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おめー社交不安障害だったんか!?

私が心理系の学部に進みたかったのは、カウンセリングや精神病の知識をつけるためだ。身近な人の悩みを上手に聞けるようになりたかったのもあるが、いちばんは自分のためだった。
人に悩みを打ち明けても後悔することが多く、それならば自分で自分のことをきちんと聞けるようになってやりたいと思ったから。



そんな私にとって、昨日の授業は忘れられないものであった。



「社交不安障害」…人の目があったり、注目を浴びたりすることに強い緊張・恐怖感があり、それが日常生活に支障をきたすほどであること。

授業のテーマはこれだった。

私も中高の頃は人目が気になって仕方なかったけど、日常生活に支障をきたすなんて大袈裟なものじゃなかったしなぁ、と、初めはどこか他人事で聞いていた。引きこもってもいなかったし。


けれど、パワーポイントのページが進むにつれ、気になる箇所がどんどん増えていく。

青年期に好発、年齢が上がることで寛解傾向あり…。


そして確信に至ったのは、実際に精神科を受診した方々の症例が紹介されたときだった。
自分が中3後半から高3にかけて悩まされてきたことと、一致するものがいくつかあったのである。
その方の症状を勝手に書くわけにはいかないので、ちょうど重なった自分のエピソードを書いておく。


人前で食事をするのが…特に間食をとるのが怖くて(皆が皆食べているわけではないから、余計目立つと思っていた)、トイレの個室に駆けこんで、口に押し込むようにして食べていたこと。
八方が囲まれた席だと後ろの人たちの視線が気になって、授業中は息苦しく、身動きひとつにも緊張し、錆びたロボットのように背骨が軋る感覚があったこと。
だから一番後ろの席が落ち着くし、席替えに全てがかかっていたこと。
そして何より、一度だけ受けたスクールカウンセリングで「軽度の不安症状かもしれないね」というような旨の言葉をかけられたこと(もしかすると社交不安症と言われたのかもしれないが、当時は知らなかったこともあり、そこの記憶は曖昧である)。




社交不安障害は、まだ診断の境界が曖昧であり、性格の問題と混同され受診しないままでいる人々が多いという。


私自身、「自意識過剰」「誰もあなたのことなんて見ていない」…そういった言葉に悩まされつつも、どこか納得させられてしまっていた。自分の考え方のせいだろうと。





カウンセリング内容は誰にも言いません。
それを信じきって安心していたが、二者面談のとき、担任はクラスのいじめっ子を擁護したうえで「あなたが成長しなさい」というのを遠回しに私に言った。おそらくカウンセリングを受けていることは担任に伝えるきまりなのだろう。
その夜、母もカウンセリングに猛反対した。

2度目のカウンセリング。次はもう行けませんと終始泣いただけ。
「1時間に1回くらいを目安に、何が起こって何を感じたかをメモして次回持ってきてください」…設けてくれた課題も提出せず終いだった。


もし、当時の私に似た境遇の子がこれを読んでくれているなら言いたい。親に殺されないかぎりは、秘密にしてでも通いとおしてくれ。その悩み、くだらなくなんてないから。人の支えは、治す力に繋がるそうだから。


もしくは、これから書くことを参考に過ごしてほしい。



社交不安障害は、重度なものだと薬物療法が用いられるが、軽度になってくると行動療法で治すことができる。


まずは不安を感じる場面を挙げていく。例えば、一人で散歩に行く、誰かとご飯を食べる、人前で発表する、などなど。

そして、それらを辛さごとにランク分けする。これならギリギリ耐えられそう、とか、こっちは絶対無理!とか。10ランクくらいに分けてみる。

次に、低ランクのもの(まだ耐えられるもの)から順に行って慣らしていく。
繰り返して平気になったら、ひとつ上のランクのものを実行し、慣らし、平気になったらまた上のランクへ。



これを私は無意識のうちにやっていたらしい。

環境のおかげもあった。高3の後半になってできた物静かな友人が、部室でご飯を食べるのに付き合ってくれたこと。それから、共通テストを受けない生徒が休業期間に入ったおかげで教室にいる人の人数が減ったことも。
この期間に、人が少ないから大丈夫と自分に言い聞かせながら教室で間食をとったり弁当を食べたりし始めていた。あれが意外と良かったのかもしれない。

そしてついに大学でクラスが無くなり、知らない人ばかりに囲まれるようになってスッキリ治った。
たとえ私の誤診だとしても今は治ったことだし、自分の身に引きつけて考えることができたしオールオッケー!!



大事なことなので2回書くが、行動療法は重度のうちからやってしまうとかえって良くないので、軽度になってから。

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さて。
ここからは、この記事を書いてから半年後の私の追記です。


「スッキリ治った」なんて書いておきながら、最近若干再発気味。
クラス分けされてしまって、また大人数でも少人数でもない集団に放り込まれたからだろう。


それでも、慣れが効果アリだとわかった今、ただひたすら体当りするしかない。

とか言いつつ、心の治し方なんてそう単純じゃないことも学んでいる。
現段階の基礎的な授業だけじゃ興味のある分野を知り尽くせないから、こちとら追加で本読んでんだ。


だからここに書いてある、私の軽薄な知識は信用しないほうがいい。

初めて知ったことに感動して、それを共有したくなっただけの人間の戯言だと思ってもらえれば。

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