伝統の一戦 天皇賞(秋)

伝統の一戦といえば、
プロ野球なら阪神対巨人
サッカーならレアル・マドリード対バルセロナのクラシコ。
大学でいえば早稲田対慶応の早慶戦など

熱く盛り上がる伝統の一戦
競馬で言う伝統の一戦といえば天皇賞(秋)では無いだろうか。

日本のG1の中でも最も長い歴史を持ち、皇族が観戦することもある格式高いレース。
ステイヤー色の強い春に比べて秋は中距離やマイル路線からも一流馬が集結する秋の大1番。

今年もその伝統の一戦に相応しい素晴らしいメンバーが揃った。
という訳で今回は第164回天皇賞(秋)を予想していく。

※予想は個人の見解を含みます。

1枠1番 コントレイル 福永
父ディープインパクト
母父 Unbridled's Song
前走 大阪杯 3着
・昨年無敗の三冠馬となり大きな期待を受けて臨んだ前走は重馬場に苦しみ持ち味のスピードを発揮すること無く敗れた。やはりこの馬の本領は綺麗な馬場でこそ発揮される。
東スポ杯やダービーで強烈なレースぶりを見せたように東京がベスト。
距離的にも今は2000がちょうど良い印象。
懸念材料はこの最内枠、強烈にマークされる事が予想されるが。

2枠2番 カデナ 田辺
父ディープインパクト
母父 フレンチデュピティ
前走 毎日王冠 10着
・最後の勝利は1年8か月前の小倉大賞典。6歳以上で3着以内に入ってきたのは5歳時に天皇賞・秋を勝利していたエイシンフラッシュただ一頭。

2枠3番 モズベッロ 池添
父 ディープブリランテ
母父 Harlan's Holiday
前走 京都大賞典 13着
・昨年の宝塚記念、今年の大阪杯と道悪で激走し一躍その名を轟かせた。
一方で良馬場ではからっきしで、前走はよもやの大敗。やはり雨の助けは欲しいところだろう。

2枠4番 ポタジェ 川田
父ディープインパクト
母父 Awsome Again
前走 毎日王冠 3着
・半姉にルージュバックがいる血統、重馬場の金鯱賞、福島の代替開催で育ちきっていない走りにくい馬場の新潟で行われた新潟大賞典とタフな馬場でも好走を見せた。
前走毎日王冠では好位からしぶとく伸びて2頭のG1ホースに食らいつき3着に入った。
切れる足を使うタイプではないが馬場を選ばず相手なりに走るしぶとさがこの馬の魅力。
紐には抑えておきたい。

3枠5番 エフフォーリア 横山武
父 エピファネイア
母父 ハーツクライ
前走 東京優駿 2着
・皐月賞を無敗で制した3歳世代の筆頭。
日本ダービーではシャフリヤールにハナ差敗れたが、上がりは最速をマーク。
母父ハーツクライで成長力のある血統、ひと夏越した成長力が試されるが、現時点の完成度でも十分に通用する地力をもっている。
3歳馬の天皇賞制覇となればシンボリクリスエス以来19年振りの快挙となる。

3枠6番 トーセンスーリヤ 横山和
父ローエングリン
母父 デュランダル
前走 新潟記念 2着
・父ローエングリンがサドラー系の種牡馬である影響を大きく受け、上がりのかかる馬場で結果を残してきた。
小回りも新潟のようなコースも無難にこなす。
好位で立ち回れば直線見せ場があっても良さそうだが、G1の早い流れでも同じ競馬が出来るか。

4枠7番 ワールドプレミア 岩田
父ディープインパクト
母父Acatenango
前走 天皇賞・春 1着
・母父Acatenangoで切れ味より持久力に優れる。ゲートも早くなく長く足を使えるが上がりがとてつもなく早い訳では無いのでどう立回るかが鍵になるだろう。
天皇賞・春からぶっつけの参戦、叩いて上積みのあるタイプだと思うが休み明けでどこまでやれるか。

5枠8番 サンレイポケット 鮫島駿
父 ジャングルポケット
母父 ワイルドラッシュ
・父ジャングルポケットが表すように上がりがかかる展開を得意としており、力の要る馬場での好走歴が目立つ。展開の助けが必要か。

5枠9番 グランアレグリア ルメール
父ディープインパクト
母父Tapit
前走 安田記念 2着
・VM、安田記念と上がり最速32秒台の鬼脚を披露した現役最強マイラー。
瞬発力においては出走メンバー中最高と言って差し支えないだろう。
問題は距離だがやはり2000mは距離的にはめいいっぱいといった印象。
大阪杯は重馬場でそれでもコントレイルとクビ差、良の東京では果たして。

5枠10番 カイザーミノル 横山典
父ロードカナロア
母父Smart strike
前走 毎日王冠 5着
・勝ち鞍は1400~マイルが中心、京王杯SCで3着に入ったが、1800の毎日王冠では直線伸びきれず。更に1F伸びて2プラスがあるのかどうか。

