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さくらももこさん

好きになったきっかけは「もものかんずめ」。
確か、帯だかキャッチコピーに「抱腹絶倒」とあり、本当にその通りだった。
面白くて涙を流しながら笑って読んだ本は彼女のエッセイだけだ。
第二弾の「さるのこしかけ」が発売されたときは、とても嬉しかった。
彼女のエッセイはみんな好きだが、私の中でとても感動して、今でも忘れられない名作は妊娠中のエピソードを綴った「そういうふうにできている」だ。
妊娠中の揺れ動く気持ちが、まだ中学生の私にそのまま伝わってきて、一緒に不安になったり、喜んだりしながら読んだ記憶がある。

雑誌『富士山』も、さくらももこさんがぎゅうぎゅうに詰まっていて好きだった。
面白いけどエッセイとは少し違う、作者の好きなこと・興味あることを突き詰めた雑誌だったように思う。
話は逸れるが、ビートたけし編集長と所ジョージ副編集長が作った『FAMOSO』という雑誌も2人が真剣に遊んでいる内容で面白かった。
『富士山』や『FAMOSO』はこんな大人になりたいが詰まっていた。

過日、さくらももこ展へ行った。
入場後すぐに涙でいっぱいになった。
「さくらめろん(息子)」くんが本名で開催の挨拶をしているのだ(挨拶文の展示)。
古参ファンはその成長にグッときてしまうのだ。
展覧会はボリュームたっぷりでとても満足の内容だった。
1番感動したのはさくらももこさんとめろんくん関連の展示。
特にさくらももこさんがめろんくんに作ったスタンプカードはググッと胸にくるものがあった。
とてもすてきなお母さんだったんだろうなぁ、と思うと同時に、もうこの世に居ないんだと思うと複雑な気持ちになった。
とはいえ、さくらももこさんが詰まった展示なので、涙だけでなく、笑いもしっかり含まれていた。
特に序盤のちびまる子ちゃん生原稿は笑いが絶えない内容で、一気に当時の私に引き戻された。

さて、困った。
さくらももこさんの生原稿を見たら、面白い文がじゃんじゃん書けそうな気がしたのだが、気のせいだったようだ。
いや、でも、だって。
生原稿から、めちゃくちゃパワー出ていたし、私のボルテージはびっくりするくらい上がったし
「これで、私もなんかすごくとっても書ける気がする」
と、うすらふんわりした気持ちを強く感じたもの。
あれ、パワースポットだったと思うのだけど。
あれ、気のせいだったのか。
スマホの待ち受けを原稿レプリカ(撮影可能箇所)にして、この気持ちを忘れまい!と思ったけど、気持ちは忘れていないけど、気力とかやる気とか実行力が行方不明。
レプリカだからダメなのかな。
それ、関係ないのかな。
私はずっとそういうふうにできているから、焦っても仕方ない。
とりあえず「なんか書けない」じゃなくて、「とりあえず書いていこう」と、心に誓う。(月末恒例の「誓い」の安売り)


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