髭。
いつからだろうか。僕ば髭を貯え出したのは。
接客業といっても、だいぶ幅が広い。僕が一番長く勤めていたのはもみあげの長さ、前髪が眉上、とかそれはもう制約が多い会社だった。
その後、営業をしたがなかなかうまく行かず。
その後間髪なく外資系アパレルに勤めるのでそこからであろうか。
自分で髪の毛を切り、アシンメトリーっぽくして赤茶色に染め、顎と山羊髭を生やしだした。
その会社は服装や宗教上の格好などのマイノリティを受け入れる会社だったので、どんな風貌でもきちんと仕事をしていればなんの問題もなかったのだ。
とはいえ、そんな立派なお髭ではない。
貯える、と言えるほどでない。
特に今では、顎髭のみだけど人前に出る仕事をずっとしていたのでなるべくは万人に"不潔"だと思われないようには気をつけて整えている。
口髭をプラスしてしまうともうアウトである。
どう見てもフリーターの様な。無職の様な。住所不定無職だ。
だからこそ、である。
その外資系の会社を辞めた後。とりあえず髪色を戻し、髭を剃り整え日本企業になるべく当てはまるように勤めていた。
そのお陰なのか、誰にもそこまで突っ込まれることはなくなっていた。
それよりも、「あの人はそういう人だ」という位置付けの様なものがあったと思う。
僕としても今整えている髭を全て剃る、事になると
「おいおいなんだよ髭ぐらいでよぉ。てめぇのとこの会社様のヨレヨレスーツの髪型くねくね野郎よりよっぽどマシじゃねぇか、ああ?」
と、他の人の悪いところを引き合いに出しイライラして、社会的にどうなのかとか馬鹿なことを考えてしまうに違いない。
少し前だけど、某鉄道会社で髭が生えているから仕事出来ないだの、髭が生えてるから言うこともきちんと出来ないだの言われた訴訟を起こした事件をニュースで見た。
お堅い職業かもしれないがやはり見た目で判断される世の中がいまだに抜けきれていないのが現状である。新しい年号になったんだからそこらへんも緩和して欲しいけども、それができればそんな訴訟まで起こすなんて事はないだろう。
クールビズでノーネクタイはまだわかる。
軽めな印象のアロハシャツを着て仕事している公務員がいる。
個人的にそっちの方がどうなのか、と思ってしまう。
スーツとは紳士の嗜み、と勝手に解釈している。
スーツ、セットアップ1つにしたって様式、着こなし、TPO毎にスタイリングも変わる。
それを蔑ろというか、一旦置いといて、南国、まして海外でないのにアロハて!印象軽いわ。
これは世間が言う"髭"の印象とはまた違うかもしれないけど僕にとっては同じ様なことだと解釈している。違うとは思うけど…
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