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【連載】ミステリーファンに贈るドキュメンタリー入門|稲田豊史

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【ミステリー専門誌「ジャーロ」で連載中!】 気鋭の映画ライター・稲田豊史さんによる、ドキュメンタリーの観方指南。 ーー皆様はドキュメンタリーと聞いて何を想像するでしょうか。 「行… もっと読む
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#水曜日のダウンタウン

ドキュメンタリーとして観る『水曜日のダウンタウン』(後編)|稲田豊史・ミステリーファンに贈るドキュメンタリー入門【第7回】

文=稲田豊史 「仕込み」のメタ批評  今回は、TBS系で放映中のバラエティ番組「『水曜日のダウンタウン(水ダウ)』の本質は、ほぼドキュメンタリーである」という話の後編である。 ※前編はこちらから  前号掲載の前編では、『水ダウ』がいかに関与型ドキュメンタリーの要件を満たしているか、見慣れた事象に新たな視点を設定しているか、自ら身を置くTV業界に対する自己批判を行っているかなどを、具体的な企画内容を挙げながら論じた。そこで明らかになったのは、ある種の「作り込んだお笑い」

ドキュメンタリーとして観る『水曜日のダウンタウン』(前編)|稲田豊史・ミステリーファンに贈るドキュメンタリー入門【第6回】

文=稲田豊史 関与型ドキュメンタリーとしての『水ダウ』 『水曜日のダウンタウン(水ダウ)』というダウンタウンの冠番組をご存知だろうか。2014年4月からTBS系で放送中のバラエティ番組で、その基本フォーマットは、芸人を中心とした芸能人に仕掛けるハードめで凝ったドッキリ。ゆえにバラエティ番組の中でも、かなり〝作り込んだお笑い〟に寄った構造を特徴とする。  番組ホームページに書かれている内容はこうだ。  ただし「〝説〟の検証」は形式的なフォーマットにすぎず、その実はなんで