家から2番目に近い公園の地面には小さい蓋があり、それを開けると蛇口が付いていた。私は街が水に沈むのを見たくて、5時のチャイムが鳴った後、誰もいない公園で蛇口を思い切り捻って帰った。朝、蝉が鳴いていて、蓋の中の蛇口からハンドルは無くなっていた。その時安心した自分を今も飼っている。
なんとなく 早めに押した 風呂自動 きれいな体で 迎える18時(六時)
「この瞬間の気持ち」っていうのが自分の中で明確に定義されていて、なんとなく思い出した匂いが昔の恋人の匂いだ!ってハッと思い出すみたいに、今感じた気持ちが小さい頃にミニストップのソフトクリームを母に買ってもらったときの気持ちと同一であると気付いてハッとしてドキドキしている。
8月32日 ベランダにて アイスキャンディに 閉じ込めた夏
プロポーズ オロナミンCの 蓋が指輪 コンビニで買える 愛じゃない
言うもんか つり革を持つ 左腕 半袖から 覗く黒子
深夜2時 110円の チューハイと 冷凍うどんで 最高の夜へ
誕生日 3個もらった 口内炎 スパークリング ワインが染みた
窓から いつものスーツの 会社員 幼稚園バス 今日はプラの日
水筒を 蓋ごと開けて 飲んだお茶 口から飛ばして 戻した氷
二日酔いで なんとか飛び込む 掛け布団 体温よりも 冷たかった
エアコンの 風の香りで トリップ 気づいたらもう 夏は過ぎてた
翌朝には ぬるくなった アイスノン タオル越しに 吸い込んだ香り
父親の スーパーファミコン フォルダ1 プレイヤー名 母の名前
身の回りの大人にはみんな、「お母さん」「お父さん」「先生」って名前がついていて、その役割を徹底している。と勝手に、思い込んで約18年間生きていました。 母親との関わり方に変化があって、そこからその考えが思い込みだと気づいた時の話をします。 そのきっかけは、弟が高校に行けなくなったことでした。 学校を変える、やめる、続ける、について、母親は私に相談してきました。 その時、「あっ、母親も悩んだりするんだ」という当たり前のことを初めて知ったのです。 自分の中で気づいていな
コンドームの 破れた袋が 言ったのだ あの日のふたりは 幸せだった