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【BAL】オリオールズ戦力分析 for 2024 ~野手編~

※ヘッダー画像は Orioles Player Development(@OsPlayerDev)のヘッダー画像より。
※全ての商用的あるいは著作権侵害の意図を放棄して投稿します。


天に軌道のあるごとく、人それぞれに運命と言うものを生まれ合わせております。(中略)当たるも八卦当たらぬも八卦、人の運命などというものは誰にもわからない。そこに人生の悩みがあります。
(『続•男はつらいよ』より引用)

先のことは誰にも分からない、しかし想像する時間そのものは楽しい。そういうものですよね。

こんにちは、ジャンさんです。
戦力分析のお時間です。BAL担当の3人で先発投手/リリーフ投手/野手と分割して今シーズンの戦力分析をしていきます。

本noteでは野手陣を取り上げていきます。
先発投手/リリーフについてはリンク先を参照。


◾️2023→2024 主な選手変遷

★退団およびマイナー降格
アダム•フレイジャー (2B/LF)    → FA移籍, KC
アーロン•ヒックス (OF)       → FA移籍, LAA
アンソニー•ベンブーム (C)        → OutrightおよびマイナーFA移籍, DET
テリン•バブラ (INF/OF)              → Outright
ノマー・マザーラ (OF)               → 23年開幕前リリース, WSH
ジョーイ•オルティズ  (INF)       → トレード放出, MIL

★加入およびMLB昇格
ニック•メイトン (INF/OF)     → DETより金銭トレードで獲得 
タイラー•ネビン (INF/OF)     → DETより金銭トレードで獲得 
ペイトン•バーディック (OF)    → CWSよりウェーバークレームで獲得 
コルテン•ウォン (INF)      → マイナー契約
マイケル•ペレス  (C)      → マイナー契約

<一言コメント>
えっ。主要メンツがほぼ変わってない…?
<講評>

選手の流出について、コービン•バーンズ獲得に伴うオルティズの放出が最も大きな戦力流出といえるでしょう。加えて、フレイジャーやヒックスのような再建の過渡期を担ってくれたベテランも単年契約を全うしての移籍となりました。
チームの現構成状況ゆえ、大幅戦力ダウンとなるような野手の流出はなかったオフシーズンでしたね。

そして、FA野手の新規MLB契約は0人という破天荒っぷり。
ほぼ現有戦力で打線の火力を上げることに自信があるということでしょうね。

◾️デプスチャート予想

・筆者の予想メンツ(テキスト)とFanGraphsの2024Projections(画像)を載せています。
成績,指標はFanGraphsBaseball Savant, Baseball Referenceより2023年のものを引用
・太字:現40人枠(2024/03/18時点で18人)
・★:MLB公式プロスペクトランキングTop100
*:マイナーオプション切れ

▼捕手(C)

  • Adley Rutschmanアドリー•ラッチマン
    154G / OBP.374 / SLG.435 / wRC+127 / fWAR5.4

  • James McCannジェームズ•マッキャン
    70G / OBP.269 / SLG.377 / wRC+77 / fWAR0.5

引用元:https://www.fangraphs.com/depthcharts.aspx?position=C

<一言コメント>
絶対的正捕手と絶対的第二捕手。
<講評>

マイナー待機の第三捕手がベンブームからペレスに替わっただけで、成績や役割にも文句なしなので特に書くことないかなあ…。サブ要員含めてチーム内で最も安定しているポジションだと言えるが故ですね。
強いていうなら今年はラッチマンのDH起用減、捕手起用増、出場試合数減になると思います。というかそうしないと負担重すぎるし、それが出来ないようなら打線の編成をミスしてるのと同義だし。
昨年加入の第二捕手マッキャンはベテランらしさを発揮し、チームを下支えしてくれました。昨シーズンはILスタートだったので、同じことが起きないようお願いしたいですね。

▼一塁手(1B)

  • Ryan Mountcastleライアン•マウントキャッスル 
    115G / OBP.328 / SLG.452 / wRC+114 / OAA-1 / fWAR1.7

