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天鳳位間近の最強AI【LuckyJ】をMリーグ観戦記者が丸裸にします。


序論 〜LuckyJとは?〜


「AIは身体がないのに丸裸とは、これいかに」

なんて言っている場合ではありません。


ネット麻雀界に大激震が走りました。

先月頃から稼働しだした、麻雀AI「LuckyJ」が天鳳特上卓で十段を達成したのです。

しかも、その成績が、

天鳳特上卓で1000戦以上打った人のランキング

圧倒的なのです。

右の安定段位という指標があるのですが、これが10.6ということは、「ずっと打っていれば、十段でもポイントが増える」ことをざっくり表しています。天鳳位間近とタイトルで書きましたが、全く誇張ではありません。

ちなみに、特上十段配分は、1位から順に、

+75 +30 0 -180

という鬼畜配分です。トップを2回とっても、ラスを1回引いたらマイナスになってしまいます。

それでも、LuckyJは打ち続けたらゆうにポイントが増えるのですから、とんでもないことです。

さらには、トップ率.315  でラス率が.168というのも驚異的な数字です。

単にトップだけを目指しているわけではなく、またラスだけを避け続けているわけでもありません。

1>2>3>4の着順分布になっていることからも、攻守のバランスが取れた打ち方であろうことが予測されます。

「どれどれ、ちょっとどんなもんか見てみるか…」

と、牌譜を覗いてみた方もいらっしゃると思います。

それがまた、難しい麻雀を打つんですよね。

例えば、

このシーンなんかもそうですね。なんで4sやねん?
となりますよね。私もそう思いました。だから、

「そんなすぐ1000戦の成績くらいで…」

と懐疑的になる気持ちもわかります。もちろん、LuckyJの立ち回りを、全部が全部、人間が取り入れるべきではないかと思います。

ただ、私はいても立ってもいられなくなってしまったのです。今日アップする予定だった記事の内容を差し替えることを決めて、牌譜をガッツリ見ることにしました。

だって、めっちゃ興味をそそられるじゃないですか。

パッと見、意味不明な打牌をしているのに、10年以上必死に打った天鳳ガチ勢を軽々と追い抜いていったんですよ。

絶対に、我々人間が強くなるヒントが隠されているはずです。


そして、発見したのです。

すぐにでも取り入れるべき、AIの考え方を。

もちろん、もう実践されている方もいらっしゃるテクニックでしたが、多くの方がこの観点はないかと思います。

そして、牌譜を穴が開くほど見たのは4つだけですが、LuckyJに関してある程度の傾向は見いだせました。

ハッキリ言って、めちゃくちゃ面白いです、LuckyJの麻雀。

言うならば、

「究極のメリハリ麻雀」です。

AIの仕組みには疎いので、出来かたやプログラムについては分からないのですが、私が見た印象では、いくつかの切り替えスイッチがあるようなイメージです。

それらをまさに「機械的に」組み合わせて、麻雀を打っている、そんな印象を受けました。

もちろん、まだ見ている牌譜が少なく、開発者様のお話も聞けてないので、これから調整する点も出てくるかと思います。丸裸、と書きましたが、あれは若干の誇張があります。ごめんなさい。もちろん「すべて」が分かっているわけではありません。【AIを丸裸】というフレーズをどうしても使いたかったのです。

それでも、現時点で分かってきた傾向を踏まえながら牌譜を見るのは、本当に面白いです。「そういうこと!!??」ってなる場面も非常に多くありました。

ぜひ、最強AIに興味がある方、戦術を取り入れたい方は、記事を読んでみてください。

一つ、この記事はいつもの100円から200円に値上げをしております。それほどの労力がかかったからですが、正直、200円でも安過ぎると思います。それくらい面白いです。

ちなみに、5月31日にこの記事を読んでくださっている方は、月額マガジンに入っていただくと、この記事も含めて5月にアップした4つの記事が読めるようになります。

…価格設定おかしくない?

ただ、マガジンには絶対入れたかったので、200円というギリギリの値段設定にさせていただきました。5月に読んでくださっている方はぜひマガジンへとご加入ください。

2023年6月以降にこの記事をよんでくださっている方は、単品でご購入ください。

本論〜LuckyJの打ち筋分析〜

では、実際の選択を見ていきましょう。

使った牌譜は、

1本目 天鳳 / Web版 (tenhou.net)

2本目 天鳳 / Web版 (tenhou.net)

3本目 天鳳 / Web版 (tenhou.net)

4本目 天鳳 / Web版 (tenhou.net)

この4つです。

取り上げたsceneは約130です。これらをバンバン見ていきながら、最後に、傾向と我々も取り入れるべきポイントをまとめる流れです。同じ基準による選択がどんどん出てくるので、分かってくると相当面白いですよ。

ところどころ、NAGA(※ニシキバージョン、以下略)の解析も載せています。4つとも全局解析をかけています。巻末にリンクを貼ってあるので、そちらもご覧ください。

ちなみに、NAGAにかけると悪手率が高めに出るのですが、その理由も説明しています。


1半荘目

役牌を切らずに打2m。これは、

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