『映像の世紀バタフライエフェクト』|稲田豊史・ミステリーファンに贈るドキュメンタリー入門〈語っておきたい新作〉【第10回】
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文=稲田豊史
ドキュメンタリーには「構成もの」というジャンルがある。「過去にあった出来事について、アーカイブ映像や活字資料をふんだんに使い、関係者の証言インタビューなどを折りまぜながら表現するドキュメンタリー」(*)のことだ。その「構成もの」の国内最高峰と言っても過言ではないのが、20世紀の近現代史をすべて〝現存する当時の映像だけ〟で綴ったNHK「映像の世紀」シリーズである。
「映像の世紀」には大きく3つのシリーズがある。第1シリーズは1995年か