  • Ryan O'Hearnライアン•オハーン (RF/LF)
    112G / OBP.322 / SLG.480 / wRC+118 / OAA3 / fWAR1.4

引用元:https://www.fangraphs.com/depthcharts.aspx?position=1B

<一言コメント>
帯に短し襷に長し。されど不安は少なし。
<講評>
特段の理由がなければほぼこの二人のポジションになると思いまが、マウントキャッスルの打撃は1B専任にしては正直物足りず、オハーンは対RHPに不安を残しています。他ポジ選手の成績次第ですが、この状態が続けば左右のRyan体制は他の若手に取って代わられて、消滅する可能性が高いでしょう。願わくばそうならないようしていただきたいものです。 (まあ二人ともオプション残ってるんで、マイナー調整させてもいいんですけどね。)

しかしながらデプスとしてサンタンデールやウリアス、若いメイヨやカースタッドも1Bはできますので、内野の中でも人員的な不安要素は少ないポジションだと思います。 

▼ニ塁手(2B)

  • Jordan Westburgジョーダン•ウエストバーグ (3B/SS)
    68G / OBP.311 / SLG.404 / wRC+97 / OAA1 / fWAR1.1
    67G / OBP.372 / SLG.567 / wRC+131 (AAA)

  • Jackson Hollidayジャクソン•ホリデイ(SS)
    14G / OBP.552 / SLG.660 / wRC+226 (A)
    57G / OBP.452 / SLG.488 / wRC+162 (A+)
    36G / OBP.421 / SLG.507 / wRC+154 (AA)
    18G / OBP.396 / SLG.400 / wRC+109 (AAA)

引用元:https://www.fangraphs.com/depthcharts.aspx?position=2B

<一言コメント>
輝きを放つNo.1プロスペクト&期待大のUT。我慢と辛抱の時間が要不可欠。
<講評>

激ヤバ薄すぎポジション。候補が昨年68試合出場の2年目と昇格前プロスペクトってどういうことなんだよ。
とはいっても持つべきモノはプロスペクト。昨年序盤のフレイジャー•ウリアスの体制より格段に期待が持てるポジションになっているのではないでしょうか。多少つまづいても、辛抱強く起用してほしいものです。

ウエストバーグは昨年6月に昇格以降、一度も降格することなくPSのスタメンに名を連ねました。複数ポジションの守備経験がある柔軟性の高い選手なので、後述のヘンダーソンの負担も軽減しつつの起用になりそうです。今年は出場機会が昨年より増えると思いますので、筆者も大いに期待を寄せる選手の一人です。

ホリデイについては開幕マイナースタートが確定しています。よりハイクオリティなLHPとの対戦機会や2B守備など、STで見つかった解決すべき課題への対処が優先となる1年になるでしょう。おそらくAAAスタートで、昇格するとしたら早くて6月になるかもしれませんので、それまでは気長に待ちましょう。
余談:今STでNRIだったコルテン•ウォン(オプトアウト済み)に2B守備を教えてもらっていたようです。父親のマット•ホリデイとSTL時代共にプレーしたGG賞受賞者からの教えを受けた彼がこの先どうなるか、楽しみです。

▼三塁手(3B)

  • Ramón Uríasラモン•ウリアス* (INF)
    116G / OBP.328 / SLG.375 / wRC+99 / OAA-9 / fWAR0.8

  • Coby Mayoコビー•メイヨ (1B)
    78G / OBP.424 / SLG.603 / wRC+178 (AA)
    62G / OBP.393 / SLG.512 / wRC+127 (AAA)

