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住野式電子楽譜について

「本番で事故ったらやめよう」
そう思ってから4年が経ちました。
電子楽譜を使用しての本番は100回ほどあったと思いますが、本番中の事故はまだありません。

これは私が電子楽譜について、4年間で培ってきた経験、知識の総括です。
本番、練習、合わせ、レッスンなど、あらゆる場面で電子楽譜を使って来たので
「本番で使いたい」
「練習だけ使いたい」
「仕事で使いたい(教師、音楽療法士等)」
など、色々な方の参考にもなるかと思います。

何か質問、意見があれば私のX or Instagramまでご連絡ください

端末の選び方

端末を選ぶ時に重要な点は(ほとんどの方にとって)以下の3点だと思います。

・動作が安定しているか(本番で使用する場合)
・画面の大きさ
・値段

動作の安定について

一般論になってしまい恐縮ですが、やはりApple製品は動作が安定しています。また、充電の切れにくさという点でも評価できます。
ということでiPadが選択肢としては丸いと思います。(ただ、練習だけの使用であれば動作の安定がいらないので、他の選択肢もあるかも)

ちなみにですが、電子楽譜歴1〜2年目はsurfaceというキーボードが取り外し可能のノートPCを使っていましたが、本番の日の朝に電源がつかなくなったことがあり、すぐに今使っているiPadに買い替えました。

画面の大きさ、値段について

ではどのiPadを使うかという事にてついてになります
現在発売されているiPadは以下です(小さい順)

・iPad mini(8.3インチ)/78,800円
〜〜〜〜A5サイズの壁(10.1インチ)〜〜〜〜
・iPad無印,9世代(10.2インチ)/49,800円
・iPad無印,10世代(10.9インチ)/68,800円
・iPad Pro(11インチ)/168,800円
〜〜〜〜B5サイズの壁(12.5インチ)〜〜〜〜
・iPad Pro(12.9インチ)/218,800円
・iPad air(13インチ)/128,800円
〜〜〜〜A4サイズの壁(14.3インチ)〜〜〜〜

※上から6世代、9世代、10世代、5世代、4世代、6世代

iPad Proは確かに大きくて見やすいですが、スペック(性能)もかなり良いため、値段がかなり高くなっています。

そして電子楽譜としての使用にそこまでの性能は必要ありません

とある先生の受け売りですが『いい椅子で運転するためにポルシェを買うようなもの』です。
(いい椅子の軽自動車があれば良いのに…)

そのため僕は、画面の大きさ、性能、値段の観点から(少し小さいですが)iPad無印(9世代)を使用しています。
これ以上小さくなると厳しいかという感じです(22歳)。
予算に余裕が無い方は考えてみてるといいかもしれません。

(追記)新しく出た13インチのiPad airは画面の大きさ、値段の観点からもかなりおすすめできそうです。

購入してから1年半経ちますが、動作は安定しており、一日中(10時間とか)使っても充電が切れることはありません。

また、重要なのが「A4=14.3インチ」「B5=12.5インチ」「A5=10.1インチ」という情報です。
一度印刷してみて、確かめるのが一番良いと思います。
(iPadはフチがあるので実際の譜面は少し小さくなります)

ピアノを弾く方は譜面との距離が近いので、比較的小さい譜面でも大丈夫だと思います。

Apple Pencilについて

譜面として利用するのであれば、書き込むためのペンはほぼ必須と言えます。Apple製のペンは高価で壊れにくく、Apple製でないペンは安価で壊れやすいです。
ペンについてはあまり考えがまとまっていないので、ご自身で色々調べてみるといいかもしれません。私は第1世代のApplePencilを使っています。
iPad無印は第二世代(最新)のApple Pencilが使えないため、注意が必要です(第1世代は利用可能)

GVIDO(電子楽譜専用タブレット)について

やたら高い割に出来ること少なそうやから、これ買うならiPad Proがいいと思う。
って言おうとしたら販売終了してた。

譜めくりペダル

結論

donner社のpage turner


正直に言ってこの商品以外使ったことがないのですが、あらゆる面から見て完璧なので、強くおすすめします

良い点
・重さがあり、平べったく、滑り止めもついているので蹴って飛んでいくことがまずない(意外とかなり大事)
・バッテリーが切れにくく、ひと月くらいなら充電なしで使える
・誤作動がほぼない(たまーーにあるけど「2枚めくれちゃった」くらいのかわいいやつ)
・値段が比較的安い(今は7,000円くらい)

悪い点
緑の小さな光を放っており、本番中目立つかも。シール貼れば隠せる

ペダルを踏む難しさについて

ペダルを踏むことに脳の容量を取られて演奏に集中できないのでは?と言う点ですが、1週間ほど練習すれば慣れて、完全に癖でワーキングメモリ0バイトでペダルを踏むことができるようになります。
僕は紙で見てる時にも間違えて踏んじゃうくらいには癖になっています。

譜面を見るアプリ、ソフト

pia score と goodnotesの比較


pia score
goodnotes

おそらく日本では最も使われている楽譜ソフトの「pia score」ですが、おすすめしません。自分も初めは使っていたのですが、かなり使いにくかったのでやめました。
今は「Goodnotes」というなんの捻りもない名前のアプリを使っています。楽譜専用ソフトではなく、ノートアプリなのですが、かなり良いです。
それぞれの良いところ、悪いところをまとめます。

pia scoreの良いところ
・imslp(ペトルッチ)から直でダウンロードできる
・(メトロノームが使える)
・(ウィンクで譜めくりができる)

pia scoreの悪いところ
・フォルダ整理がしにくい
・ペンの種類(スロット)が少ない

Goodnotesの良いところ
・フォルダ整理がシンプルでしやすい
・ペンの種類が豊富
・ノートの一種類として白紙の五線譜が登録されており、すぐに出せる
・アプリ内でページを削除、コピーするなど、楽譜をいじることが可能

