箱庭ダンス第二章「二人の物語」その2
4.
闇医者は動かずに床に横たわっている。生きているか死んでいるかはわからないが、とにかく彼は街のスラム街の寂れたクリニックではなく、この場所にいる。同じように拉致されてきたのだろう。
つまりは、おーお(くどいようだが、サイボーグの女の名はよーこだ)は何か重要な情報を知っているようだ。拉致してまで知りたい情報をアキムに話をしているかどうかが重要で、他は死体(闇医者が生きていないとしたらだが)が増えようがどうでも良いらしい。
アキムはこの1ヶ月の出来事を思い出そうとしたが、ほとんど“薬”で神経を昂らせ、興奮状態にあった為にどんな話をおーおとしたのか記憶が曖昧だった。
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