引用元:https://www.fangraphs.com/depthcharts.aspx?position=3B

<一言コメント>
理想:メイヨ昇格
現実:ウリアス固定
、時々ネビン
<講評>
鬼やば極薄ポジション。一番打てる3B候補が昇格前プロスペクトって以下略。この選手層の薄さを見ると、なんかもう本格的に再建してたんだなって改めて思い知らされる。
おそらくウリアスや後述のネビンが起用される見込みですが、STの好調をシーズンレベルで維持できることを信用できるキャリアStatsではないので、早晩メイヨが昇格してくるのではないかと思います。
しかしながら、昨年のようなベンチ要員同士の起用という希望も上振れの可能性も薄すぎる展開にはなってほしくないので、彼らもラストチャンスだと思って奮起してもらいたいものですね。

メイヨについて、高い打撃力とは裏腹に3B守備が懸念材料でしたが、昨年までの低評価とはうってかわって今春は高い評価をチーム内で受けています。ホリデイ同様開幕ロスター入りはなりませんでしたが、昇格し頭角を顕してほしいという想いを込めてここに記します。

▼遊撃手(SS)

  • Gunnar Hendersonガナー•ヘンダーソン (3B)
    150G / OBP.325 / SLG.489 / wRC+123 / OAA0 / fWAR4.6

引用元:https://www.fangraphs.com/depthcharts.aspx?position=SS

<一言コメント>
ROYの後ろに控えるはNo.1プロスペクト。稼働面は要注意。
<講評>

昨年は3B/SSの起用に応え、見事ALROYとSS賞(UT)を受賞したヘンダーソン。今年はSS固定起用が明言されています。SSに固定されることで負担は大きくなりそうですが、複数ポジションを行ったり来たりする負担は消えるのでトントンかなとも。
ST序盤は脇腹の張りで一時戦列を離れていたこともあり稼働面に若干の不安がありますが、デプスにはウエストバーグやホリデイ、マテオが控えているので人員面についてはあまり心配しなくてもいいのかなとは思います。
とはいえヘンダーソンは2年目にしてチームのtier1プレイヤーとなっているので、体調や稼働面はしっかり管理して起用してほしいものです。
頑張れガナヘン。

▼左翼手(LF)

  • Austin Haysオースティン•ヘイズ(CF)
    144G / OBP.325 / SLG.444 / wRC+112 / OAA0 / fWAR2.2

  • Kyle Stowersカイル•ストワーズ(RF/CF)
    14G / OBP.152 / SLG.067 / wRC+-36 / OAA0 / fWAR-0.4
    66G / OBP.364 / SLG.511 / wRC+116 (AAA)

引用元:https://www.fangraphs.com/depthcharts.aspx?position=LF

<一言コメント>
安定感のあるレギュラーか、それとも若手の成長か。
<講評>
LFということで過小評価されているように思えるヘイズさん。飛び抜けている数字はありませんが、Armについては高い値を叩き出していて、fWARも21年2.3, 22年1.7, 23年2.2と、守備でも打撃でもチームに貢献したと言える安定した成績を残しつづけています。しかしながら安定はしているものの、LFというポジションを考えるとやはり物足りない打撃力であるのも事実です。後述のマリンズが怪我がちになってしまっている現状を鑑みるに、CFの起用も増えてきそうな見込みなので、LFは若手が入り込む隙間は十分に空いていると言えるのではないでしょうか。

"LFは許容範囲レベルの守備と上位レベルの打撃力があればいい"ことを念頭に置くと、若手はたくさんいるので候補には困らない状態ですが、ここでは応援の意味合いを込めて二番手LFとしてストワーズを候補に挙げておきます。昨年は開幕ロスター入りするも能力を発揮できず、さらにマイナー降格後も顔面死球を受けるなどとても苦しい一年になりました。
カウザーやカースタッドといったポジション被りの若いメンバーを抜き去り開幕ロスター入り、そしてヘイズをベンチに引き摺り下ろす必要がある。かなり厳しい状況ではありますが、2019年ドラフトの雄としての意地を見せてほしいものです。
追記:ストワーズ、STで7本目のHRを打ちました。期待していいんですね?
追記の追記:ストワーズはオプション行使でマイナースタートになりました。例えば外野が足りていないSDの浮いた投手とトレードなんてことが起きる可能性が目に見えてきたかもしれません。

