大樹
大樹が一本、立っている
豊かな土壌のうえに──
子供たちが集っても上が見えない
若い女が腕を広げても抱きかかえられない
大樹は根から葉脈から養分を吸い上げて
白い、白い樹液を空に噴き上げる
一面、空から降り注いだあと
虹がかかる
やがて大地のうえに樹液はしみこみ
長い月日を乗り越え
春の泥のなかからふくらみが
いくつもの乳房が盛り上がり
白い乳を吹き出す
とめどなく
こうして、子供を養う森が育まれる
白い、白い生命の色のなかで──
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大樹が一本、立っている
豊かな土壌のうえに──
子供たちが集っても上が見えない
若い女が腕を広げても抱きかかえられない
大樹は根から葉脈から養分を吸い上げて
白い、白い樹液を空に噴き上げる
一面、空から降り注いだあと
虹がかかる
やがて大地のうえに樹液はしみこみ
長い月日を乗り越え
春の泥のなかからふくらみが
いくつもの乳房が盛り上がり
白い乳を吹き出す
とめどなく
こうして、子供を養う森が育まれる
白い、白い生命の色のなかで──
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