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水木しげる、荒俣宏共著 戦争と読書 水木しげる出征前手記

角川新書
亡くなった友人から、読書は時間の無駄だと言われ、いつかその意味を聴いてみたいと思っていた

生意気にも、お前そう言えるほど数多く読んでないだろ、とか、確かバートランド・ラッセルの受験用問題集にある評論か何かの受け売りだろうとか、そんな言葉からいろいろ議論するつもりでいた

わたしなどより、遥か、はるかに頭の良い奴で、そう言えば、受験の前に勉強の仕方なども教わったことも多かった、言いたいことも聞きたいことも一杯あったのだけど、当時は、何も言い返せなかった

死んだ親父が言っていた、日本は何であんなにくだらない戦争をしたのだろう、この言葉も記憶に残ったまんまだ

南方への派遣軍は、太平洋埋立艦隊と自嘲的に言われていて、どうせ潜水艦の魚雷で沈没する、分かっているのに派遣する

親父の言葉のお陰で、戦記ものとか、いろいろ読んだ、水木しげるさんの体験は、数多くの漫画にもなっている

もっと日本人の戦争について、大局からも知りたいと思っていたが、やはり敗軍の将は、ほとんど語っていないのが残念だった、多くは、兵隊としてのものだった

山岡荘八著小説太平洋戦争だけは、多くの将軍も、当時の政治家、そして敗因まで多く教えられる本であり、涙無くして読み続ける事がなかなか出来なかった

そして山本七平の一連の本、敗因分析なども大変示唆に富むものであり、実は、今の日本にもその多くが、共通することに気がついた、考えて観れば、同じ愚かな道を歩まないのか心配になってしまう

ただ、武田信玄じゃないけれど、大東亜戦争前の事件なども含めいろいろな知識を得て、何かまとめて考えたいなと思ったら、このところ本の廃棄を言いつかり、とうとう時間が足りなくなって来た様だ、残念だ

水木しげるさんもお亡くなりになった、ただこの本を紙ごみにするのは、偲びない、徴兵される側の人々の一面、時代背景をうつしてくれている貴重な本だ
また、内地の様子は、やはり山本夏彦さんに限る

そんなこんなも話し合う友達も親父もいなくなってしまった、そして、こんな話しの材料も廃棄しなくはならなくなってきた、時間ですよってことか

ネアンデルタール人は、ホモ・サピエンスよりもはるかに頭が大きくて、記憶力が半端ないと言われている、我々は、その点物忘れは、宿命のようなところがあるらしい

忘れるから、生き残ったらしいので、これは、ご同慶の至りかも知れない

そう言えば、親父がよく言ってた、死んだら終いって

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