箱庭ダンス 第二章 「二人の物語」その1

1.

何でおーお(名前がよーことはわかったが、おーおと呼んでいる)をオレのアパートに連れて帰ったのかは、オレにもわからない。
ただ、なんとなく“物語の始まり”だって思ったんだ。

オレが読んでいる“紙の本”で物語の始まりは“男の子が女の子に出会う”というものなんだ。だから、オレもおーおに出会って何かが始まるんじゃないかって思ったんだ。
おーおはサイボーグだった。つまり、“脳ミソ以外は全部機械”ってわけだ。

ここから先は

3,059字

¥ 100

期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?