▼中堅手(CF)

  • Cedric Mullinsセドリック•マリンズ
     
    116G / OBP.305 / SLG.416 / wRC+99 / OAA6 / fWAR1.8

  • Colton Cowserコルトン•カウザー(RF/LF)★
    26G / OBP.286 / SLG.148 / wRC+40 / OAA-1 / fWAR-0.4
    87G / OBP.417 / SLG.520 / wRC+136 (AAA)

引用元:https://www.fangraphs.com/depthcharts.aspx?position=CF

<一言コメント>
バウンスバックかトッププロスペクトか。
<講評>
CF一番手はマリンズですが、昨年のIL入り×2や今ST内での一時離脱もあり、稼働面とパフォーマンスに不安が大きく残ります。2021年に30-30を達成したかつての姿が戻ってくるならば万々歳ですが、怪我の箇所が脚や腿裏なので再発したり、パフォーマンスが事更に落ちたりする未来が容易に想像できてしまう状態です。それでも再建期を生き抜いた数少ない生え抜き選手なので、踏ん張ってくれと祈る毎日です。

二番手CFにはコルトン•カウザー。おそらくRFの起用が主となるカウザーですが、少なくないであろうマリンズ不在時はヘイズと共にCFを任されることがあることが予想されます。
昨年7月に昇格したものの思うような成績は残せずマイナーに逆戻りした彼ですが、マイナーでは好成績を叩き出しており、AAAのチャンピオンシップでは満塁ホームランを放ってMVPを獲得しています。
今STでもかなりの好調を維持しています。今年こそ殻を突き破り、レギュラー奪取をしてほしいですね。

▼右翼手(RF)

  • Anthony Santanderアンソニー•サンタンデール (1B)
    153G / OBP.325 / SLG.472 / wRC+119 / OAA-1 / fWAR2.6

  • Heston Kjerstadヘストン•カースタッド(LF/1B)★
    13G / OBP.281 / SLG.467 / wRC+104 / OAA0 / fWAR0.1
    46G / OBP.383 / SLG.576 / wRC+160 (AA)
    76G / OBP.371 / SLG. / wRC+116 (AAA)

引用元:https://www.fangraphs.com/depthcharts.aspx?position=RF

<一言コメント>
CF次第な上にDH/RFタイプの選手多すぎるって。
<講評>
①カウザーRF起用
②カウザーCF起用の場合、DHと兼任になるような選手のRF起用
の2パターンになると思います。
①の場合はカウザーがRFにin。
②の場合はRFサンタンデール、CFカウザーとなるでしょう。もしくはDHにサンタンデール、RFはオハーンかカースタッドが務めることになると思われます。LFのストワーズもRFに回ることもあるかもしれませんね。
いずれにせよ、一人の選手が固定されるポジションにはならないと思われます。サンタンデールの守備はお世辞にも良くはないので。
サンタンデールが24年オフにFAとなるため、今年のうちにカウザーやカースタッド、ストワーズにRF(orDH)での出場機会が与えられるような動きを期待したいですね。

▼指名打者(DH)

指名打者は2023年同様固定しないと思われるますので、特筆しません。
前述の通り、今年はラッチマンのDH起用を減らす方向でお願いしたいですね。

引用元:https://www.fangraphs.com/depthcharts.aspx?position=DH

▼控え要員

  • Jorge Mateoホルヘ•マテオ * (INF/OF)
    116G / OBP.267 / SLG.340 / wRC+67 / OAA-1 / fWAR0.5

  • Tyler Nevinタイラー•ネビン * (INF/OF)
    41G / OBP.306 / SLG.316 / wRC+76 / OAA-3 / fWAR-0.4
    87G / OBP.400 / SLG.543 / wRC+136 (AAA)

