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クマ達の諸事情

不冬眠症

 子グマのポーが「おかあさんお腹すいて、眠れないよ〜」
 「ポー、そんな事言ってないで冬眠しなさい!!」と母グマのムーンがなだめるけれど、ムーンも腹ぺこ…。
 母グマのムーンはそのまたお母さんのミールに幼い頃に「冬は寒いから眠るのよ」と教えられていたけれど、この冬は春のように暖かく何よりお腹がすいて眠れない…。
 

小春日和

 春になり冬眠出来ないムーンが子グマのポーと一緒にスーパーマーケットのような山を歩く。
 歩きながらポーに「人間がいたら、注意するんだよ」とムーンが言聞かせる。
 案外と重要な事は、そんなふうに軽く話していたりするけれど、ポーは春の山ではしゃいでる。
 「うわっ、今年の春は山菜取りの人が少ない! 食べ放題だけど山菜少なっ!」とムーンが驚きぐるりと見渡しすっかり木が伐採された山には山菜が少なくて食べ物が足りない…。
 ムーンは腹ぺこ、子グマのポーもはしゃいでお腹がペコペコ…!
 人の住む町へ少し近ずいて、何か食べないとフラフラしていると目の前に美味しそうな野菜がたくさんあった。
 ムーンは人の植えた畑の野菜と知っていたけれど悩んでいる場合じゃない…。
 ポーが「食べてもいい?お母さん」とすると、ムーンも「少しだけ、食べさせてもらおう…」迷いながらもポーに返事した。
 腹ぺこなムーンとポーは食べだすとお腹いっばいになるほど食べ、気がつくと畑の野菜のほとんどを食べてしまっていた。

暑日
 

 畑の野菜を食べるのは無くなったのは、山の山菜や竹の子と木の葉や木の実が春から初夏へ移り変わり大きくなり、ムーンとポーは近く“スーパーの山"に食糧品が揃っていて安心して暮らせていたけれど、真夏になると暑さは毛皮のコートを着ているムーンとポーには厳しい…。
 連日の暑さにポーが「のど乾いたよー」とムーンと川辺りを歩くけど、水が少なくて飲み水が足りない。
 人里近くに行けばスイカ畑があるかもしれないと、ムーンとポーは歩いた。
 大きな体は隠しきれないけれど山里に歩いて行くと、スイカ畑が見えて来て子グマのポーは駆け出したが、突然「ギョッ!!」と止まった。
 ムーンは遠くからそんなポーを見て笑いながら近づき、優しくポーに「カカシだよ!、人の形をした人形だよ、畑を守るお仕事してるんだよ」
 ポーは「お仕事の邪魔をしに来ちゃったね、おかあさん」、優しいポーになみだ目になりムーンは微笑んだ。
 畑のスイカを作る人に悪いなと思いながらも、水分の多いスイカで喉のを潤したが、ポーの目が少し潤んでいた。

赤トンボ 

 スイカ畑での水分補給で猛暑日を生き延びたムーンとポーが空を見上げると、秋空に赤とんぼが飛んでいる。
ムーンが「赤とんぼは捕まえられないよ」とポーに行っているけどお構い無しで赤とんぼを捕まえようと走り廻っている。
 涼しく過ごしやすい秋は食欲の秋だけど山の木が伐られて、またまた食べものがない…。
 山里に行き食べないといけないとムーンが思ってたいたら、ポーが「山里に行けば食べものがあるよ」と言ったの聞いて…、母グマのムーンはとても心が痛くなり潤んだ目で「そうだね」と笑いとばし山里近くに行った。
 ムーンが子グマの頃は山里の畑には多くの人が働いていたけれど、今の山里の畑にはおばあちゃんやおじいちゃん達しかいなくなった。
 山里の家の柿の木には、鈴なりのたくさんの柿があるのに誰も取らない…、取れない。
 ポーは「柿たべないのかな…?、それなら僕が食べさせてもらうよ」とあっと言う間にムーンとポーは食べたけれど、食べ盛りのポーはまだ足りなくて山里から次第に柿を食べに山から離れた遠くの町に…。
 町に暮す人達はポーとムーンを見つけて驚いて追い払おうと、猟銃を持って来て、ポーを守ろうとムーンが走り出して引掻き「逃げろ〜」と…!!
 逃げ切った、ムーンとポーは立ち止まり猟銃を持っていた人を覗くと血を流しケガをしている。
 ムーンが「ポー、危なかった!…」と言うと「ケガしちゃたよ…」とポーが優しい声で話すのを聞きながら…、樹木が伐採されたつくされた、木の実がない山に赤とんぼと一緒に帰っていった。

暖冬

 木の無い山に空から白いのが降りて来て、木が伐採された山は姿を変えムーンとポーは眠る穴が作れない。
 山から山里を見下ろすと、おじいちゃんやおばあちゃんの暮す家の煙突からは、伐採した木で作ったペレットストーブの煙が暖かそうに燃やされいる。
 ポーが「冬は寒いね」と呟く。

 …………………… 終 ……………………   

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 
 
 
 


 

 

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