WBC予選A組 展望&出場国紹介

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方式:ダブルエリミネーション方式で6チーム2チームが本大会に進出。前回大会予選の成績からニカラグアと南アフリカがシード。

グループの展望:ブラジル、ニカラグア、ドイツを南アフリカとフランスが追う形。パキスタンは1勝を狙う。以下各国の紹介。

●ブラジル

概要:日系移民が長年にわたり野球を広めてきたブラジル。その縁か、これまで多くのブラジル人選手が日本の高校野球、社会人野球、プロ野球でプレーしてきた。2013WBCでは当時ヤクルトの松元ユウイチを中心にパナマやコロンビアなど強敵を破り本大会進出。本大会では初戦で侍ジャパンを苦しめた。近年は日系以外の選手も増え、また日本ではなくMLBに挑戦する選手も増えている。そのため代表チームは日本と南米が融合した野球スタイル。

戦力:侍ジャパンとWBCで対戦した2013年に比べると、世界で活躍する選手も増え格段と強化している。だが、シーズン開幕前ということもありゴームズ(ナショナルズ)、ビシェット(ブルージェイズ)、ビエイラ(巨人)、フェルナンド(楽天)はメンバー入りせず。WBCでは日本やイスラエルを苦しめる一方で中国やイギリスに敗れるなど不安定な一面もある。投手ではMLBの40人枠にも入っているタカハシ(Dバックス2A)やメジャー経験豊富なリエンゾ(モンクローバ/メキシコ)が、野手では2015にロイヤルズでワールドシリーズ制覇に貢献したオルランド(オブレゴン/メキシコ)が中心。

日本球界在籍/経験者:ナテル(ヤマハ)、オスカル(かずさマジック、元広島)、フェルナンデス(元ヤクルト、栃木)、ヴィットル(日本生命)、ルーカス(栃木)、ファニョニ(元NTT東日本)、サロモン(元高知)

●ニカラグア

概要:中米に位置するニカラグアは近年、首都のマナグアにあるデニスマルティネス球場で国際大会を開催したり、キューバや台湾を呼んで親善試合を行っている。野球人気は非常に高く、国際試合はいつも超満員となるほど。初のWBC本大会出場を果たせば国中が熱狂になることは間違いなし。ニカラグア出身の主なメジャーリーガーはロアイシガ(ヤンキース)、ソフトバンクでもプレーしたパディーヤなど。

戦力分析:今予選では招集が上手くいかず、上記のロアイシガに加えJCラミレス(エンゼルス3A)やEラミレス(メッツ3A)など、実績豊富な先発投手の招集に失敗。その分、打線の奮起が期待される。打線の中心はメジャー経験豊富なカスベルト(ホワイトソックス3A)や今年のU23米大陸選手権で大活躍したロペス(アスレチックス1A)など。

日本球界在籍/経験者:バスケス(元石川)

●ドイツ

概要:昨シーズンMLBで36本塁打を放ったケプラー(ツインズ)を筆頭に好選手をアメリカに排出してきたドイツ。一方で代表チームは大味なプレースタイルのせいか、近年は欧州内でもスペインやチェコの後塵を拝している。ドイツ代表選手の多くがプレーしている野球ブンデスリーガは欧州屈指のレベルの高さで、オランダやオーストラリアの代表選手の、東欧諸国の選手などもプレーしている。

戦力分析:MLBでアメリカ国歌斉唱中にトランプ政権に抗議したことで知られる捕手のマクスウェル(モンクローバ/メキシコ)、ドイツ人初のメジャーリーガーとなったドナルドルッツ(ブリスベン/ABL)が打線の中心。投手ではソルバック(ドジャース2A)、ボンシャーマン(ヨーク/米独立)が中心となる。予選出場国の中では戦力的に充実しているので、概要欄にも書いた通り大味なプレースタイルをどうするかが鍵となる。上記のケプラーの招集可否は未定。

日本球界在籍/経験者:なし

●南アフリカ

概要:アフリカの絶対王者。WBCは第一回、第二回は本大会出場し前回大会は本大会まであと1勝まで迫るも、オーストラリアに敗れた。ラグビー同様に白人の選手が多い。ちなみにアフリカ内で南アフリカの次に強いのは日本人の支援のあるウガンダ、ジンバブエ、ブルキナファソ。

戦力分析:2017年にアフリカ出身として初のメジャーリーガーとなったンゴエペ(シドニー/ABL)を中心に堅い内野守備が強み。一方で投手層が薄いため、今予選では絶対的エースのアンスワース(プエブラ/メキシコ)とリリーフエースのラブグローブ(ドジャース2A)の起用法が非常に鍵となる。スコット(広島)を招集できなかったのは痛手。マイナーリーグ等、海外でプレーしている選手も少しいるが、大半は国内リーグでプレーしている。

日本球界在籍/経験者:なし

●フランス

概要:欧州では7-8番手のフランス。かつては吉田義男が監督を務め、その影響で今でも日本の社会人チームと試合を行うなど日本と関わりが深い。前回大会はフランス系カナダ人のエリックガニエが監督を務め、今大会は前ジャイアンツ監督の名将ボウチーが監督に就任。フランス国営テレビは今予選のフランス代表の試合を放送予定など、徐々に野球熱は高まっている。

戦力分析:国内リーグやマイナーリーグの他、近隣のオランダやイタリアでプレーしている選手もいる。打撃力はあるも投手力に難があり、長年フランス代表のエースを務めてきたオーザニッチ(ルーアン/フランス)に今予選もかかる期待が大きい。打線の中心は長年日本でプレーしているアンヴィ(東京バンバータ)、ドミニカ共和国出身で元メジャーリーガーのハンソン(マリナーズ3A)など。また正捕手のパズ(ボローニャ/イタリア)はキューバ出身でマイナーリーグや米独立リーグでの経験も豊富で攻守の中心。

日本球界在籍/経験者:アンヴィ(東京バンバータ、元高知、群馬)、ブラウン(元群馬)

●パキスタン

概要:第三回大会の予選でWBC初出場。イスラム圏で唯一のWBC参加国である。大半の選手が軍や警察に所属しており、またクリケットからの転向者が多い。代表の活動は盛んで他の南アジアや中東の国を招き積極的に国際大会を開いており、スリランカとはライバル関係にある。投打ともにパワーや身体能力に優れるが、技術面が難点。

戦力分析:前回大会はブラジル、イギリスにコールド負けで敗退。今大会では悲願の1勝を目指す。アジア枠として予選出場国に選ばれている側面もあるが、近年タイやスリランカも強化しており、今大会もコールド負けが続く様だと次回以降の出場国から外れてしまうかもしれない。

日本球界在籍/経験者:なし

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