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ビル群の中の

ものすごい快晴の日。
ごく稀にしか乗らないバスに乗っていた。
停職中なのでバスに乗ることが無い。
福岡はバスの量が凄い。バスで渋滞する。
なるべく地下鉄、列車を使うのが勝手知ってる人らは普通だが、今回の目的地へはバスが1番手っ取り早いのである。
そんな停職中の僕だがその合間に転職活動したり、人伝で仕事をもらったりしている。
仕事が真っ当に嫌いな自分にとっては釈然としないが、これはお金のため、自分を心配して仕事をくれた人の為だ。
とりあえず。あまり良い気分ではないまま、その澄み切った、青々とした空をただただなんとなくぼんやりと眺めていた。
福岡の中心地だというのにバス車中は僕ともう一人しか乗客はいない。多分行き先が悪いんだと思う。
街中の行き交う人も少ない。連休開けだからか、平日の朝だからか。
しかしビルが多い。マンション、ビル、マンション。それはそうか。都会だもの。
ビル内で働いている人達はだいぶ嫌々ながら仕事しているんだろうなぁ、なんて自分が仕事が嫌いなだけで他人にその感情を抱くのはどうかと思うな、とか一人ぼんやり会話劇をしていると小綺麗で都会的なビルの上層階に外から丸見えなほど積み上げられた資料や紙が乱雑されている所を発見してしまう。
そこだけ異様に目立つ。
中で働いている人が見えない程。
いや、これはわざと見えないようにしているのか。
どうなんだろう。
社外秘!シークレット!!
そんなに守りたいのか。パッと見8〜9階当たりだ。そうそう見られる高さではない。
SATやSITやら特殊な軍隊や、スパイダーマン、忍者…ああ言い出したらきりがない。
1番わかりやすいのは、ガラス清掃業者だろう。
待て。待て待て待て。
外から覗くのなら、車内清掃業者のほうがチャンスがたくさんあるんじゃないか?あそこまで外からの視線を防いでいるような……
何を言っているんだ。とにかく、気になる。そこまで空想してしまうほど。
ただ、面倒くさがり屋であそこまでにはならないだろうし。

そうこうしているうちに信号は変わり、都市高速へ。
目的地まであと5分。
面倒だなぁ。

#コラム #エッセイ #需要がない

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