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過小評価されがちな国々

千葉ロッテに来季から167キロ右腕のT.ゲレーロが加入することが発表されました。彼はNPBおいて以前ソフトバンクに在籍したH.カブレラ以来のコロンビア人です。

◼️コロンビアの例
私は2年ほど前にコロンビアの野球について記事を書きましたが、2017年にはWBCに出場し米国と延長戦にもつれる接戦、野球界においてコロンビアは"準強豪国"と言える国です。https://note.com/gift_ngoepe/n/n452fda9595a9

今もしWBCがありコロンビア代表を組んだら、ウルシェラ(ヤンキース)などメジャーの主力レベルが6~7名に3Aレベルの選手が脇を固めるチームになるかと。これならオランダや韓国と近いレベルではないかと思うのです。
そう思う理由として、似たように3Aレベルの選手が中心だった東京五輪のアメリカ代表は、韓国を2試合とも倒し銀メダルを獲得しています。オランダと比較してもメジャーリーガーの人数など同じくらい。
もちろん個々の実力=チーム力ではないし、東京五輪のアメリカ代表はバランスも非常に取れたチームでしたが、とはいえ一つの目安となるでしょう。

ところが一般的な野球ファンにとって、コロンビアという国に野球のイメージはそこまであるでしょうか?

冒頭のT.ゲレーロのニュースでも「コロンビアの野球選手って珍しい」という意見もあり、野球ファンの間でもオランダや韓国の方が遥かに強いイメージでしょう。もしWBCでコロンビアが韓国を倒したら日本のメディアも「波乱」みたいに報じる気がします、、、

◼️国際大会への出場機会
これは何故か?最も理由として考えているのは国際大会への出場機会です。

オランダや韓国はオリンピックやWBCに何度も出場、日本とも幾度となく対戦しています。オランダなんて特に、WBCで2013年と2017年に対戦して一気に野球ファンに強い国として知られた感じではないでしょうか。

一方でコロンビアとは主要な国際大会で日本と対戦したことがありません。そもそもコロンビアはオリンピックやプレミア12には出場したこともありません。

◼️地域性について
これは何故か?理由として考えられるのは地域性です。

多くの国際大会では基本的に「ヨーロッパから何か国、アジアから何か国」など地域ごと出場枠が決まっています。特定の地域からばかり出場していたらそれは世界大会とは言えなくなってしまうので当然です。
そしてオランダはご存知の方も多いですがヨーロッパにおいて最強国。なのでヨーロッパに1つでも枠が与えられていれば、オランダは国際大会に出場できる可能性が高くなります。
アジア韓国も同様。アジアの野球界は日本と韓国と台湾の3か国が圧倒的に強く、他のアジアの国とは大きな差があります。もしアジアの枠が3つ以上あったら韓国は確実に出てきます。

一方でコロンビアはアメリカ大陸に属します。

※野球ではサッカー等と異なり北中米と南米を区別せず「アメリカ大陸」として同じ管轄です。

アメリカ大陸にはドミニカ共和国、ベネズエラ、キューバなど世界で最も強豪国が多く、仮に国際大会でアメリカ大陸に枠が7つほど割り当ててられていても、コロンビアは出れるか微妙なラインです。そして国際大会に出れる機会が少なければ世界ランキングも上がりづらく、プレミア12にも出れません。
WBCでも第2回までは地域性を考慮してか出場国に選ばれず、第3回もアメリカ大陸の国を集めた厳しい予選ラウンドに割り当てられ出場できず、第4回でやっと初出場。

まとめると、レベル的に同じくらいでも強豪国が少ない地域でトップの地位にいれば国際大会に出やすく、逆に同じ地域に強い国が多ければ国際大会には出づらい。

◼️過小評価されがちな国
こういう意味で言うと、他にもアメリカ大陸の国々は過小評価されてたりするのでは?と思うのです。

例えばパナマ。もちろんヤンキースの守護神だったM.リベラなどである程度は野球のイメージもあるかと思いますが、じゃあパナマが強豪国というイメージがあるかというと微妙なところではないでしょうか。
ですがマイナーリーグを見ると2A~3Aにパナマ人は多くいます。彼らが揃えば侍ジャパンも苦しめた東京五輪のドミニカ共和国代表くらいのレベルはあるのでは?と思えます。少なくとも侍ジャパンがWBCやプレミア12で対戦しても、余裕で勝てるような国では絶対にありません。

もう一つ挙げたいのはアルゼンチン。野球のイメージは非常に薄いでしょう。確かに強豪国とは言えませんが、、、
とはいえ整備された国内リーグもあり、南米選手権という大会ではブラジルを倒すこともあります。ブラジルは巨人のビエイラなどを排出し侍ジャパンを苦しめたこともある国。アルゼンチンだってWBCに毎回出場している中国よりは確実に強いのでは?と思うのです。

◼️最後に
スポーツにおいて一般的にイメージされる強さと実際の強さって、意外と違ったりするものではないでしょうか。これは他のスポーツや高校野球などでも同様でしょう。そう思うとちょっと面白いかもしれません。

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