Goodnotes悪いところ
・フチがあるので楽譜が少し小さくなる(本番時は拡大可)

と言うところですが、
メトロノームはスマホでやればいいし、ウィンクの譜めくりはかなり難しいので使えない、そもそもペダルを使えばいい
つまり、pia scoreの良い点は「imslpから直でダウンロードできる」だけだと感じます。初見大会とかですぐ譜面を見たい時だけ使ってます。
(imslpの楽譜をダウンロード→goodnotesも、もちろん可能です)

surface時代は「drawboard pdf」というソフトを使っていました。かなり使い勝手が良かったのでアプリ出して欲しい。と思ったらあったわ。使ってみます。

iPadの設定

とにかく通知が来ないようにしています。
この世の通知という通知を、親のかたきかと思うくらい全てオフにします。


ただ一つ消せない通知があります。

「バッテリー残量が10%になりました」

本番前は絶対に充電をするようにしましょう。
Apple pencilも通知が出るので絶対に充電しましょう。

本番で使う端末は、通知を切って、それ以降は設定を無駄にいじらないようにしましょう

本体のアップデートも、欠かさないようにしましょう。

繰り返しのある譜面について

電子楽譜で少し困るのが繰り返しのある譜面
譜めくりペダルを連打しても良いですが、怖いのでこちらのやり方をお勧めします。
繰り返し(始)〜繰り返し(終)までのページをコピーし、複製します。
つまり、4ページ目に繰り返し(終)があるなら、「1.2.3.4.1.2.3.4.5.6.〜」
と言うふうにしましょう。

pdfファイルの編集は「i love pdf」という謎の名前のサイトを僕は使ってます。
https://www.ilovepdf.com/ja

スキャンの仕方

電子楽譜を使う上でできた方がいいのが楽譜のスキャンです。

細かい手順の解説は省きますが僕は「CAM scaner」と言うスマホアプリで行っています。

パシャパシャ写真を撮るだけで、綺麗にスキャンできます。

これが
こう

もう一つ挙げるなら「adobe scan」もお勧めです。

最近は新しい楽譜を買ったら、全てのページをスキャンし、iCloud上にある原譜フォルダに入れていくのが一つの楽しみになりつつあります。

作曲家ってこんなにおるん

スキャン後は、「i love pdf」と言う謎のPCサイト(アプリもある)を使ってpdfファイルを圧縮、曲ごとに分割します

細かいやり方は割愛します。

電子楽譜の良いところ

荷物が減る

一番メインの利点になると思います
iPad と譜めくりペダルだけで全ての楽譜を持ち運ぶことが出来ます
伴奏者の方でコンクール、試験で多くの曲を伴奏する場合に重宝します

何より、楽譜を忘れるという最悪の事態を防ぎやすくなります

譜めくりを頼まなくていい

譜めくりペダルを使えば一人で譜めくりができます
最もベストなタイミングでめくれる上、当日になってあまりしゃべった事ない人に譜めくりを頼みに行くあの気まずい感じが無くなります

アンサンブルがしやすい

これはかなりマニアックな話になります。
ピアノ伴奏者の方で、電子楽譜を使われる方は譜面台の右側の方に譜面を置くことをお勧めします。


理由は単純で、ソリストの方とのコンタクトが取りやすくなるからです。
ソリストを見るのに、視線の移動だけで済むのはかなり大きな利点に思います。
譜めくりの方を気にする必要がない、電子楽譜ならではの使い方です

さらにマニアックな話で、譜面台を寝かせて、本体と譜面台でiPadを挟む人もいます

倒れそうな気がして僕はやったことはないです利点としては、ピアノの音が聞きやすくなると言うことだと思います。(多分)あと二台ピアノの時は見やすそう

正確な練習時間が分かる

iPadのスクリーンタイムという機能を使って練習時間を見ることが出来ます

僕はこれをできるだけ正確にするために「ピアノを弾いている時間以外は電源をオフ」にするようにしています。

ピアノ周りがすっきりする

ピアノの方で「ピアノの周りがすっきりしている」なんて人はほぼいないのではないでしょうか。自分も昔はレッスンのコピー譜やら伴奏譜などがごちゃついていました。
上の写真の通り、電子楽譜を使ってからはかなりすっきりしています。ペンも1本で済みます。
ほんとにいつもこんな感じです。ほんとに。

急に曲を言われても対応できる

iCloud、One Driveなどのクラウドサービスに登録し、譜面を入れていれば、いつでもどこでもダウンロードして楽譜を出すことが出来ます(Wi-Fiがあれば)。
突然のアンコールや、合わせなどの時、その場のノリで曲を弾きたい時に便利です

電子楽譜の悪いところ

譜面が小さい

大きい端末を買ったとしてもA4サイズにはなかなか届きません

本番でのトラブルが怖すぎる

これに関してですが僕も怖いです
でも紙の時もトラブルあるし仕方ないかな、とも思います。
できるだけ減らす努力は可能です。

ラップに入れれそうなピアノ曲名ランキング

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バッハの名による幻想曲とフーガ

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