卒業するにじさんじVを惜しんで

特に建設的なものでは無い。直近に卒業する/したJPライバー3名について自分の印象を語るだけ。特別推していた訳では無いのでファンの方から見れば知識不足であろうが許して欲しい。


相羽ういは (2023/12/31 既卒業)

歌って、踊る。とにかくこれ。
にじさんじに限らず、ある程度クオリティのある3dを持つVの中では隔絶したダンスの腕を持っていた。私はにじさんじの3d(歌系)ステージは恐らく大体、ホロ神椿ぶいすぽのお披露目や無料ライブも結構見てきたが、最も躍動感があり静動ハッキリしており見応えがあると思っている。推しでは無いし正直活動の1割ほどしか見ていないと思うが、今年のフェスに出ていたらライバーカメラを買っていたなと思う。
現状界隈で進むアイドル化(個人のコンテンツ化)、明確に異性をターゲットとしたマーケティングと違い、ノスタルジックなアイドル像だなと思っていた。というか現実でもakb以降特典商法を絡めた異性特攻のマーケティング、あるいはkpopのような儚げで同じような顔の多人数で踊る形態(アイドル見ないのでこの辺の偏見は許して)が多い以上、当人の中で相当な拘りと覚悟があったのだろうなと想像できる。ただやはりインターネットで異性への露骨なアピールを避けステージのクオリティだけで勝負するには時期が遅かったのかな…委員長というコンテンツ型配信で初期のファンを確保した当時のにじさんじ向きではあっただろうが、デビューが、そして何より3dを得るのが遅すぎた。2018年中にあのクオリティのダンスが視聴者に届けられていれば…と思わずにはいられない。まあ当時3dになれたとしても技術的に今ほど映えなかったろうが。バズに必要な最低限の視聴者が確保出来たのはfantasia頃だろうしその頃には当人の中で別の道への模索も始まっていたのでは?と思ってしまう。
正直、(そちらのファンには申し訳ないが)ダンス部などよりもこの子に特化して自由に3dを使えるようにした方がクオリティの面でも界隈の多様性の面でも良かったのでは?とすら思っている。まあ今更だが。


勇気ちひろ (2024/1/31 卒業)

総括するなら色んなものと戦った人。特に空気感という目に見えないものと、その毒性を形にしたような酷いコメント欄と戦い続けた人。その中でも他人への信頼を、善性を失いきらなかった強い人。
当時のVではアイちゃんや四天王などが強く、今のなんちゃってキャラ付けと違いしっかりと「キャラクター」を守らねばならぬ雰囲気が強かったと共にアニメキャラ的な(中の人の個人性など一切見えない)立ち振る舞いが求められていた。また女性が男性と絡むのを嫌う風潮は今と比較にならないほど強く、常識とすら言える強度を持っていた。これだけでも大変だっただろうに後に彼女がした選択は更なる大波乱を巻き起こした。

私は10分でわかる月ノ美兎、みとうやでにじさんじに入ったのでかなり昔から知ってはいるが、正直そこまでちゃんと見ていたわけではない。ロリ組などキャラクティックな部分でのコラボで見かけるくらいだっただろうか。fpsを始めてからは自分がfpsを見ない、しないということもあって3dや要所の同期コラボ位でしか見ていない。そして自分が見なくなったと同時に、彼女の過酷な戦いが始まったのだろうなと思うと無闇に感想を述べることすら躊躇われる…が、彼女なら卒業にあたってその戦いを労い、卒業を惜しむくらい許してくれるだろう。

彼女がした大波乱を起こす選択、それがfpsである。あの時代に、fpsで初心者が本気で上を目指すというのはあらゆる意味で空気感に逆行する行いだった。fpsという男性の界隈、ストリーマーがいるが故にコアで現実的(本来の意味ではない)な世界に入ったことで当時のV界隈から反発された。そしてfpsというプロのいる界隈に入ったことでそれを批評し批判し叩く層がどこからともなく湧いた。それを聞きつけたまとめサイトや切り抜きが勇気ちひろについて取り上げ、Vが嫌いで叩く口実が欲しいもの、野次馬まで集まる惨状だった。今の我々が過去を振り返る形で想像するだけでもおぞましいと言えるほどの過酷な状況である。逃げ出しても誰も文句は言わなかったろう。
それでも彼女は辞めなかった。どころか男性でも容易ではないマスターに、ソロマスに上り詰め、最難関シーズンですらマスターに届いた。偉大としか言いようがない。

そして実績も凄まじいが、その心の強さは常人のものではない。あの状況でやめなかったという一点だけでもそうだが、2023年11月のみとらじでちーちゃんが語ったブロックした人間への対応を聞いて本当に驚いた。画面越しに悪意を持って自分を攻撃する人間を一纏めにして切り捨てるのではなく、個人として捉えてそれぞれに向き合い、あまつさえ一度は改心の機会を与える、と言うのだ。
この6年間あれほど不特定多数の悪意に晒されて尚、人を信じられるのかと。自分が推す委員長や剣持は他人への諦観に似た割り切りがある。ネットで活動するにあたり当然の防衛であり、私もそういうスタンスだ。だというのに界隈で最も攻撃されただろう人間からこの言葉が出る。強い人だなと実感した。

6年間本当にお疲れ様でした。


安土桃 (2024/1/31 卒業)

多分3人の中で視聴時間は1番少ない。
そもそもseedsを知ったのが第1回マリカ杯だしそこからもまともに追ったのは出雲霞Projectくらい。なので知識は少ないし間違いもあると思う。気になる所あったらコメントで訂正をお願いしたい。

個人的に声が好きだった。非常に可愛らしいかつ作った感が全くない声優のような声で聞き心地がよく、短い雑談アーカイブをたまに見に行っていた。あと歌声が凄い好き。彼女のチャンネルの歌上から6つくらい全部お気に入り。ASMRは個人的に苦手だから聞かないけど、あのか飾り気なくかわいい声がほんと好き。
(でも私の好きな声の人って雨森といいバネキといい配信少なくて接触少ないからか推しになりいくいんだよなあ…)

企画に動くタイプでは無いし、精力的にアイドル像を作り上げるタイプでもない。今後の道も社会貢献寄りのことを言っていたのでそもそもバズ自体に興味がなかったのかもしれない。卒業理由の一つにやりたいことが今のにじさんじではやれないから、とあったから本当にそれだけを求めてやってきたのかな。人気ライバーのアイドル化に動く今の箱だと運営の全面協力は無理だろうしな。惜しい。
基本的には同期内や18年組とのコラボが多かったイメージ。それでも23年に入って結構精力的に活動していたように思っていたから卒業のお知らせは意外だった。


終わりに

全員かなり昔からいるライバーでありにじさんじを長く支えてくれた人達。特にういはろちーちゃんは界隈全体でみても独特のアイドル像を持つ人、fpsで本気で上を目指した人とかなり特有の価値観を持つ人達でした。本気で惜しいと思います。

長らくお疲れ様でした。3人の次の道に幸多からん事を祈っています。

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