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独白2

納得なんか、できるわけなかった。
大切にされた分、大切にしたいと思えた恋だった。彼が全てを投げ出した時、私に恐怖と困惑と諦観が一気にやってきて、私の感情が爆発した。
あの爆発で、彼は踏ん張ってくれた。あの時はそれで踏ん張ってくれたのだ。
だから今回も、、。
そう思ったけど、甘かった。
踏ん張る気もなく、私がいない方が楽だと、立ち去る私を追いかけはしなかった。
立ち去ったのは、パフォーマンスで、今回も追いかけてくれると思ったから。
そんなこと、向こうがわかるはずないのに。
1度切れた縁を何とかつなぎとめたかった。引き返して、罵倒されても、繋がっていたかった。
頑張れないから一緒にいられない。その言葉に、なんで頑張れないんだろう、そう思うのを辞めた。
私がその分がんばる。
一緒にいたいけどがんばれないなら、うちが頑張ればいいだけ。
好きじゃなくなった別れの方が分かりやすかった。遠距離になるからとか、他に好きな子が出来たとか、私のここが許せないとか、そういう納得できる別れじゃなかった。
どうしようもないなとは、到底思えなかった。
その結果が今(独白)だけど、あの時に別れを選べるほど流される性格でも無いし、心に柱がある。
納得したかった。別れても前に進めるように。もし、万が一別れた後に彼に何かがあっても精一杯がんばったと自分を慰められるように。
馬鹿だろうな。負ければ大損間違いなしの大博打。しかも勝算はほぼないのだから。
沢山自分に言い聞かせた。
こんなに自分が愚かに感じるのは2人がただの恋人だから?夫婦だったらこの博打に不安はなかった?
違うだろうな。私の場合、大博打をしてもいいと思える相手と夫婦になるのだろう。だから、自分は間違ってない。今もそう言い聞かせている。
相手を苦しませてまで自分の意思を貫く。愛とは程遠いが、私の意思の根幹は、一緒にいたい、その一択だから。
私はこの大博打に、割と本気で人生をかけている。

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