深夜の誘惑。
衣・食・住
そして
3代欲求。
食欲・睡眠欲・性欲
人間が人間であり続けるために必要な要素。
皆さんはどれを大切にしていますか?
私はもちろん全てを大事にしている。
が、しかし。
住めるところだって収入によって限りがあるし、着る服だって買うのを躊躇う時もあるし、性欲は波がある物だし、夜の時間が好きなので睡眠だって多少削る事くらいある。
その中でも僕を魅了し続けてやまない欲が一つあるのだ。
"食"
まぁ、落ち着きたまえ。
みんなが暴れ、のたうち回る気持ちもよくわかる。
「私は」だ。
特に「食」というものには手を抜かないと決めている。
つい数日前の出来事。
いつものように睡眠を削ってYouTubeを観ていた。
いくつかの動画を見たあとに、
キャンプをしている1人の男の動画に辿り着いた。
その男はソロキャンプをしていた。
ランドクルーザー70を走らせ、キャンプ場へ。
荷台にパンパンに詰め込んだキャンプ用具を出し終え、タバコを一吸い。
まさに男のロマンが詰まった動画だった。
あまり喋らない環境音中心の動画に僕はいつの間にか目を奪われていた。
男は動画の途中、昼食を作り始めた。
からあげだ。
鶏肉を醤油と酒としょうが、にんにくなどが入った液体に漬け、片栗粉をまぶし、鍋に大量に入れた油に鶏肉を入れた。
ジュー… ジュー…
パリパリパリパリ…
出来上がった唐揚げをそれはそれは美味しそうに食べていた。
そしてノンアルコールのビールを流し込んでいた。
このYouTubeというサイトは要注意だ。
深夜1時にこんな動画をアルゴリズムに乗せて私のもとへ届けるなんて…。
よりによって少し早く晩飯を食べていたのもあり
グーーーーーーーー。
私のお腹の中のエド・はるみが顔を覗かせた。
気づいた時には自転車を走らせていた。
おもむろに漕ぎ出すその姿は
青春そのもの。
ハァ…ハァ…
息を切らす。
キーーーーーー。
ブレーキを掛けた。
…
まてよ。
明日は朝から予定があるじゃないか。
そんなことよりも早く寝なければ。
睡眠優先だろう。
何よりこんな深夜に脂っこいものなんて、消化しきれず寝ることになるので、太るだろう。
私は漕ぐのをやめた。
踏みとどまった。
静かにUターンをする。
この深夜の誘惑に打ち勝った歴史的瞬間。
そう僕は大人。
18歳でも22歳でも25歳でもない。
26歳なのだ。
再来月には27歳になる。
また一つ大人になるのだ。
帰路につき
自宅に戻り
そっと布団を掛け
電気を消し
目を瞑った。ーーー
え?
なんか見えた?
見なかったことにしてね。
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