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「三体」劉慈欣 読書”前”感想文

読書「前」である。

三体。

2年前くらい?から読んでみたかったのだけど、今やNetflixで全世界向けドラマにまでなっているから、かなり流行には乗り遅れてしまった。

しかも、それどころではない。まだ読んでもいない。

で、何が言いたいか。

この本、良さそうである!

ということだ。
(何をいまさら)




まず、ドラマ化されているとか、中国発で全世界に翻訳されているとか、そういう周辺状況も当然ながら。

タイトルが良い。
(何をいまさら)

とにかく「三体問題」の三体と聞いて、それだけで最高だとずっと思ってきた。(何をいまさら)

冒頭部分の雰囲気も良い。僕にはわからないところがあるが、人々の狂気というものが迫ってくる。(冒頭数ページは読んだのである)

いや、そんな文章はどうでもよい。
なにしろまだ、読んでないのだから。

というわけで、「三体問題」である。
(どういうわけ?)



三体問題というのは、
3つの天体が互いに重力で引き合うとき、どう動くのか?という問題である。

古典力学のニュートンは、リンゴが落ちるのを見て万有引力すなわち重力に気が付いたという。

正直、これだけの説明では全く理解できないが、

リンゴが落ちる。
リンゴを投げたら?
 もちろん、落ちる。
リンゴを遠くに投げたら?
 遠くに落ちる。
もっと遠くに投げたら?
 もっと遠くに落ちる。
砲撃したら?
 もっともっと遠くに落ちる。(か、砕け散る)
未来の大砲でリンゴを撃ったら?
 距離は地球の丸みが影響してくるが、もっと遠くに落ちる。
もっと遠くに投げたら?
 地球を一周するかもしれない。
天体も同じことでは?
 そうかもしれない。天体はあきらかに引き合っている(これは古代から考えられてきた)。
リンゴも同じことでは?
 そうかもしれない。
万物が引き合っているのでは?
 そうかもしれない。

おそらく、こういう類の理屈で万有引力を考えるに至ったと思われる。

小学校の教科書に載っている様なリンゴが落ちるだけで万有引力を発見したというのは、あまりにも乱暴ではないか。
(もちろん、歴史的な事実として安全な範囲ということかもしれないし、もっと説明が書いてあるものもあるのだろう。
いずれにしても、こういう話は歴史的事実として見るべきか、アイディアの説明としてみるべきかというのが混同されている。いずれにしても、突拍子もない(まったく理解できない)説明というのは、数学や物理をやる生徒にとって有害な気がする。言い過ぎか。)

これは、アルキメデスの浮力のエピソードについても言える。
(古代から浮力が”ある”ことぐらい皆が知っている。)

最もここでエキサイティングな思考は、

「天と地がつながっているのだ」

というところではないか。

地上のリンゴの法則が、天体を支配しているのだ。

おっそろしいことでもある。

だから、天文学をやっている人は、大体物理学をやっているのである。
というか、別に星のことなど全くやっていない、というレベルの人も多いだろう。

物理学がいつもビッグバンだとか望遠鏡だとかブラックホールの話をしているのも、そのつながりにある。

思いもよらないところが、つながっているものである。
(つながらなくて、困っている事もあるが。やっぱり重力がやっかいなのか。)

で、話がそれてきたが。



三体問題である。

古典力学の枠組みでは、決定論的に物体の挙動が与えられる。
条件が揃っていれば、時間tで物体がどこにいることになるのかが分かるということだ。(まぁ、数式でちゃんととけるかどうかは置いておく。となると、決定論とは本当のところ何かという話に本当はなるような気がするが・・・置いておく。)

にも、かかわらず

3つのリンゴが宇宙空間でどんなふうに動き回るか?

という問いは簡単ではない。

というか、2つの天体が引き合うときでも多少難しいが。
とはいえ、太陽を地球よりずっと重いとして1つの天体の運動として地球の運動を解くのと大差ない。つまり解ける。

しかし、三体はずっと難しいのである。
というか、解けない。

条件が不足して、求まらないのである。

じゃあ、どうすんの?

ということになるのだが、
解きやすいようにどんどん条件を加えて、特定の状況のみを考える、というのが手である。

その他には、厳密に解ける状態を考えてそこから少しだけ違うとして考えるというのもある。

それから、数値計算で近似的に解くということもできる。もちろん、これにも難しいところがある。
(なので、天文学の人はスパコン屋みたいなこともある。知らんけど。)



というわけで、昔の人から見れば我々はスパコンを持っている様なものであるので、簡単に計算してみよう。

以下は適当にjavascript+canvasでchatGPT3.5さんに書いてもらったシュミレーションである。

おもちゃ程度ではあるけど、この程度は書いてくれる。

3体問題

で、この後どうなるかというと、

こんな風に離れ離れになってしまう。

まぁ、条件によるのだけど、予想外の結末と思われる方も多いのでは。
(スイングバイを知っていれば、予想通りかもしれない)

条件によっては、
8の字を書くパターンでさえあるのだ!

で、これを100種類初期の配置に少しランダムな値を加えてみる。


するとこんな具合である。
(ところで、ChatGPT3.5ではこの程度の修正を加えるのにもプロンプトが難しい。どうにもできないので、結局自分で修正した。今のところプロンプトを書くより早い。まぁ、封印再度のデジカメ=>コピーと早い現像屋さんのどっちが早かったかという話と同じか。今のところ、消費電力的にエコでもある。頑張ろう。)

飛び散る方向が全く変わってしまっている。

いわゆるカオスというやつである。

スタート地点をよく見てほしい。
ほとんど差がないので一本になっている。
(多少太くなっているが)

つまり、予想がつかないってことである。




というわけで、「三体」も予想がつかない。
(読んでないのだから当たり前。)

楽しみに読みたい。





ところで、月というのは結構でかい衛星である。

そうなると、わりかし3体問題は太陽、地球、月でも関係ないとも言えない。(まぁ、さして影響しないかな。計算してみたことはない)

安易な月が2つあるから異世界/地球でないだ、とか、月がずっと大きいから(以下略)とか言う設定は今後減るかもしれないですね。




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