<一言コメント>
ガチで危機感持った方がいいと思うよ。
<講評>
マテオについて、昨年4月はOPS1.030, wRC+180を叩き出すなど目を見張るほどの活躍でしたが、5~10月の成績はOPS.485, wRC+33と惨憺たるものでした。短期間の好成績を盲信しちゃいけない好例。こんなのスタメン起用するな。
今STは2BやOFの守備につくこともありました。RSでは主力の休養日を作るための出場や代走、試合後半の守備要員(なおOAA-1)になると思います。というより、この成績の選手をロスターに残す理由はそれ以外にないでしょうね。

前LAA監督フィル•ネビン氏の息子、タイラー•ネビンについては昨年のマイナーや今STでの打撃を買われてのロスター入りになったと思われます。右打ちのオハーンが増えたようなイメージですかね。控えメンバーで右打ちの代打として起用できるような能力があるのは彼だけなので、要所要所で結果を出してもらえればと。
なんせ昨年のBALの代打HRは1本しか出てませんから。


しかしながら、両名とも役割を果たせないようなのであれば、マイナースタートとなったプロスペクトたちの昇格の際に容赦無く枠空け放出される立ち位置には変わらないので、自身の役割をちゃんと果たしてほしいと思います。

追記:ネビンは開幕前DFAとなりました。空いた枠はTony Kempが入りました。

▼放出組

  • Nick Matonニック•メイトン * (INF/OF)
    93G / OBP.288 / SLG.305 / wRC+67 / OAA-11 / fWAR-1.1
    38G / OBP.414 / SLG.457 / wRC+125 (AAA)

  • Ryan McKennaライアン•マッケンナ *(OF)
    89G / OBP.316 / SLG.361 / wRC+90 / OAA1 / fWAR0.3
    15G / OBP.262 / SLG.418 / wRC+61 (AAA)

  • Kolten Wongコルテン•ウォン(2B)
    87G / OBP.256 / SLG.263 / wRC+48 / OAA-1 / fWAR-0.9
    → オプトアウト

<一言コメント>
さよなら三角(放出&オプトアウト)
またきて四角(Outright)
<講評>

メイトンとマッケンナはオプションがなく、開幕ロスターに入らないことが確定したので一旦放出となる見込みです。AAAのNorfolk TidesにOutrightされるかもしれません。各々課題を解決したら、カムデンヤーズでまた会うことができるかもしれませんね。
ウォンはMLB契約でなければオプトアウトする意向でしたので、予定通りのトランザクションとなりました。前述の通りホリデイに2B守備を教えていたため、今後彼が昇格した後のインタビューでウォンの名前が出てくるかもしれませんね。

彼らの行先がどうなるかはわかりませんが、その道が少しでも明るくなるよう幸運を祈ります。

▼マイナー

  • Michael Pérezマイケル•ペレス(C)
    70G / OBP.309 / SLG.352 / wRC+66 (AAA)

  • Connor Norbyコナー•ノービィ(2B/LF)
    138G / OBP.359 / SLG.483 / wRC+109 (AAA)

  • Peyton Burdickペイトン•バーディック(OF)
    14G / OBP.270 / SLG.333 / wRC+65 / OAA-1 / fWAR-0.2
    114G / OBP.327 / SLG.448 / wRC+92 (AAA)

<一言コメント>
準備を怠らず、各々の役割としっかりこなしてくれればOK。
<講評>
新加入のペレスは昨年のベンブームと同様に実質的な第三捕手として扱われるでしょう。ラッチマンやマッキャンがIL入りなどで離脱したときにMLB契約され、復帰まで控え捕手を務めたのちにマイナーに戻ることになる運用を取られると思います。
ノービィはSTこそ怪我で出遅れましたが、彼も立派なBAL傘下のプロスペクトです。2B/LFという比較的薄いポジションなので、出番は必ず訪れると思います。それまではマイナーで腐らずに調整をして欲しいですね。できればRFの経験もそれまでに積んでほしいです。
3/16にCWSからクレームしたバーディックは同日オプション行使。長打が打てそうなOFとのことなので、しっかり改善点を見つけて26人枠を目指してほしいですね。

