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ジオパーク・オンライン #024 南紀熊野ジオパーク(みどころ&動画)

このレポートは無料で読めます。
オンラインツアーの動画は最下部にあります(有料)。日本ジオツーリズム協会メンバーの方は無料で見られます(※2023年11月以前にご入会の方のみ)。

第2期、通算24回目の最後を飾るオンラインツアーは、和歌山県の南紀熊野ジオパークから。
「検索しても見つからない? 本州最南端の絶景の秘密を探せ!?」 という気になるタイトルで、南紀熊野ジオパークガイドの芝崎浩子さんがご案内しました。

本州最南端である潮岬には、海の絶景、橋杭岩があります。 海の中に三角形や台形の岩が一列に並ぶ、なんとも不思議な景色です。 ここには、弘法大使と天邪鬼の知恵比べの伝説が残っており、検索すればその話も見ることができます。

もちろん、『橋杭岩』と検索するだけで、この景色が1500~1400万年前の火山活動によってできた、ということが画面に表示されます。 地面の割れ面に入り込んだマグマが冷え固まり、岩になったのち地上に出てきた結果、岩が一列に並んでいるように見える、という仕組み。 しかしそこまで見て、わかった気になるのはまだ早い。 そこには、検索しても出てこない、もっと奥深い秘密がありました。

橋杭岩の周囲に目を向けてみると、橋杭岩から陸に向かって、大きな岩がたくさん転がっています。 岩を奥へと運んだ犯人は、津波。潮岬の沖にあるプレートの境目、南海トラフでは、数百年毎に巨大地震が起き、津波も発生していたと考えられるのです。

海と岩が織りなす奇景を作ったのは火山だけでなく、実は、地震、そして地震によって起きた津波。どちらも人の暮らしを一変させうる大きな災害につながるものです。 これが、橋杭岩に隠され、検索しても出てこない、絶景の秘密だったのです。

住人は、絶景を作ったのは地球の活動であり、それが人の身にとっては災害だ、ということを承知の上で、なおこの景色を愛し、大切にしています。 「津波が来ても逃げて命さえあれば」 「橋杭岩で一番恩恵を受けているのは自分たちだろう」 大地の営みを丸ごと愛して楽しんでいる人々がいる。それが、日本最南端の地の、検索しても出てこない魅力なのかもしれません。


日本ジオツーリズム協会メンバーの方は、下にスクロールすれば見逃し配信(アーカイブ)が見られます(※2023年11月以前にご入会の方のみ)。

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