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小屋をつくったことで起こったこと その3

「その2」はこちらから。

前回の小屋バーについての投稿では、書ききれなかった部分がありました。今回も、小屋バーの話しに少しだけ戻りつつ、そこからさらに派生した出来事について書こうと思います。小屋バー・スピンオフ。

小屋バーとコンテンツ

小屋バーとして少しだけ「コンテンツ」が派生し展開したこともありました。


清澄白河ご近所の花屋LUFFさんとBar Nicoさん(現在は美味なカレー屋でもあります、オススメです)が以前に行っていたイベントを小屋バーとともにやってみたいと言ってくれたことから勢いで開催した「ミドリの相談会」。



小屋が緑や花で埋もれるような素晴らしい環境のもと、楽しいバータイムが展開され、ここまで変化させることができるのか、という一つの面白い実験となりました。

また、こんなこともありました。

私たちが2020年4月に私たちgift_が出版したダブルローカル - 複数の視点・なりわい・場をもつこと -という書籍に掲載するための対話を、「小屋バー特別編」として開催しました(この本のことなどについてはまた綴りたいと思っています)。

出版を前提とした公開形式の対話を何人かのゲストと交わし、記録していくにあたり、小屋バーのざっくばらんな雰囲気を活かしつつリラックスして対話ができればということで、小屋バー特別編として開催しました。

すでに小屋の中にいなかったりしますが…ゲストと聴衆という区分けを外したかったのでこのようにしました(小屋の中のあかりは灯しつつ)。

この経緯や内容についてはぜひ書籍「ダブルローカル」を手に取って読んでいただけたら嬉しいです。

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小屋バーから生まれた小屋ローグ

ここまでは少し特別なバージョンでしたが、普段の小屋バーは特に決め事もなく(あるのは営業時間とメニューくらいで)ただ、さまざまな人が出入りし、ゆるく行き交っていく、そんな雰囲気となっていました。

稀に、たわいもない会話のなかからとても「話が深まる」時があるのですが、そこに別の誰かが訪れれば話題も別のことに移っていく、というのが自然な流れでした。

深まる話」はもっと掘り下げてみたい話題であることもあり、仮にそのことだけで話を続けてみたらどうなるのだろうと考え、小屋バー開始から1年後の2017年の2月から月イチではじめることにしたのが「小屋ローグ」です。



小屋での対話。ひらかれたダイアローグ。KOYALOGUE
小屋バーの最初の1時間を目安に対話の時間と設定し、ホスト役である私が事前に「テーマ」を決め、冒頭15分でなぜそのテーマにしたのかについて話を始めます。

そうしているうちになんとなく対話が始まって、いつのまにか話は深まっていく特に結論をまとめることはぜず、そのまま話は続き、小屋バーへ。そんな感じです。哲学カフェがイメージの源泉でした。

ちょっとした記録と進行のサポートとして、ご縁あって間借り本屋として活動されているtsugubooksさんにも参画していただきました。

「テーマ」がどのようなものかは、こちらに記載しています。
例えば、「しごとと地域コミュニティの関係性について」、「第三の居場所」の条件について」、「ひとりになる為の都市のスキマを探す」……などなど。全11回開催しました。

テーマに興味はあるものの「居るだけ、聴いているだけでも良いですか?」という人もいますが、たいていはそのうち自然と話を始めています。


なかには家に戻ってもその話題について考える方もいたとか。

毎回参加してくださる方もたりと、とても盛り上がり、興味深い試みとなりました。

小屋ローグから生まれた小屋ブンコ

小屋ローグのテーマは、本の引用から紡ぎ出したこともよくありました。

そこから派生して始まったのが、「小屋ブンコ」です。小屋ローグで参照した本やその周辺など、何かを問いかけるような本をベースに、先のtsugubooksさんとともに選書し小屋の中に置くことにました。

普段のカフェでは小屋を席として利用することも始めていたので、小さなライブラリーとして利用してもらおうと考えたのです。

まず最初は、ライブラリーとして店内で読んでいただく形から始め、さらに1年後には購入し持ち帰っていただける形にしていきました。

2015年に店舗をオープンして1年後の2016年から小屋バーを始め、1年ごとに2017年に小屋ローグ、2018年に小屋ブンコ(ライブラリー)、2019年に小屋ブンコ(販売)と、新しい試みを発展させていったわけです。

そして2020年4月。新型コロナウィルスが拡大する中、1回目の緊急事態宣言が発出される前に私たちのカフェもイートインを控えることにし、テイクアウトに切替えました(当然、小屋も使用を控えることに)。

実は小屋ブンコが一番動いたのは、この頃だったと思います。

テイクアウトのランチはオーダーを受けてからの温めや盛付けを基本としていたので、店頭で少しお待ちいただいていました。

本棚は小屋から出して客席への仕切りを兼ねてカウンターの横に移動していたので、手に取ってそのまま購入される方が多くいました。
家での時間を過ごすお供として利用する方が増えたのでしょう。リピートされる方もいました。

しごと小屋 Koya@WORK

2020年5月。東京の緊急事態宣言が解除される直前に、小屋のみ使用を復活させる新たな試みを始めました。その名も「しごと小屋 Koya@WORK」。

GARAGEカフェの小屋をご存知でしょうか?
この場所をソーシャルディスタンシングを配慮した
小さな事務室として使っていただこうと考えました。
テレワークやビデオMTGなどに。
または純粋にひとりで和むカフェとしても。 (完全予約制)
チャージ:1時間/¥500

カフェのオーダーをひとつ
*テイクアウト容器でのご提供となります。
1名様のみでのご利用(家族または同居人に関しては2名での利用可)
電源、wifi利用可能
1時間単位でご予約をお受けします。

このしごと小屋について、とても分かりやすく書いてくれた連投がありますので、最後にご紹介させてください。

この小屋は、すでにものとしての小屋ではなく、いつもと違う視点やインスピレーション、コミュニケーションやご縁を生むための装置なのだな、ということを再確認しました。

今は新しい拠点に小屋とともに移り、そこで考え、始めたことがあります。そのことについても、また書きます。

今回もお読みいただき、ありがとうございました。
たぶん(その4)につづく。

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