見出し画像

第二弾投稿作品「Tomorrow is another day. 〜明日は明日の風が吹く〜」

ゲストハウスを経営しながら、僕は市議会議員の仕事もしている。ある夜、地元の会議に出ていたら、スマホに一本の電話がなった。会場を抜け出し取ってみると、

「11年前にあなたをヒッチハイクで乗せた者だけど・・・。」

僕は当時まだ東京町田に住んでいて、岡山に住む友人の結婚式に参加するために、東京からヒッチハイクで西に向かっていた。Kさんは夜の中国自動車道の加西サービスエリアで次の車を見つけようとボードを掲げてた僕に声をかけてくれて、鳥取に向かうついでにと無事に友人宅の前まで乗せてくれた。Kさんはフォーク歌手の伊勢正三が好きで、僕が大分出身だというと、「大分人に悪い人はいない。」なんて話をしてくれた。

あの夜のヒッチハイクを鮮やかに思い出した。
「安曇野に移り住んで、宿をやりたいんですよね~~。」乗せてくれたKさんに、僕はそんな夢を熱く語った。

11年ぶりに再会したKさん。現在仕事で名古屋在住となり、今回は軽井沢での伊勢正三ライブに行くついでに電話をかけてきてくれたのだ。

Kさん、よくぞ勇気を出して思い切って電話をかけてくれましたね。
「君のことがずっと心に残ってたんだよね。もちろん毎日なんてわけじゃないけど、ときどき思い出してホームページも見てた。安曇野に移住したこと、お米づくりで大けがをしたこと、やりたいと言ってた宿が本当に始まったこと、議員になったこと。」

こうやって遠くから見守ってくれていた人がここにも居たんだ・・・。
「ヒッチハイクのお礼のメールをすぐにくれたでしょ。あのメールをいまだに持っているんだよ。機種変更してもこのメールだけは消せなかった。」

*******************************
Kさん
偶然がいっぱい。
だけど、その偶然を展開させていくことができるかは、人の意志なのでしょう。
Kさん、ホント、またどこかで会いましょうね!
Tomorrow is another day
-明日は明日の風が吹く-
けして場当たり的な生き方ではなく、毎日を真剣に思い切り、そして楽しく生きて、それでも明日の偶然に身を委ねて・・・。
2003年11月 増田望三郎
********************************

11年前にこんなことを書いてたんだね。
偶然はない、すべて必然だと言う人もいる。
Kさんはこうして再会できたことは奇跡だねと笑う。
Kさん、再会も嬉しかったけど、こうやって11年ぶりなのに、たった1度きりの出会いで暗い夜の道でお互いの顔さえもはっきりと見えなかったのに、あの時の楽しかった時間を頼りに、それを今に繋げてくれたことが本当に嬉しかったです。

あれから僕は安曇野に移住し、ゲストハウスを始めた。まだ宿を始める前、安曇野に移住する前に出会ったKさんを、今晩僕の作ったゲストハウスにお迎えし、11年ぶりの再会を果たした。ヒッチハイクの出会いは11年越しに完結し、新たなやりとり、次の章が始まる。

********************
この再会から既にまた7年経っています。Kさん、元気にしてるかなあ。宿をやり続けてたら、また会えるよね。

投稿者 安曇野地球宿 オーナー 望さん

---------------------------------------------------------
あなたも旅の思い出を投稿して懸賞を当てませんか?
募集期間延長!
全国から参加したゲストハウスの豪華懸賞をGETしよう!
第二弾募集期間 9/16~10/31
詳細、投稿方法はこちらのリンクをどうぞ
https://note.com/gh_omoide_note/n/nb97ade4ebe97
---------------------------------------------------------

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?