プラチナジュビリーはかっこいい音楽が聞けるぞ

ねえプラチナ「ム」ジュビリーじゃないの?

6月です。イギリスのエリザベス女王在位70周年を記念したお祝いが始まっております。
私は外国人で、王室がどうとか植民地がどうとか、何にも言えないんですが、70年ものあいだ、国のため国民のためにその身を人生を捧げてこられたこと、ただただ敬服です。

イギリスにはかっこいい音楽がたくさんありますね。
6月4日の大コンサートも楽しみなんですが(ジュリー・アンドリュース様も出てこられるのだとか?)、6月3日のセントポール大聖堂での女王への感謝の礼拝?Service of Thanksgiving, かっこいいクラシック曲が聞ける機会がすごく楽しみです。

サー・ヒューバート・パリーの I was glad は戴冠式のアンセムですが、こういうときとか、ロイヤルウェディングなんかの王室オケージョンでも聞かれます。だから超期待してるんですけど、聴けますでしょうか。2002年のゴールデンジュビリーのときは歌われたみたいですが、2012年のダイヤモンドジュビリー時は女王陛下はわたしの大大大好きなヴォーンウィリアムズ先生のTe Deum in Gでご入場でした。

I was glad は駄目押し!これでもか!ってかんじで、出勤時に聞くとやる気の出る曲ナンバーワンです。

戴冠式やらジュビリー式典では途中、Acclamation (Vivat!) が入ります。これ日本語でなんというのかわかりません。万歳!みたいな呼びかけ。
ここでは国王の名前が呼ばれるので、国王が変わるたびに歌詞が変わるわけです。君主が王の場合、王妃 (Queen) への万歳が先に入ります。君主が女王の場合、王配への呼びかけはないみたい。そういやこの間イギリスの人に、王は女王よりも格上だから、女王が君主になる場合その夫は王ではなくずっとプリンスだ、と聞きました。
この一連のセクションはラテン語ですが、アングリサイズドラテン、英語化した発音で歌われます。現在は Vivat Regina Elizabetha = ヴァイヴァット・リジャイナ・エリザビーサ、です。興味深いです。この曲は1902年のエドワード七世の戴冠式が初演らしいですが、エドワードはエドワルドゥス、ついでジョージ五世・六世はジョルジウス、王妃方々はアレクサンドラはアレクサンドラ、メアリーはマライアがラテン語名なんですね。チャールズ&カミラ、ウィリアム&キャサリンがどうなるのか私にはわかりませんが、ジョージ王子がそのままジョージを名乗るのであれば、彼もレックス・ジョルジウスと呼ばれるわけですね。そこまで見届けたいものです。わたくしウィリアム王子より一回りなのでいけますかね。がんばります。

すごいものがありました。ジョージ六世の戴冠式、しょっぱなから曲が聞こえていて、2分ぐらいからAcclamationが確認できます。

そしてエリザベス二世の戴冠式、1分58秒からI was gladが聞こえます、Acclamtionも2分50秒あたりから確認できます。

なおこれ歌った経験のある良家のボーイズは永遠にそのことを誇りに思いつづけるらしいです。わたくしの友人は、「え?歌ったことないの!?」と仲間外れにされかけたことを教えてくれました。まあそういう側面もあるんだ。

他にどんな音楽が聞けるかはわからないですが、書き下ろしの新作もあるらしいので、楽しみにしたいところです。

ところでサー・ヒューバート・パリーといえば、イェルサレム(ジェルサレム)のアンセムも有名です。ウィリアム・ブレイクの詩にパリーがメロディをつけたもので、エルガーのオケ編版はBBCプロムスの最終夜に歌われるでおなじみですが、なんやかやいろんなオケージョンで聞こえてきます。わたくしの記憶が正しければ、ロンドン五輪開会式もこれで幕明けてた気がする。十年前ですか、いやはや。

わたくし最終夜がどうしてもやりたくてロンドンに行ったことがあります。参加した経験から申し上げると、ロイヤルアルバートホールのオルガンが爆音で爆笑しました。あとオルガンの爆音については、エルガーの「希望と栄光の国」でも爆発してて笑いました。そしてわたしは永遠にこの経験を誇りに思うんだろうなあ。チッ。
すごいpatrioticな雰囲気で肩身はかなり狭かったですし、これが戦勝国かとも思わなくもなかったですし、なんせイギリス人の友達の中にも、うーーんってなってる人もいました。でもまあ年一のなんでもありのお祭り騒ぎ、という感じでしょうか。その中でもジェルサレムは他の恒例曲より直接的でないというか、もっとジェネラルというか、もう単純に格好いい、いい曲ですよね〜。これが国歌でもええんとちゃうか。って思ってる人も多いみたい。だってかっこいいもんね。

国歌といえばですね、ジェルサレムかっこいいもの、とか言いましたが、クイーン「オペラ座の夜」のギターオーケストレーション版はしゃれおつかっこいいですよね。ゴールデンジュビリーのときにブライアン・メイ先生がバッキンガム宮殿の上で演奏してらしたのも記憶に新しい(嘘)ですが、今年も4日の大コンサートに出てこられるそうで、「バッキンガム宮殿の次は…まあ見てのお楽しみさ!」(意訳)とのことですので、まあもう、ビッグベンか、シャードか、高さだけで言うとりますけども、こちらの方も楽しみにしたいものです。すごいなーイギリス、なんでもありやないか。いいなー。

今週は金曜日楽しみ、だけでなんとか耐え忍んでいます。全然パリー聞こえないかもしれませんが、そのときはそのときで、別途音楽を楽しみたいと思います。

○6/3追記
日本で中継しませんでしたね。泣いちゃった。BBCは英国内のみ、あとはお音声だけで。音声のみでお楽しみいたしました。I was glad ありましたね。女王陛下は残念ながら参加なされなかったけど、Acclamationもばっちりでした。ところで、今回はジョン・ラター編!ラターが!?そんなことしてらしたの!!!と職場で大騒ぎしかけました。危なかった。すごい、ラターだな〜って聞いてました。始まる前にヴォーンウィリアムズ先生のEnglish Folk Song Suiteなどがあったみたいだけど、そんなもんは中継されてませんでした。あと有名どころしかよく知らないお恥ずかしさが露呈するんだけど、Francis JacksonのBenedicite in Gが良すぎた。初めて聞きました。すごくよかった。ベネダイシティーて発音らしい。
兎も角、後日映像を待ちます。

わたしセントポール大聖堂の地下、聖歌隊の部屋でレッスンしてもらったことあるんですけど、帰りはもう夜で、ナイトミュージアム状態の大聖堂の中を通って帰りました。それも一生自慢し続けんだろうな、ケッて思います。

明日の大コンサートも楽しみです。

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