6枠11番 ムイトオブリガード 柴田善
父 ルーラーシップ
母父 サンデーサイレンス
前走 京都大賞典 11着
・一昨年のAR共和国杯を勝って以来馬券圏内からも遠ざかっている。
前走京都大賞典組は直近10年でラブリーデイが勝ったのみでそれ以外は馬券圏内にも来ていない。敢えてここで強調する理由もない。

6枠12番 ラストドラフト
父ノヴェリスト
母父ディープインパクト
前走 毎日王冠 13着
・2000mの良馬場ではスピードで劣る印象でやはりこの馬の本領は道悪や非根幹距離の持久力勝負だろう。

7枠13番 ペルシアンナイト 大野
父 ハービンジャー
母父サンデーサイレンス
前走 札幌記念 3着
・8歳になっても得意の舞台ではまだまだ元気に走る17年マイルCSのチャンピオン。
前走札幌記念は昨年も好走した舞台でやはり洋芝のように時計がかかる展開では父ハービンジャーの血が騒ぐ。
力強い走りはこの歳になっても魅力だがスピードで劣るこの舞台では雨の助けが欲しい。

7枠14番 カレンブーケドール 戸崎
父ディープインパクト
母父Scat Daddy
前走 宝塚記念 4着
・G1で2着3回、3着1回の善戦ウーマン。
ディープインパクト産駒だが切れ味よりしぶとく伸びる持久力を活かす走りをする。牝馬ながら天皇賞・春では3着に入った。
条件を選ばず堅実に走るがやはり決め手にかける印象で、その条件においてもっとも適した馬に対しては後れを取る。ここも三強と比べるとやや見劣りする。道悪なら。

8枠15番 ヒシイグアス 松山
父 ハーツクライ
母父Bernstein
前走 中山記念 1着
・3連勝で年明け中山金杯を制すると中山記念を連勝し4連勝、春のG1戦線でも活躍が期待されたが疲労が抜けず春シーズンを棒に振った。
ハーツクライ産駒らしい古馬になってからの成長曲線は目を見張るものがある。
ただ、疲労がなかなか癒えず復帰がこの時期まで伸びた点は調整過程に不安を残す。

8枠16番 ユーキャンスマイル
父 キングカメハメハ
母父 ダンスインザダーク
前走 札幌記念 6着
・一昨年は4着に好走し、その後もG1で2度掲示板に乗るもその後もタイトルとは縁がなく6歳になった。
前走札幌記念ではソダシから0.8秒差負けの6着、阪神大賞典では重馬場の中2着に入ったが直近で2000mでの実績がほぼ皆無なのはやはり気になる所で、一昨年のような足が使えれば掲示板を脅かす位の走りは期待できそうだ。

予想

◎エフフォーリア
〇グランアレグリア
▲ポタジェ
△コントレイル
△ワールドプレミア

正直、世代間のレベルに関しては直接やってみないと分からないものだが今年の3歳世代、特にクラシックを走ってきた馬のレベルは非常に高いと思っている。
ダービーの上位5頭は今後もG1を盛り上げていく存在になれる馬達だし、6着のタイトルホルダーも既に先週の菊花賞を制している。
エフフォーリアはダービーでシャフリヤールのハナ差2着に涙を飲んだが、後ろから来たステラヴェローチェとシャフリヤールより早く追い出して上がりタイムは同タイム。
追い出しをあと少し我慢していればゴール前で甘くならずに済んだかもしれない、というタラレバは置いておいてもダービーも距離的にはギリギリな印象を受けたし、菊花賞より天皇賞の方が可能性があるという陣営の判断には賛成だ。

能力の絶対値で言えば恐らくこの中でグランアレグリアは抜けていると思っている。
じゃあ何故本命にしないのかという話だが、2000mはグランアレグリアはギリギリの距離になる、大阪杯では重馬場のタフなレースに苦しんだ4着だったが3着コントレイルとは同タイムのクビ差だったことを考えると2000mでもコントレイルやエフフォーリアとも十分にやれるだろう。
だが、昨年にはスプリンターズSを勝った馬。如何に能力の高い馬といえどそう簡単に1200も2000も勝てるものなのか。という疑問はやはり拭えない。よってエフフォーリアより評価は下げたが勝っても驚きはしないだろう。なぜなら、天才は存在するからだ。

三強の一角崩しはポタジェに期待したい。
毎日王冠ではG1馬2頭に差を空けられたが、勝ったシュネルマイスターとは0.2秒差。
キレるタイプでは無いが内枠から好位に取り付けばワンチャンあっても不思議では無い。
鞍上は強気な騎乗をする川田、コントレイルが最内枠に入った事もあり、コントレイル封じをしに行くなら彼だろう。

大阪杯では雨に泣いたコントレイル。
条件が違えばレイパパレにあそこまで千切られる馬では無い。
東京2000はこの馬にとって1番の舞台だと言える。集大成の秋へ、陣営としてもここは負けられない戦いだろう。
しかし、不安なデータが1つ。
最内1番枠から過去10年で馬券に絡んだのはジェンティルドンナただ一頭で、馬券に絡まなくても人気より着順を落とす事が多くなっている。最内はマークしやすく包まれやすい状況が整っている。
いかに上手くマークを掻い潜れるかが鍵になるだろう。


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