQ+のボランティアをやっていることを話したことがある。
そしたらある友達から「LGBTQ+の人と話したことあるの⁈」とまるで芸能人に会ったことあるかを聞くように言われた。

どれもみんな周りにいないと思っているから、馬鹿にしてもいい、いない前提で話される。それが凄く辛かった。違うよ。見えないだけ。言わないだけ。ここにいるよ。存在してるよ。

LGBTQ+に関心があると話すとその理由を聞かれることが多い。
過去の辛い経験から当事者だからということは
簡単に言えなかった。
だから、毎回それっぽい言葉を並べていた。
そして、本当のことを言えない自分や嘘をつき続ける日々に
しんどくなっていった。

3つ目は、同じくLGBTQ+かもしれない人の力に
少しでもなれたらと思ったから。
もしかしたらこの記事を見ている人の中には、このカミングアウトが鬱陶しいと感じるかもしれない。それでもいい。
それでも悩んでいる人の力になりたい。

自分のセクシュアリティに悩んだ当時は14歳。LGBTQ+なんて言葉は浸透していなかった。「思春期の一過性」「すぐ治る」などそんな言葉がトップに出てくる時代だった。
その時の孤独さは忘れられない。
誰かロールモデルが近くにいて欲しかった。
これから私はどうやって
この世界で生きていったらいいの?と毎日絶望していた。

今はLGBTQ+についてニュースで取り上げられ、急速に変わりつつあるが、まだまだ身近にいると思う人は多くないし、
日々誰かの偏見で傷つくことも少なくない。
だからもし今、あなたがセクシュアリティで悩んでいて、
傷ついているなら力になりたい。
1人じゃない、近くにいるよ。


最後に、私が伝えたいこと


ここまで見てくれてありがとう。
最後に私が伝えたいことを話します。

LGBTQ+は身近にいる。
左利きやAB型と同じくらいの割合らしい。
「いない」じゃなくて「見えない」だけ。ただただ知って欲しい。
そして可能なら、知り合いや友達に1人でセクシュアリティに悩んでいる人がいたら、寄り添って欲しい。

セクシュアリティに悩んでいるあなたへ



あなたは誰を好きになってもいいし、自分がどんな性でありたいかは自分で決めていい。恋愛をしなくたっていい。
異性と結婚し、出産して、子育てする人生が全てじゃない。
今は同性でも子育てをする選択をする人はいる。
辛くなったら信頼できる誰かに話してみてください。
友達でも、先生でも、SNSでも、心の電話相談でもなんでも。
もしあなたの近くにLGBTQ+当事者が気軽に集まり、
交流できる場所があれば参加してみるのも良いと思います。
愛知県なら「名古屋あおぞら部」があります。(宣伝(笑))
そのように悩んでいる、
誰かに話したいあなたを「名古屋あおぞら部」
は大歓迎です。

SNSではヘイト発言が目立ち、偏見にまみれた政治家がいて
まだまだ大変な世の中だけど、
疲れたら休んで、負けないで生きてやろう。
一度きりの自分の人生なのだから。

そしてわざわざこうして「カミングアウト」なんてしなくても、
当事者が生きづらさを感じることなく
安心して暮らせる社会になることを心から願っています。


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