鉄拳7フレームデータ公開史(海外編)

 いぐにすです。先週から始めたnoteですが、そこそこ読まれているうえに、たくさんの方から有料記事も含めて支援をいただけました。ありがとうございます。モチベの糧にします。

 さて、前回にひきつづき鉄拳7フレームデータ公開史、今回は海外編になります。ある意味、noteの有料記事を書くモチベのほとんどがここにありますが、内容はほぼアレすぎてアレです。

 ひとつ懸念があります。このテーマに関心のある人間が世界的にもごく少数なので、客観的な検証が足りていません。いぐにす自身は鉄拳コミュニティへの貢献度は高いのですが、コミュニティの外の人間なので、情報が入りづらい事情もあります。また、海外なので言語の壁があり、正確な情報をとれている確証がありません。内容がどうしても主観に寄るのですが、現状があまりにひどすぎて、自分が正気を失って被害妄想をこじらせてるんじゃないかと不安になります。

フレームサイト・アプリの見極めポイント

 話を掘り下げる前に、公開されているフレームサイトやアプリのデータの精度を、簡単に見極めるポイントを紹介します。

・ヨシミツ:金打(WP) 返し技成功時の八咫烏のダメージが13,16になっているデータは、ina tekkenおよび、そのコピーであるrbnorwayのコピーなのでアウトです。10,12が正しいです。TT2→鉄拳7のバランス調整で地上ヒットダメージが120%補正→100%補正に戻された経緯があるのですが、ina tekkenで修正ミスがあり、コピーデータに引き継がれています。このミスは出典元が簡単に確認できるので重宝しています。

・平八:激剛掌破(【6RP-LP】) 発生が16~17Fになっているデータは、ina tekkenのコピーまたは、modの値を読んだだけで検証の知識が足りていません。発生13~14Fになっているデータも同様です(こちらは公式アプリの値)。実際の発生は21Fで固定です。「6RPを入力後、すばやくLPを入力」という特殊な入力(スライド入力)で発生する技なのですが、厳密には「6RP入力の発生5F以内にLPが追加入力されると、裏拳(6RP)のモーションをキャンセルして、6F以降から発生16Fの激剛掌破に派生する」となっています。なので、modでデータを読みだした場合は、発生16Fの部分だけが読みだされる形になります。発生17F表記は、「6RPのモーションを1Fだけ見せて最速キャンセルした」と解釈したか、攻撃判定が1F持続したケースを想定したのだと思われます。なお、1Fだけ見せて最速キャンセル入力したという解釈の場合は間違いで、実際に入力すると【6RP-LP】ではなく剛掌破(6WP)という別の技の入力ミスと判断されるため、成立しません。どのみち、データ公開者が仕組みを理解していないので、問い合わせてもまともな回答は得られないでしょう。

・豪鬼:真・瞬獄殺(レイジ中LP,LP6LK,RP) パワークラッシュの発生が1Fになっているデータは、ina tekkenのコピーまたは、modの値を読んだだけで、そもそも検証をまともにやっていません。暗転演出が入るため、modの読み出しが狂ってしまい、1Fからパワークラッシュ発生と出てしまうのが原因です。ちなみに実際に検証するまでもなく、パワークラッシュは全キャラ一律で発生8Fに統一されています(過去に、バグでラースのみ発生7Fだったこともありますが……)。

 国内編で触れていますが、ina tekkenのデータ検証にはmod値が使われています。しかし、いろいろな事情があって、実は検証が不完全な状態で公開されていました。

英語圏の鉄拳フレームデータ ~rbnorwayと不愉快な仲間たち~

 いよいよ本題に入っていきます。英語圏のフレームデータは、ながらくTekken Zaibatsuのコミュニティを主導に公開されていました。

 過去のそれがina tekkenの翻訳だったのか、それとも有志による更新だったかは把握していませんが、ina tekkenが閉鎖された現在、過去作のフレームを参照する場合はここのアーカイブが頼りになっています。

 鉄拳7からは、最初はTekken Zaibatsuが主導だったようですが、徐々にdiscord、googleスプレッドシートによる共有、そして、rbnorwayによる積極的なina tekken wikiの翻訳へと移りかわります。

 rbnorwayは、ランキングバトルノルウェイの略で、ノルウェイの格闘ゲームコミュニティが母体になっています。アーケードの鉄拳7の頃からina tekken wikiの翻訳を行うようになり、家庭用発売とともに、いちはやく全翻訳を完遂させました。

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