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独白


もう分かっている。
2人の関係が終末に片足を踏み入れていることを。私の存在が、癒しや、励みや、薬みたいに、彼の気持ちを健やかにすることはもうないのだろう。
私は彼のプライドをズタズタにおって、彼の前でも皮肉しか言えない。
マイキといたいからと、マイキが1番だと慈しんでくれていたあの目をもう随分と見ていない。
目の奥にあるのは、疑心と幻滅と悲しみと諦めばかり。
その目を見るのが嫌で随分と荒れてしまったけれど、其の結果よけいに慈しみは消えた。
それでも一緒にいたいと叫ぶこの胸をどうすればいいだろう。
きっとどこまで尽くしても、以前の優しい目が戻ってくることはない。私といようとするのは、尽くしてくれた私への罪悪感と責任感。
純粋な好きも愛も薄れてしまって、濁った情が2人を繋いでいる。
私の想いも、独りよがりで、これが愛かと聞かれると違うと答えるしかない。
愛は見返りを求めないはずなのに、私のは、これだけしたのだからそっちも、という邪な気持ちがある。それを相手も感じている。重いだろうな。しんどいだろうな。でも辞められない。私にとって、これが初めての好きで、愛で、慈しみだったから。濁った情になってしまっても、それを大切に胸にしまって私は進むのだろう。
自分で汚した愛だけど、自分がとどめをさした愛だけど、片足まで進んでいるこの終末がもっともっとゆっくり私の喉元まできて息の根を止めることを願う。
私の全身を覆うようになったその終末はきっと真っ黒なのだろう。
そのように私がしたのだ。そうゆう初恋を私はしたのだ。
どうかまだ夢を見させてくれ。

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