◾️2024年の展望と予測

▼ポジション別Statsと予測

データ引用元:https://www.fangraphs.com/depthcharts.aspx?position=Team
https://www.fangraphs.com/leaders/major-league?lg=all&qual=0&season=2023&season1=&ind=0&players=0&team=2%2Cts&type=8&month=

<一言コメント>
1. 穴はきちんと塞いでいこうな。
2. ガナヘンとラッチマン頼みの打線から脱却することを目指した起用をしてくれ。
3. 大鉈を振るう勇気もときには必要だと思いますよ。
<講評>
・Cについて

とくに言うことなし。今の体制を崩さぬよう怪我と稼働には気をつけて。

・1Bについて
はっきり言うと物足りない成績ですね。前述したマウントキャッスルとオハーンはBB%が低くてK%は高い。長打は期待できますが、結果としてそこそこの成績にしか収まっていない。
もし彼らを凌ぐメンバーが現れた場合、24年に関してはマイナーオプションが残っているので入れ替えとマイナー調整、DHでの併用起用でなんとかなります。ただし25年以降には…な展開にならないようにしていただきたいですね。

・2B/3B/SSについて

フレイジャー(23年fWAR:0.3), ウリアス(同0.8), マテオ(同0.5)で1201打席を費やした23年と比べて、24年はウエストバーグ/ホリデイ、ウリアス/ネビン/メイヨ, ヘンダーソンの陣容にほぼ確実に移り変わると思います。細かい数字や指標を押し並べなくても、ここのStatsは向上するんだろうなという気がします。過渡期だったからしょうがないとはいえ、前者の3人はスタメン失格レベルのStatsしか残せてないですし。

・OFについて
中堅メンバーたちと若手メンバーの鍔迫り合いと世代交代が見えてくる一年になると思いますので、CFとRFは微上昇、LFはほぼ現状維持な予想になっていると思われます。サンタンデールは24年,ヘイズとマリンズは25年オフにそれぞれFAとなります。彼らを超える、fWAR3.0以上を達成できるような若いレギュラー選手が今年のうちに産声を上げることを期待します。もちろん再建期を生き抜いた3人にも、より好成績を収めて欲しいとも思います。

・DHについて
成績が下がると予想されていますが、これは23年比でラッチマンのDH起用が減る=マウントキャッスルや他の若手たちのDH起用が増えることが加味されているのでしょう。
筆者としても、そのような展開を望んでいます。

・全体の展望
WAR2.0を下回り、若手の域を通り過ぎたような選手でも再建期や過渡期ならスタメン起用し続ける理由がちゃんとあります。無意にプロスペクトたちのMLSを消費させない、若い選手の身体を守るなどの理由もあるのでしょう。
しかし今年も昨年と同じような起用方針で一年を過ごすなら、PSに進めてもほぼ間違いなく同じような結果になりますし、来年以降につながるものも見えてこなくなります。だからこそ今年は野手陣に対してメスが入れられる一年になると思います。中堅/ベテラン勢/控え要員が戦力として不足な成績ならば、そこに容赦無く大鉈を振るわれる一年になるのではないでしょうか。

ATLやLADレベルまでとは言いませんが、せめてガナヘンとラッチマン頼みの打線から脱却することを目指した起用をしてほしいものです。それを目指せるだけのプロスペクトはたくさんいるのだから。

◾️〆

2023年シーズンはTEXが球団創設後のWSチャンピオンに輝いて幕を閉じました。月日は流れ、あっという間に2024年シーズンが始まろうとしています。
開幕が待ち遠しくて先んじてBALの開幕ロスター予想をnote記事にしましたが、STでの選手の状態を見ると、あの選手も良いこの選手も良いという贅沢な悩みが生まれまくり、非常に悩みながらこの戦力分析noteを書きました。
期待の有望株たちに心躍らせる毎日ですが、まずは怪我なく開幕を迎えてほしいものです。

それではまた。
Let's Go O's!!


参考文献

各成績や指標は以下より抜粋
FanGraphs
Baseball Savant
Baseball Reference

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