見出し画像

小説:ペンペン草と摩天楼

 実行力をつけた、元少年はガントチャートとにらめっこしてプリン体にかじりつく。
 典型的なポジショントークに身を委ねて、アルコール度数2000%に葛藤するのだ。緊急地震速報の響きにダンスして、魑魅魍魎が跋扈する。ウガンダの記憶。道しるべの旋律。広開土王の涙。それから数枚の銀貨。そうしてペンペン草をアビリティモードにしてブレッドを頂く。クツワムシと並走しながら。
 誕生日砂漠でハイヒールを履く。余程の覚悟があるために、後年にはバッケンレコードを差し挟むことになる。
 ムービーモードの記念撮影はおがくずを催し、金属音が摩天楼に降り注ぐ。寿司ネタの下のモチーフは雪解けの発泡酒に押し流され、19階からのユニットバス落下行為に手を染める。
 たまらず水を飲む。たまらず水を飲む。整わないことをよしとする超高温-超低温ハイブリット行為が流行する社会。いつか我慢したバルブを、いつからか押し込めていた水流を解放するかのように。
 アメーバ状の夜に見つけた一縷のコマーシャリズム。

 そう書き綴って彼は川のほとりを後にした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?