箱庭ダンス第二章「二人の物語」その3

7.

おーおが話をしたDanse macabreという店は、アキムのようなスラム街に住む若者にも知られている実に“悪名高き”店だ。

単純な性的サービスをする場所ではない。所謂高級娼婦で、年収が100億クレジット(アキムが毎日仕事をしても稼ぐのに300年はかかる)を超えるような人間が遊ぶ店で、そこの“踊り子”は街の統治者や企業重役などしか知らない情報を知っていて(理由は簡単。コトを終えてのピロートークで男はベラベラ大事なことを話すからだ。)、さらにアンドロイドやサイボーグの“踊り子”の身体は“殺人許可”マーダーライセンスを施された“殺人者”で裏の仕事もする。(そもそもアンドロイドやサイボーグに“馬乗り”されただけで男は“圧死”する。だからセクシャルなサービスに“騎乗位”は無い。“踊り子”と騎乗位をしたい場合には、自分も機械化するかない。)

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